伊豆急下田駅「ひれかつ弁当」(930円)~伊豆高原駅で駅弁食べながら「ワーケーション」やってみた!
今回は伊豆急行線の駅弁「ひれかつ弁当」ともに、テレワークの1つとして注目を集めている「ワーケーション」を楽しんでみました!
【ライター望月の駅弁膝栗毛】
朝9時の東京駅は、出勤の皆さんで、いまも、それなりの混雑となっています。
“それなり”というのは、コロナ禍以降、在宅勤務等が進み、丸の内周辺では日中の人が少なくなっており、私が利用する朝の列車も押し込まれるような混雑がなくなりました。
今回は、そんな東京駅を朝9時に発つ、東海道本線の特急「踊り子3号」に乗車。
混み合った上り列車とすれ違いながら、リクライニングシートに身を委ね、伊豆を目指します。
前10両の伊豆急下田行に乗ってやって来たのは、伊豆急行線の伊豆高原駅。
「踊り子3号」は、東京を出ると、品川、川崎、横浜、大船、小田原、湯河原、熱海、網代、伊東の順に停車し、伊豆高原には11:13に到着します。
今回は、愛用のノートパソコン一式と資料片手の旅。
昨今、テレワークの1つとして注目を集めている、「ワーケーション」を楽しみます!
伊豆高原駅には、伊豆急グループ運営の「Vacation Office 伊豆高原駅」があります。
ここは令和元(2019)年7月にオープンしたコワーキングスペースで、3時間利用まで500円、1日利用は1000円となっており、もちろん電源・フリーWi-Fi完備です。
やまもプラザ2階の「駅カフェべるじゅ」で利用の旨を申し出て受付を行い、料金を支払い。
交通系電子マネーも利用可能で、受付が済むと、カードキーを貸与されて入場できます。
「Vacation Office 伊豆高原駅」は、8席のみのゆったり空間。
当日のドロップインのみ利用可能(予約不可)で、空きがあれば10:00~16:30の営業時間内で、土休日を含め、いつでも利用可能です。
この他、最大6人で使える「会議室」もあり、コチラは電話予約可。
私は今回、11:30~16:30まで5時間、休憩をはさみながら仕事をしてみました。
早速、ノートパソコンを立ち上げ、フリーWi-Fiも快適にラジオ番組の台本書き。
必要に応じて、電話取材等を行いながら、原稿を書き上げていきます。
この日は、私以外に利用者は少なく、少し大きめの声で喋っても支障なし。
いつも以上に気分もノッて、筆も快調に(!?)進みます。
そろそろ1時間半、ここらでひと息、“鉄分補給”といきましょうか!
伊豆高原の駅前に出てみると、ちょうど東京からの特急「サフィール踊り子」が発車!
最新鋭のE261系電車はさすが、走り出しも静かですね。
駅併設のコワーキングスペースは、休憩がてら、行き交う列車を観られるのがいいもの。
列車のダイヤに合わせて、仕事のスケジュールを組んでいくことができるのも好都合。
スケジュール管理の面でも、鉄道駅で仕事をするのはいいことではないかと思います。
加えて、伊豆高原駅の素晴らしいところは、食が充実していること。
とくに「やまもプラザ」の一角には、駅弁売場の「POPO」があります。
伊豆急下田駅と同様、下田市のクックランドが製造し、伊豆急物産が販売を手掛けている「伊豆急行線の駅弁」は、伊豆高原駅でも購入可能。
駅弁をいただきながら、のんびりお仕事……これぞ「ワーケーション」ですね!
伊豆急行線の駅弁といえば、「金目鯛の塩焼き弁当」をはじめとした、伊豆らしい魚介系駅弁が有名ですが、一方で「仕事で伊豆に来た」という方向けの駅弁もあります。
今回は、そのなかから「ひれかつ弁当」(930円)をチョイス。
シンプルな駅弁であっても、しっかり「掛け紙」がかけられているのは、有難い限り。
歌舞伎色の綴じ紐も、鉄道好きには、ついつい“湘南色”に見えてしまうのがいいですね。
【おしながき】
- 白飯 梅干 ごま
- 豚肉のひれかつ ソース 練り辛子
- ケチャップパスタ
- ポテトサラダ
- つぼ漬たくあん
冷めても柔らかく揚げられた3枚のひれかつの下には、懐かしさを憶えるナポリタン。
「ワーケーション」とはいえども、頭のなかは“仕事モード”ですから、伊豆のご当地名物は、帰りのご褒美に取っておくのも、仕事のモチベーションを高めるにはいいかも知れません。
ただ、伊豆高原・伊豆急下田共に、夕方になると駅弁が売り切れてしまうことも多いので、金目鯛の駅弁などは、事前にお店の方に取り置きをお願いしておくことをお薦めします。
やまもプラザには、海鮮系、そば・うどん、中華、パン、カフェなどの食事処もありますので、駅弁はもちろん、お好みに合わせて、さまざまなランチが楽しめます。
食後は、やまもプラザにある、地元・伊東の「市川製茶」のお店で冷たい「ぐり茶」を購入。
粉末のぐり茶を、冷え冷えの富士山の水に溶かしていただきながら、午後の仕事をスタート。
いつもとはチョット違った環境で仕事に取り組むと、意外とアイデアが湧くことも!?
再び1時間半ほど仕事を頑張ったので、午後3時の休憩は「足湯」にやって来ました。
伊豆高原駅前には掛け流しの足湯があって、誰でも自由に利用することができます。
片瀬11号・21号、白田11号、対島36号、熱川・北川45号の混合泉は、66.5℃、ph8.0、成分総計1853mg/kgのナトリウム・カルシウム―塩化物・硫酸塩温泉。
仕事の疲れを、スグに天然温泉で癒せるのも、「ワーケーション」ならではですね。
足湯に浸かっていると、駅のほうから電車が入線する音が聞こえてきました。
ちょうど伊豆急行自慢の「リゾート21」(キンメ電車)が、下田から上って来た様子。
伊豆高原は、伊豆急行を走る電車の車両基地となっているので、営業列車の他にも、さまざまな車両が観られて、鉄道好きにとってはパラダイスのような駅です。
パソコン仕事で疲れた目も癒される、まさに「眼福」ともいうべき風景が広がります。
途中、30分ほどの休憩を2度挟み、16:30の営業終了に合わせて、本日の仕事は終了!
快適な環境で、予定していた作業の内容は、概ね仕上げることができました。
伊豆急行によると、1年前から既にこのような「ワーケーション」のような利用をイメージして、このようなコワーキングスペースを開設していたと言います。
日帰りでも、東伊豆の温泉宿に連泊して、昼間は伊豆高原で仕事というのもよさそうです。
伊豆高原駅を訪れる方は、まだ観光の方が多く、私が「Vacation Office 伊豆高原駅」で仕事をしていても、ここはどんな場所なのか、不思議そうに見ていく方も多く見られました。
ただ、みんな一緒に同じ場所で仕事をする時代からは、時計の針が動き出しています。
鉄道旅、温泉、海や山も満喫しながら、仕事もしっかりやる「ワーケーション」。
満員電車に飽きたら「踊り子」号に乗って、伊豆の海を感じながら仕事してみませんか?
連載情報
ライター望月の駅弁膝栗毛
「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!
著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/
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