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【好きなゲームが世間のクソゲーな人インタビュー】オープンワールドな学園恋愛ADV「夏色ハイスクル★青春白書(略)」(1/3 ページ)

「発売日から遊び始めたファン」と「クソゲーという評判を見てから遊び始めたRTAプレイヤー」にインタビュー。

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 年末企画「自分の好きなゲームが世間ではクソゲーと言われている人インタビュー」。今回のテーマは、タイトルが長いPS3/PS4向けソフト「夏色ハイスクル★青春白書 ~転校初日のオレが幼馴染と再会したら報道部員にされていて激写少年の日々はスクープ大連発でイガイとモテモテなのに何故かマイメモリーはパンツ写真ばっかりという現実と向き合いながら考えるひと夏の島の学園生活と赤裸々な恋の行方。~」。

 なお、今回は「発売日から遊び始めたファン」と「クソゲーという評判を見てから遊び始めたRTAプレイヤー」の2人にお話を伺いました。同じ作品に対して感じる魅力、遊び方の違いにもご注目ください。

企画:好きなゲームが世間のクソゲー

「これはクソゲー」「あれはクソゲー」と世間は気軽に言うけれど、遊び方も感性も人それぞれ。むしろ、そんな風に言われている作品の魅力を知っている人に話を聞いてみよう。Twitterで募集をかけたら、2~3人くらい手を上げてくださるのでは?

……と思っていたら、100人くらいから連絡が来ちゃった企画です。編集部のリソース的に可能な範囲で記事化。1日1本ペースだと公開しきるまでに数カ月かかるので1時間に1本ずつ公開します。

「夏色ハイスクル★青春白書(略)」(発売日から遊び始めた(豆)さん/@kimuseyellow

 「イベントが分かりづらく、フラグが折れまくりエンディングに誰も来ない虚空な学園生活を突き付けられる」と語られていますが、自分は信じられないほどハマってしまい、攻略本片手に全ルート周回するほどに好きなタイトルです。

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このゲームの魅力

 いわゆる「恋愛シミュレーション」「ギャルゲー」。このジャンルに求められるものはやはり「キャラクター」「ストーリー」「会話イベント」です。

 「夏色ハイスクル★青春白書(略)」はこれらの要素を高水準で満たしていて、ヒロイン1人とってもなかなか一筋縄ではいかない学園生活や恋愛もようを体験でき、情熱と真剣さをもって作られたゲームだと感じました。

世間ではクソゲーと言われている理由

 ギャルゲーなのにリアルタイムでキャラクターが動く「オープンワールド学園恋愛アドベンチャー」という新しいアプローチの作品でしたが、「ミニマップにイベントマーカーがないので何をしていいか全く分からない」「ファストトラベルがなく、移動は全て自力」「ゲーム自体に導入がなく放り出される」といったシステム構成面での致命的な問題があります。

 その結果「イベントが分からない→ヒロインが攻略できない→最終的にクラスメイト全員から無視される→誰も見送りに来ないままエンディング」と、初見プレイヤーをたたきのめす展開に。ヒロイン攻略にたどり着くことなく、ゲームを投げ出してしまうような構造になっていたことから、クソゲーという評価を受けています。

クソゲーとされる理由に納得できるか

 イベントマーカーなどがなく、攻略手順があまりに説明不足で、恋愛ゲームと思えないツラい学園生活を送るハメになるという不親切さは、紛れもない事実だと思っています。

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 ただ、ゲームのコツをつかんで真剣にプレイすれば、奥深さを感じることができるゲームだと思っています。クソゲーと呼ばれる原因になっているシステムの悪さを、情報収集してプレイヤーの腕で乗り越えることができたならば、他に類を見ない体験が味わえる魅力的なゲームであると考えています。

自分が遊び始めた理由

 本作と同じく、D3パブリッシャーから販売されていた「ドリームクラブ」シリーズを以前から遊んでいて、その会社から出る新作の恋愛シミュレーションということでPVなどを視聴。予約して発売日に購入して遊びはじめました。

 私も最初にプレイしたときはイベントが拾えず、クラス全員から無視されて終わってしまい絶望していました。しかし「この会社のギャルゲーなんだから絶対面白いはずだ」と食いしばり、当時断片的に共有されていた情報を頼りに2周目をプレイしました。

 そんななかで見えてきたのが「このゲームはいわゆるハーレムモノや典型的な学園ギャルゲーと違い、皆が自分の高校生活に何らかの目標や不安を抱えて、互いに関わり合いながら生活している」ということです。

 通常のアドベンチャー形式ならば、ルートに入らなかった他のヒロインはほとんど登場しなくなりますが、このゲームでは部活に行くヒロインは毎日グラウンドに行き、新聞を書きたいというヒロインはさまざまなNPCに取材に行きます。

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 1クラス20人以上に及ぶモブ的なクラスメイトたち全員にも名前と容姿があり、彼らと一致団結して問題を解決したり、文化祭の準備に打ち込んだり、下校際にコンビニに寄ったりと、とにかくゲーム内のキャラクターと関わろうと思えば思うほどそれに応えてくれるゲームだと気付き、2周3周するころには「この舞台を全部見てまわりたい」と思うようになりました。

 前述のように、私が遊び始めた発売当時は公式ガイドが出ておらず、ネット上の攻略情報もゼロの状態でした。

 同作の攻略スレは「7月○日に○○したらイベント進んだ!」「同じ条件でも違うイベントが出た」という、手探りで進めていたプレイヤーたちの断片的な記録ばかり。その記録を整理し、作中のタイムライン順に並べて、急ごしらえのチャートが少しずつ作っていくという、現代のゲームには珍しい力技での攻略に挑む人たちが集まっていました。

 そして少し後になって発売された公式攻略ガイドでは、ネットで書かれていない分岐やイベントがいくつも書かれていて驚きました。

 「ネットがあれば攻略本はいらない」と言われるようになった近年のゲームとは思えない、ゲームボーイ時代のRPGを手探りで必死に攻略していたときのような懐かしい気持ちになりがら、ゲームを進めていました。

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 今振り返ってみると「イベントが全く分からない」という問題が、副次的に生み出した現象なのかもしれません。

もしも「これから同作をプレイしようと思っている人」がいたら、なんとアドバイスしますか?

 ゲームが始まったら、この作品の主人公の境遇と同じく「自分は全く知らない学校に転校してきた1人の高校生なんだ」と思いながら遊んでみてほしいです。

 初見プレイでクラスになじめず、微妙な感じでエンディングを迎えることになっても「これも人生だよな」と思える広い心を持ちながら遊んでいただきたいです。

 そして、今は攻略情報や公式ガイドブックが出そろっています。それらを活用することでゲーム設計の不親切さを大幅に緩和できるのでぜひ活用してください。

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