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【好きなゲームが世間のクソゲーな人インタビュー】世界最速RTAプレイヤーが語る「シルバーサーファー」の魅力(1/2 ページ)

RTA in Japan 2019で同作を走ったEiP25さんによる解説。

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 年末企画「自分の好きなゲームが世間ではクソゲーと言われている人インタビュー」。今回は、世界最速記録を持つRTAプレイヤーによる「シルバーサーファー」(NES)の紹介です。

世界中のRTA記録が集まる「speedrun.com」にて1位の記録保持者(29分12秒/Any%)

企画:好きなゲームが世間のクソゲー

「これはクソゲー」「あれはクソゲー」と世間は気軽に言うけれど、遊び方も感性も人それぞれ。むしろ、そんな風に言われている作品の魅力を知っている人に話を聞いてみよう。Twitterで募集をかけたら、2~3人くらい手を上げてくださるのでは?

……と思っていたら、100人くらいから連絡が来ちゃった企画です。編集部のリソース的に可能な範囲で記事化。1日1本ペースだと公開しきるまでに数カ月かかるので1時間に1本ずつ公開します。

「シルバーサーファー」(EiP25さん/@smb2_aiai

 「シルバーサーファー」とは、1990年にArcadia SystemsからNES専用ソフトとして発売された、マーベル・コミック作品の1つ『Silver Surfer』を題材とした横スクロールシューティングゲーム(以降STG)です。本作品は、その圧倒的難易度から悪い意味で有名です。

このゲームの魅力

 本作品最大の魅力は何と言ってもそのBGMです。

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 海外版ファミコンであるNESのソフトということで、同時に鳴らせる音は4音+ノイズのみ(効果音で1チャンネル使うため、実質3音+ノイズのみ)でなおかつ拡張音源を使うことができないという制限のなかで、15歳からプロ作曲家として活躍しているティム・フォリン氏は到底NESとは思えない音楽を作り上げます。同氏が作る曲はどれも素晴らしいものばかりですが、中でもシルバーサーファーのBGMは特に高い評価を受けています。

 また、グラフィック面でも非常に素晴らしい出来であり、同時期のゲームの中でもかなり高いクオリティを誇っています。

世間ではクソゲーと言われている理由

 まず1つ目の要素として、STGとしてあるまじき自機の当たり判定の大きさが挙げられます。

 本来、自機の当たり判定は見た目より小さいのが一般的だと思われますが、シルバーサーファーに関しては、見た目通りの判定となっています。つまり、サーフボードの先までしっかりと被弾します。

 また、一部の地形や敵は見た目より大きい詐欺判定となっており、どう見ても触れていないのに被弾してしまうということが多々発生します。当然、体力制ではないので1被弾で、残機は1つ減ってしまいます。

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 2つ目の要素として、敵がとてつもなく硬いことが挙げられます。本作品は、パワーアップアイテムを拾うことで最大5段階まで弾の強化をすることができますが、フルパワーになっても大半の敵を一撃で倒すことができません。

 しかも高速で飛び回る敵が多いため、「弾がそもそも当たらない、当てても死なない」といった状況に陥ります。なお仕様として、被弾するとパワーアップが全てなくなり初期状態になるため、後半のコースで被弾した場合、敵の硬さと速さと物量に対処できずそのままゲームオーバー、なんてことが日常茶飯事です。

RTA in Japan 2019で同作の走者として登場した際、まさにその展開に。見てる側まで手に汗握るプレイで会場を湧かせました

 3つ目の要素として、これは時代的にしょうがないことではありますが、連射機能を搭載していません。つまり、今まで書いてきた内容を全て手動連打で進めていかなければなりません。そのためスムーズに攻略したとしても、少なくとも約30分間は連打し続ける必要があります。

 これらの要素が絡み合い、理不尽な難易度のクソゲーと呼ばれるようになってしまいました。

海外のクソゲーいじり動画「The Angry Video Game Nerd」にも登場

クソゲーとされる理由に納得できるか

 本作品は、NESのゲームということもあって実際にプレイして評価した人は少ないと思います。

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 ここまでいろいろ理不尽な点を書かせていただきましたが、練習をすれば当然クリアできます。他にもいわゆる「鬼畜STG」と呼ばれているゲームはありますが、そういったゲームに比べれば絶対に簡単です。

 ただ、このゲームにそこまでの熱量を割かないだけなのです。

 ある程度やってみれば案外普通のSTGなので、聞きづてや動画を見るだけで本作品をクソゲーと呼ぶのは非常にもったいないことだ思います。

 なので、ぜひ皆さまにもプレイしていただきたいと思います。僕もやったんだからさ。

※なお、本企画は「インタビュー」として募集を行ったものの、作品愛ゆえか“完成した原稿”を送ってくださる方も。この記事はほぼ原文ママの掲載となります。

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