「月50万使う太客には“獲りやすく”アシスト」「裏側を見たら絶対プレイしない」 元従業員が語るオンラインクレーンゲームの闇と法の未整備(1/4 ページ)
オンクレはなぜ24時間営業できたり、高額景品を投入できたりするのでしょうか。
「月に50万円以上使ってくれる常連、つまり太客には“獲れやすく”するために積極的なアシストを行うなど忖度(そんたく)していましたし『不正なんていくらでもやりようがある』、というのが正直なところです」――。近年利用者が増えている「オンラインクレーンゲーム(オンクレ)」について、ねとらぼ編集部が元従業員を取材。複数の証言から浮かび上がった問題点とは……。
オンラインクレーンゲームとは
プレイポイントを購入することにより、実在するクレーンゲーム機をオンライン上で遠隔操作できる、「オンラインクレーンゲーム(オンクレ)」。好きな場所にいながらクレーンゲームを楽しめる手軽さが受け、近年はプレイヤー数も増加しているほか、大手ゲームセンターなども続々と参入しています。
そんなオンクレについて、ねとらぼ編集部では11月23日に「オンラインクレーンゲーム『トレバ』、景品獲得されそうになると“スタッフが裏操作”していたと発覚 被害者と運営会社を取材」と業界最大手の「トレバ」に関する疑惑を掲載。さらなる情報提供を呼びかけたところ、複数のオンクレ関係者とコンタクトを取ることができました。
「太客には“取れやすく”忖度」――元オンクレ従業員が語る衝撃実態
まずお話を伺ったのは、大手オンクレでバイトリーダーをしていたAさん。24時間年中無休で運営されているサービスの裏側では、信じられないようなことが毎日起きていたと語ります。
――早速ですが、Aさんはどのようなオンクレで働かれていたのでしょうか。
Aさん:少し前まで、業界では大手と言われるオンクレでバイトリーダーとして勤務していました。サービス自体は24時間年中無休で提供されており、私は夜勤がメインでした。
――オンクレ業界で働くきっかけは何だったのでしょうか。
Aさん:仕事を探していたら“変な求人広告”が出ていたんですよ。最低賃金での募集ではありましたが、好奇心から応募したらそのまま採用が決まりました。
――お仕事の内容を詳しく教えてください。
Aさん:当時はサービスの会員数が大体数万人で、倉庫に並んだ数百台の筐体を夜勤のスタッフ数人で管理していました。私は管制と呼ばれるところにいて、その日の筐体の稼働状態を確認したり、景品が獲得されたら補充の指示をしたり、プレイ料金がいくらの台が何回稼働して何個景品が獲られているか=原価率について確認したりしていました。また私が勤務していたオンクレでは、通常のゲームセンターでもたまにある「アシスト(景品が獲れやすくなるように)」が売りだったので、その対応も行っていました。
――原価率についてもう少し詳しく聞かせていただけますか。
Aさん:原価率は100%を超えると運営側は赤字で、100%を下回ると運営側が黒字ということになります。
例えば人気の台があったとします。この場合、他の台に比べてかなり速いスピードで景品が獲られていても、原価率が100%を下回っていればその台はそのまま置いておいても構いません。問題は原価率が0%の台、つまり稼働していない台が存在することで、その場合は、プレイ料金、景品の内容、設定など、「何が悪いのか」を見極めて、メンテナンスを行っていました。
――1人の方が何度もプレイして、複数個景品を獲得するということも考えられると思うのですが、その場合ストップをかけることはありましたか。
Aさん:そういうことはなかったですね。運営としては原価率さえ黒字になるようになっていれば、別に誰に景品を獲られるかはどうでも良いことなんです。ただ、1カ月で50万円以上を使うような常連客、通称「太客」に対してはかなりえこひいきをしていました。私はこれこそ不正の類ではないかと感じていました。
――「えこひいき」というのはどういうことですか。
Aさん:私たちスタッフは、太客に対して“景品が獲れやすくなる”ような積極的なアシストを行うなど忖度(そんたく)していました。運営側では、お客さまのIDを把握しているので、太客のお客さまがプレイし始めるとスタッフはIDを見ただけで分かるんですよ。だから、太客がサービスから離れていかないように、アシストを行うわけです。その反対に一見さん(いちげんさん)かどうかも分かるので、一見さんには一切アシストはしないけれども、太客は数回プレイしただけでアシストするというような、そういう不公平なサービスが横行していました。
また太客以外にも有名YouTuberに忖度しているオンクレもあるのではないかと思います。YouTuberの人たちって、無断で「オンクレやってみた」的な配信をすることはあまりなくて、「動画の撮影をしたいので何日にプレイしてもいいか」と連絡をしてくる場合が多いんですね。ですから、運営側は事前にそのYouTuberがいつ来るかを把握していますし、IDも控えているはずなので、宣伝になると考えてプレイ台のアームパワーを上げるなんてことはやっているのではないでしょうか。まぁ、もっと他にもグレーなことはたくさんありましたが……。
――グレーというのは、具体的にどういうことですか。
Aさん:私がやっていたものでいうと、「ほとんど奇跡の近いようなことが起こせたら超高額景品GET」という台の細工です。ターゲット自体が潤滑剤まみれになるように細工していたので、つるつる滑って達成できない――という状況が常でした。
こういう設定でもなぜか1000回に1回ぐらいはたまたま達成することがあるんですよね。すると、「1000回に1回は獲れている」=「獲得できない設定ではない」ということなので、「許されるんだ」と、運営はそういう風に考えていました。
しかしお客さま側からすると、そういう設定ってほとんど詐欺に近いと思うんですよ。もちろんリアルのゲームセンターでも、シリコンスプレーや粘着力のあるゴムを使って景品を獲れにくくするところもありますが、1000回に1回とか、1万回に1回とかそういう原価率はオンクレでしか起きえないはずです。オンクレでは「不正なんていくらでもやりようがある」、というのが正直なところです。
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バラエティー番組や特撮番組のロケ地としても活躍していました。「ぺりかんになりたい」「キングコブラを飼育してほしい」 無茶ぶり質問にガチ回答する「イングランドの丘」の飼育員さんが話題に
子どもたちからのユニークな質問にやさしく対応する飼育員さんに注目が集まっています。オンラインクレーンゲーム「トレバ」運営会社、“スタッフが裏操作”の報道について不正を否定
【動画・追記あり】ねとらぼ編集部の見解もお伝えします。
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