はいさーい!! 日本最南端の鉄道「ゆいレール」に乗ってきた:月刊乗り鉄話題(2020年2月版)(2/4 ページ)
ゆいレール乗車+冬の沖縄を楽しむ乗り鉄的旅行ガイド。時には再建を願ってしんみりしましょう。【写真50枚】
生活手段として定着した「ゆいレール」で終点へ直行
プラットホーム階へ上がり、ようやくご対面ゆいレール。2両編成のモノレール車両。車両は通勤仕様のロングシート型ですが、運転席の真後ろだけはクロスシート、通称「鉄オタシート」になっています。もちろんここに座ります。
ここは真横に窓がないので前方の景色に集中できます。さあ出発。グーンと力強い加速感。静かで、ゴトゴトした縦揺れが少なく、横方向もブレません。1本のレールに車体がまたがり、左右からゴムタイヤで保持している感じ。とても快適です。
ゆいレールは、東京モノレールや大阪モノレールのように車体がレールをまたがる「跨座(ござ)式」です。これに対して千葉都市モノレールや湘南モノレールは懸垂式です。ゆいレールはなぜ跨座式になったのでしょう。きっと、沖縄にはコザ(市名、現在は沖縄市の一部)があるからだな。なんちゃって。本当は「台風襲来地域のため絶えず塩害の恐れのあることから、コンクリートが主体の跨座型となった」(公式サイトより)のだそうです。
那覇空港駅からてだこ浦西駅までの所要時間は約36分です。途中で立ち寄りたいところもいくつかありますけれども、まずは終点へ直行します。都心部はビルの谷間をスイスイと通り抜け、高いところを走るので見晴らしも良く、まるで遊覧飛行のようです。楽しいし快適だし、沖縄の人は「これが鉄道だ」と思ってしまうかもしれない。普通じゃないよ。かなりレベルの高い乗り心地ですよ~。
赤嶺駅、小禄(おろく)駅と、どんどん乗客が増えていきます。那覇空港発車時は座席が埋まる程度でしたが、国場川を渡って壺川駅に着くと立ち客も多数いるほどに混んできます。空港と都市部を結ぶだけではなく、ビジネスパーソン、通学生、買い物客など、さまざまなお客さんが乗っています。生活手段として定着したことが伺えます。
県庁前駅でビジネスパーソンと観光客がごっそり降りていきました。ここは県政の中心であり、有名な繁華街「国際通り」の入口でもあります。
2両編成のゆいレール車内は、東京メトロ銀座線や大阪メトロ御堂筋線の昼下がりと同じくらいの混雑ぶりでした。終戦以来、鉄道がなかった沖縄はクルマ社会でした。しかし都心部の慢性的な渋滞が問題となり、鉄道が必要としてモノレールが計画されました。しかし当時ここまで大成功するまでは予測できなかったかも。ゆいレールは2030年度を目標に3両編成にする方針です。
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