「ハイジ」「カリオストロ」まで　米アカデミー映画博物館オープン記念に宮崎駿展が抜てき、国内外ファン「最上級のリスペクト」と歓喜

　映画の祭典・アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーが、米ロサンゼルスにアカデミー映画博物館を2021年4月30日にオープンすることを発表。開館記念の企画展示として「宮崎駿展」を開催する考えを明かし国内外のファンの間で「最上級のリスペクト」と話題になっています。

　映画芸術科学アカデミーによれば、同展はスタジオジブリの企画制作協力のもと宮崎監督に焦点を当てた北米初の回顧展。アカデミー賞受賞作品の「千と千尋の神隠し」をはじめ、「となりのトトロ」「もののけ姫」などのオリジナルイメージボード、キャラクターデザイン、絵コンテ、セルなど約300点以上の展示の他、フィルムクリップの大型投影で半世紀を超える宮崎駿監督のキャリアを振り返ります。

　展示エリアは大きく7つに区切られ「トトロ」からインスピレーションを得た「ツリートンネル」をくぐると、そこは宮崎監督の世界。ジブリ作品だけでなく、アニメーターとして参加したテレビアニメシリーズ「アルプスの少女ハイジ」や、初監督作「ルパン三世 カリオストロの城」、ジブリ立ち上げ前の作品「風の谷のナウシカ」といった宮崎監督のキャリアを初期から網羅する徹底ぶり。256ページに及ぶカタログや同展オリジナルグッズまで、ファンにはたまらない内容となりそうです。

　スタジオジブリ代表取締役の鈴木敏夫プロデューサーは「アカデミー映画博物館の開館記念の展覧会に、宮崎駿展を開催いただけること、大変光栄に思います」とコメントし、長年監督をそばで支えてきた立場から「宮崎の才能は、見たものを記憶する力」と表現。「頭の中の引き出しから記憶を引っ張り出したりし、オリジナリティーの強いキャラクター、風景、建物を作り上げて来ました」とこれまでを振り返り、今回の企画展を「宮崎駿の創作活動の全てを見ていただければ」とアピールしています。

　また同館長のビル・クレイマーは宮崎監督を「国際的なレジェンド」とたたえ、同企画展でオープンを飾ることに「これ以上の喜びはありません」とコメント。担当キュレーターのジェシカ・ニーベルは「宮崎作品の熱烈なファンはもちろん、作品をあまり知らない人も魅了できるような展覧会」と述べました。

　企画展発表のニュースに国内外のファンが反応しており、「いまから待ちきれない」「楽しみができた」という声や「現代アニメーションに対する最上級のリスペクト」とまで称するファンも。日本のファンも「行きたい」「逆輸入されないかな」と期待をあらわにしています。