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オン対戦だけが格ゲーじゃない “非格ゲー民”でも楽しめた「グラブル ヴァーサス」RPGモードの新しい可能性モバクソ畑でつかまえて

モバクソゲーサークル「それいゆ」発起人、怪しい隣人さんによるスマホゲームコラム。今回は「グラブル ヴァーサス」のRPGモードが面白かった、という話です。

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 少し前は「グラブルやってる」といえばソーシャルゲームだったのですが、先日発売されたグランブルーファンタジー ヴァーサス(以降グラブルVS)」が大変好評なようです。

 既存のソーシャルゲームプレイヤーだけではなく、格闘ゲームプレイヤーにも新しい格ゲーとして受け入れられているようで。反面、もとの「グランブルーファンタジー(以降グラブル)」プレイヤーであまり格ゲーに興味がない人にはどうなのでしょうか。先日の無線LAN話関連記事)なども含めて「格闘ゲーマー怖い」となっている人もいるかもしれません。そこで今回は「一人でも楽しいグラブルVS」について書かせていただこうかと思います。

ライター:怪しい隣人

出来の良くないソーシャルゲームを勝手に「モバクソゲー」と名付けて収集、記録、紹介しています。モバクソ死亡リストは500件を超えました。年々ソーシャルゲームが複雑になり、ダメさを判定するのに時間がかかるのが最近の悩みです。本業はインフラエンジニア。そのためソーシャルゲームの臨時メンテは祭り半分胃痛半分な気分です。

石とヒヒイロを買うと格ゲーがついてくる

 私がこのゲームを購入したのは、グラブルプレイヤーとしてオマケに釣られたところが大きいです。特に注目を集めたのは、セフィラ玉髄(※)。ゲーム内のやりこみ要素である十賢者の入手に必要なのですが、ゲーム内では限られた入手手段しかありません。入手にかかる手間を考えるとかなりのお得アイテムといえるでしょう。

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※編注:セフィラ玉髄×1、ヒヒイロカネ×1、金剛晶×1、ダマスカス骸晶×10のいずれか1つを選べる

 そして、やりこみの最先端を行かない人にはまだまだ必要なヒヒイロカネ。こちらは過去グラブルや他のアニメのBD全巻購入特典として入手することが可能でした。他のオマケもあるとはいえ、合計2万~5万円弱と引き換えだったこのアイテムを7000円で入手することが可能となったのです。まさに破格。

 他にもRPGモードをクリアすれば5000個分のガチャ石をプレゼント(※宝晶石3000個で十連ガチャ1回分)。石5000個+ヒヒイロorセフィラ玉髄の時点で「石とヒヒイロを買ったら格ゲーがオマケについてくる」ぐらいの考えだったのです。もちろんグラフィックはが良いことは事前に分かっていましたので、キャラを適当に動かして楽しめればいいかな、程度の期待はありました。

入手した特典:この石はバレンタインガチャに消えました

いい意味で予想を裏切ってくれた「RPGモード」

 そんな予測をいい意味で裏切ってくれたのが、その5000石目当てに始めたRPGモードでした。RPGモードは格ゲー部分と同じキャラを使い、レベルを上げて武器を集め、より強い敵に挑んでいくというハックアンドスラッシュな感じのゲームです。

 主な敵は格ゲーモードで自分が利用できるキャラクターであり、このあたりはCPU戦らしくもあります。ですがそれだけにとどまらないのは星晶獣ステージの存在。ゲーム通り次元断を使うコロッサス、拘束具を引きちぎり大いなる破局を撃ってくるプロトバハムート。グラブルのボスたちが巨大なモンスターとして襲い掛かってくる戦闘は格ゲーとは違った楽しさを感じさせてくれます。

グラブルの次元断
グラブルVSの次元断
グラブルの大いなる破局
グラブルVSの大いなる破局
グラブルVSの拘束具を引きちぎるプロトバハムート

 そして、RPGモードのラスボスを倒すと、2周目ともいえるHARDモードが開放されます(※)。

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 ある意味ここからが本番。今までは特に武器集めなどをせずにクリアができたのですが、敵の体力が大幅に上昇しており、同時にCPUの強さも上昇しているのでそう簡単にはクリアできません。ではどうするか。本家グラブルのごとく、敵をひたすら倒して交換素材を集めて武器を交換するとともに武器のドロップを狙い、レベルを上げるともらえるチケットを使ってガチャを引いて武器を集めるのです。

※編注:HARDクリアでさらにジョブスキン「きぐるビィ」がもらえる(入手済みの場合は宝晶石3000個)(PlayStation.comの紹介ページより)

 そんなのやってられないよ、と思うかもしれません。ご安心ください。なんとこのRPGモード、グラブル同様のフルオートプレイが可能なのです! ○○掘りと呼ばれる武器集めの虚無感も完全再現。ついでにガチャからSSR演出がでなくてがっかりする不毛さ、さらにはSSR確定でもほしくない武器が出る不毛さも完全再現しています。このように苦労して集めた武器を編成して体力と攻撃力のバランスが取れた編成を目指すのですが、ここでおまかせ編成があまり役に立たないというところまで完全再現しています。こんなところまで完全再現してほしくなかった!

グラブルVSの編成画面
グラブルVSガチャ画面。グラブルでもみんな大好きSSR確定演出

 とはいえ、武器を集めて強くなり、オートで敵を蹴散らすのはある意味楽しいものです。この辺りの「だんだん強くなっていく自分」「気がついたら今まで苦労していた敵を余裕で倒せる自分」というあたりはグラブル同様、自キャラの成長を感じられる要素です。また、手に入れた武器はスキンとして使えるため、自分の好きなキャラクターにガチャで引いた強武器を装備させることも可能です。グランくんとランスロットを演じる声優、小野友樹さんが大好きなグラーシーザーはゼタが装備できます。

グラーシーザー装備状態のゼタ

 このRPGモードですが、オンラインに接続しなくても遊べます。なので、無線LANでプレイするなど言語道断、という人たちにおびえずにゲームを楽しめますし、PS Plusの費用を払う必要もありません。「自動周回で自分を鍛える」のは「腕前を上げる」格ゲーとは大きく違うものです。対戦は怖いし自分はヘタクソだし……という人にも安心しておすすめできる一品といえるでしょう。

 ただこのRPGモードですが、大きな欠点が現在存在しています。それは、大変読み込みが遅いというもの。RPGモード特有の問題のようなので、今後の解決が待たれるところです。ただ、これについてはポジティブに考えましょう。ロード時間に本家グラブルを遊ぶのです。本家でフルオートで日課の周回をこなしつつ、VSのRPGモードで武器集めのオート周回。自分は今ゲームを遊んでいるのだろうか、と疑問を覚えること請け合いです。

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RPGモードが見せてくれた格闘ゲームの可能性

 ここまでRPGモードをいろいろとおすすめしてきましたが、よくできたゲームなのかといわれるとお世辞にも太鼓判は押せません。ですが、これからの可能性に満ちたゲームモードだと思います。格闘ゲームを作るために注ぎ込まれたリソースを格闘ゲームだけに終わらせず、ハクスラゲーとしても楽しめるようにする。そんな可能性に満ちたRPGモード、ぜひ遊んでいただきたいと思います。

 最後にごくごく個人的なお話を一つ。私がゲーセンでの格ゲーから引退したのは、ある日ゲーセンで敗退した後、向かいに座っていたお兄さんのつまらなそうな顔を見てしまったからでした。ああ、自分はこの人にとっては退屈な相手でしかなかった。その時点でなんだかいろいろなものが抜けてしまい、それ以来ゲーセンで知らない人と対戦格ゲーを遊んだことはありません。もともと闘争心が強い方でない私が長いこと格ゲーをやっていた、というのも不思議な話です。

 世の中にはグラブルVSをきっかけに格ゲーの世界に入った人もいると思います。オンライン対戦で並み居る強豪に立ち向かい腕を鍛え上げるのもいいでしょう。ですが、そこで負け続けることで本家グラブルまでも嫌いになってしまっては意味はありません。そんなときはRPGモードで「腕前の差が出ない世界」で遊んでみるのもよいのではないでしょうか。

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