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米書店チェーン、“多様性企画”で古典文学の表紙絵を黒人に置き換え ネットでの批判を受け販売停止

キャンペーンの意図と受け手の解釈が食い違ったようです。

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 米大手書店チェーン「バーンズ・アンド・ノーブル」は、古典文学の表紙イラストを黒人で描いた多様性キャンペーンの中止を発表しました。「多様な背景および人種のアーティストによる表紙デザイン」を意図していたと説明していますが、キャンペーンを目にした人々から「白人の文化を黒人で置き換えることが多様性ではない」といった反感を買っていました。

バーンズ・アンド・ノーブル(画像はBarnes & Nobleより)

 キャンペーンは黒人歴史月間の取り組みの一環として企画されたもので、『白鯨』『不思議の国のアリスなどの古典文学作品のカバーイラストを黒人で描いた「ダイバース版」を販売するという内容でした。キャンペーン中止に伴って販売を停止しただけでなく、現在は表紙の画像も削除されています。海外メディアが公開しているダイバース版の画像では、黒人をモデルとした『オズの魔法使い』の「ドロシー」と『フランケンシュタイン』の怪物、ターバンを巻いた姿の『ジキル博士とハイド氏』が確認できます。

 Twitterではこの「ダイバース版」をめぐって批判が飛び交いました。ハッシュタグ「#DiverseEditions」には、多くの疑問の声が寄せられています。「多様な著者による古典作品は確かに存在しているのに、どうしてこのキャンペーンで販売しないのでしょうか」といった意見や「白人の古典だけを取り扱ったところで多様性とはならない。異なる背景の文学を白人がいる市場で販売することこそが多様性ではありませんか」と厳しい主張が目立ちます。

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 批判の声を受けた広告代理店は謝罪文を公開しました。カバーイラストを多様な人種や背景を持つアーティストが手掛けることで、古典作品に新しい視覚表現を用いることが狙いだったと述べたうえで、このプロジェクトを中止することと不快な印象を与えたことについて謝罪しています。

 バーンズ・アンド・ノーブルも同様に本件について意見表明を行っており、キャンペーンの意図は古典作品のカバーデザインを多様なアーティストが手掛けることであったことを説明。古典文学との組み合わせにより多様性の関心を高めることができると確信していたと発表しました。同社では引き続き黒人歴史月間に黒人作家による歴史や文学作品を紹介する取り組みを行っていくとしています。

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