ウェントワース・ミラー、「プリズン・ブレイク」マイケル役を降板 「ストレート役は演じない」との決断に賛否両論
2013年にカムアウト。
俳優のウェントワース・ミラーが11月9日、代表作「プリズン・ブレイク」からの完全降板をInstagramで発表。自身と性的指向が異なる「ストレート(異性愛者)の役柄を演じたくない」という理由が「プロ意識の欠如」または「影響力のある行為」と賛否両論となっています。
「プリズン・ブレイク」はタイトル通り、刑務所からの脱獄をスリルたっぷりに描いた人気ドラマで2005年から2009年まで4シーズンが放送。2017年に復活しシーズン5が放送され、いまだにシーズン6の計画が取り沙汰される中での主演降板宣言となりました。
ウェントワースは同作で、無実の兄リンカーンを助けるため自ら刑務所に入り込む主人公マイケル役を好演。高い人気を獲得する傍ら、2013年にカムアウトしてからはアンチから寄せられるセクシュアリティに対する差別的なコメントにさらされてきました。この状況を踏まえ「自分自身はネットいじめをどうとも思っていないけれど、性的指向に悩む子どもたちが自分への有害なコメントを目にする可能性に危機感を抱いた」ことに関連して降板を決意したとウェントワースは明らかにしています。
きっぱり「PB(プリズン・ブレイク)からは降板する」とつづったウェントワースですが、ネットいじめは問題ではあるものの直接の原因ではないと明言。マイケルは作中で異性愛者として描かれ、サラ・ウェイン・キャリーズ演じるサラとの恋模様が見どころの1つでしたが「これまでのようにストレートの役を演じることはもうしたくない」と説明しています。「もうマイケルを演じることはない」と断言しながらも「もしあなたが番組のファンで、続きを見たいと思っていたとすれば落胆させただろうし、申し訳なく思う」とファンを気遣うコメントを残しました。
ウェントワースの決断は賛否両論となっており、記事執筆時点までに2万件を超えるコメントが寄せられています。批判的な意見を寄せているのはアンチだけではなく「あなたも番組も好きだけれど」と前置きした上で仕事とプライベートは別物だとして「プロの俳優なら、どんな役柄でも演じるべき」というファンや、長年支持してきた「ファンへのリスペクトがない」との反応も見られました。
一方で「悲しいことではあるけれど」としつつ、信念を重んじる行為は「強いメッセージ」と意思を尊重する声もファンから上がっています。降板を惜しみながらも「まずは自分自身と健康を大切に、それがパフォーマーとして一番重要なこと」「個人の幸せが何より大切」とウェントワースの心身を案じるコメントが寄せられています。
近年、ハリウッドでは人種やセクシュアリティを、演じる役柄と俳優で一致させるべきだとのムーブメントが加速。2020年だけでも、シスジェンダー(自分で認識している性別が生まれたときの性と一致している)のハル・ベリーやトランスジェンダー役を降りたり、ともに白人女性であるクリステン・ベルとアリソン・ブリーがアニメ作品で演じていた有色人種のキャラクター降板を表明したりと注目されています。
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