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「気持ちが死んだら死ぬんだ」 山崎賢人×土屋太鳳、過酷な芸能界で“生き残る”ということ 「今際の国のアリス」インタビュー(2/2 ページ)

「生き残ってきたね」「また生き残って会おうね」。

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10代から共演した仲だからこそ見える今の姿

――お互いから見て、アリスとウサギがハマり役だと思うところはどんなところでしたか。

山崎: 芯の強さと優しさは、太鳳ちゃんからにじみ出るものでした。結局、友達や支えてくれる人はいるけど、芸能界に限らず1人で戦っているような場面もいっぱいあるから。そういう中で生き抜いていく強さみたいなものを感じます。

土屋: 現場でも(山崎さんと)「生き残ってきたね」「また生き残って会おうね」という会話をよくしていて。私は「自分だけじゃなかったんだな、つらかったのは」って(山崎さんの)話を聞いて思いました。だからこそ、また一緒にタッグを組んで過酷な世界を乗り越える役柄に出会えたんだと思います。

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 アリスって、強くても弱くてもいけないと思うんです。そこが難しいのですが、賢人くんはその両極を持っている人。明るいところもあればすごく暗いところもあるし、ハッキリしているところもあればほんわりしてるところもある。両極を持っているところが、アリスにピッタリ合ったのかなと。(山崎さんの)演技は、本当に“今しかできない芝居”をやっていて、“今”の積み重ねをすごく感じるお芝居。おごっていないんです、自分のお芝居に。

山崎: (笑)。いや、ありがとう。

――山崎さんは、今回過酷な世界を一緒に生き抜く相手が土屋さんと聞いて、最初はどう感じられましたか?

山崎: めちゃめちゃ心強かったですし、安心感もすごかったです。太鳳ちゃんは体をめちゃめちゃ動かせるのも知っていたので、ピッタリだなーって。もうとにかく心強かったですね。

土屋: もう今日ありがとうございます!(笑)

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――2012年に初共演したドラマ「黒の女教師」(TBS)から変わらないと思うところは?

山崎: 「黒の女教師」のときはもう本当によく分からないよね?(笑)

土屋: (山崎さんは)今と同じような髪形をしていたよね!

山崎: そう、長くてね。ちょっと大人ぶってた。

土屋: ちょっと茶色で。23歳くらいかな? って思っちゃった。あのときは(笑)。

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山崎: 同い年なのにね。太鳳ちゃんの人に対しての愛情や、周りの人のことをすごく見ているところ。あとは、明るさ、めちゃめちゃ一生懸命なところ。そういう部分は一切変わらないですね。

――土屋さんは、どうですか?

土屋: 私としても変わっている感じはあんまりしないです。人当たりの良さや会話している感じが、みんな好きなんですよね。みんなに好かれる人なんてどこにもいないし、そうなる必要もないと思うんですけど、やっぱり人や演技との向き合い方は、よりすてきになっているんじゃないかなと思います。

――2015年に公開された映画「orange-オレンジ-」以来、今作では5年ぶりの共演となりましたが、共演していない間はお互いをどう見ていましたか?

山崎: 映画「8年越しの花嫁」(2017年)は原因不明の病に倒れて、昏睡(こんすい)状態になる役で大変そうだなと思っていたし、一方で、ドラマ「チア☆ダン」(2018年)のように体を動かす題材にも挑んでいて、本当にいろんなジャンルでとめどなく活躍しているな、と。

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 共演していない間にも、ちょいちょい(土屋さんから)話は聞いたりしていたんですけど、5年後にこういった生き残りをかけた作品で共演することができて。「芸能界という国をなんとか生き残ろう」とお互いに話していて、今作で世界に向けて一緒に戦えたのがうれしいです。

土屋: この5年間で、すごく“座長感”が出てきた感じがします。現場でいろんな戦いの中、生き残ってきたからなのか、芯の強さやお芝居への姿勢や仕事のスタンスは、とても座長らしくて、ついて行きたいと思える背中でした。

 映画「羊と鋼の森」(2018年)は、繊細なピアノ調律師の役を演じていたり、映画「キングダム」(2019年)では、迫力のあるアクションシーンに挑んでいたり、いろんなジャンルもこなしていて。それなのに、(山崎さんの)演技には常に真っすぐさ、新鮮さがある。「こうやって演じれば、こう見えるんだろうか」と考えているように一切感じなくて。これからもっと大人になっていろんな生活をしていく中で、もっと表現が増えていかれるんだろうなという風に感じて。私は反省しました!!!!

山崎: 何でよ(笑)。

土屋: 例えば、現場で私なら「こうなのかな?」と疑問を感じるような場面でも、賢人君はすごく真っすぐで「いや、何回でもやりますし、そういう覚悟でやっている」というスタンスだったんです。いろんな作品をやっていくうちに、こう演じればいいんじゃないかという固定観念が増えていくと思うんですけど、そういうものを持たないで、貪欲(どんよく)でいた方が良いんだなと感じました。本当に、本当にすごいんです……!(※拍手しながら)。

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山崎: ありがとう(笑)。

――今作を通して、“生”や“死”についてあらためて考えてことはありましたか。

山崎: この作品を通して「気持ちが死んだら死ぬんだ」ということに気付かされました。三途の川のような“今際の国”での精神力というか。「生きたい」とか生きることへの思いを強く思えば思うほど生きられるんだな、と。それって結局、“精神力”なのかなと思ったときに腑に落ちるものがあって。心が崩れないように強く生きていくことが大事だなとか、心を強くあろうと思いました。

土屋: コロナ禍の自粛期間中もそうでしたが、例えば好きなカフェが閉店したり営業休止ししたりして、渋谷や銀座などの街から人混みが減っていって「うわー本当に(人が)いないんだなー」と思ったりして……。だからこそ「今を大事にしよう」「大切なことや大切な人を大切にするって大事なんだな」と思ったことが、すごく「今際の国のアリス」につながったんです。今作を演じる上でも同じように「大切なことや大切な人は大切にしよう」と考えていました。

――ありがとうございました

(C)麻生羽呂・小学館/ROBOT

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