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オンラインクレーンゲーム「トレバ」、従業員が証言 「景品獲得されぬよう裏操作した」「1000回やっても獲れない」(2/4 ページ)

【動画】複数の関係者が「トレバ」の実情を告発しました。

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――さっそくですが、Bさんは「不正」の類に遭遇したことはありますか。

Bさんこれは少し答えづらいですね。会社は「営業努力」、ユーザーからすると「不正」と見え方が変わることかもしれないからです。ただ、「1000回以上プレイされているのに一度も景品が獲得されていない台」や「事前に獲得できるかどうかまでテストプレイがされていない台」や「テストプレイ時とユーザーへの台開放時ではアームパワーが変わっている台」を見たことはあります。

――営業努力という見方について、もう少し詳しく教えていただけますか。

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Bさん「トレバ」はサイバーステップの売上の要なので、事業部の責任者である幹部がしょっちゅう「原価率抑えられないですか?」「原価率○○%以下を保ってください」とかなり厳しい指示を出してくるんです。

 営業所の原価率は、常に会社内のチャットワークで共有され、成績の悪い営業所の責任者は、そのチャットワーク内で厳しく叱られます。さらに営業所によっては、「スタッフ全員の売上」「個人成績」などが貼り出されますから、どの従業員も自分がダメだと思われたくなくて必死なんですよ。こうした状況がプレイヤーにとってだまし討ちに近いような台設定を生み出しています。

――だまし討ちに近いような台設定というのは。

Bさん例えばある筐体の景品が「1000回目のプレイで1つ獲得」されたとします。この場合、普通に考えると獲得率は「1/1000」で計算されますよね。しかし、「トレバ」では毎日無料プレイチケットを配っている関係で「1/有料プレイ分」という計算になっているんです。つまり1000プレイの内、無料プレイが950回、有料プレイが50回だとすると、本当は「1/1000」なのに、内部では「1/50」という評価になるんです。

 このように回数ベースで見ると獲得率1%を切るような状態の台がゴロゴロあるのに、そこからさらに「原価率を下げろ」という厳しい指示が来るわけですから、「どんなことをしてでも取れない台を作るしかない」という考え方の従業員は多いと思います。

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 ねとらぼで指摘された、「獲得されそうになると“スタッフが裏操作”」の台などはまさにこれに該当するケースですし、1000回以上プレイされているのに一度も景品獲得されていないという台も見たことがあります。

筐体の設定画面を再現したもの(編集部で再現した画像/本記事では情報提供者の身元を保護するため一部再現画像を使用しています)
原価率が一定の数字を超えると画面自体が赤くアラートされるという(編集部で再現した画像/本記事では情報提供者の身元を保護するため一部再現画像を使用しています)

――Bさんはユーザーのプレイ中に設定変更を行ったことはありますか。

Bさんプレイ中の設定変更をしてはいけないというルールがあいまいだったので、私自身もそれが徹底できていたかと言われればできていなかったかもしれません。

 ちなみに前回ねとらぼで取り上げていた「連続プレイ中にアームの動きが変わった」という事例については、アルバイトではなく社員が行ったものだと聞いていて、操作ミスであのようなことは起きないと思っています。

――サイバーステップ社は前回の取材時、「実際にクレーンを操作し、景品を獲得するまでを一連の流れとし、テストを行っております」と、台開放前にテストプレイを行っていることを強調していましたが、いまだに「事前に獲得できるかどうかまでテストプレイがされていない台」は存在しているのでしょうか。

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Bさんこれまでは、暗黙の了解的にテストプレイを行っていない従業員が多く、そのことは上も把握していたと思います。しかし、ねとらぼの記事が出てからは、テストプレイを徹底するように厳しく指示されるようになりました。

 ただし、筐体の設定が完了し、オープンした後に調整を加えた場合については、獲得までのテストプレイはほとんど行っていません。いまだに“ユーザーのプレイを見ながら調整していく”という従業員は多いです。

 また営業所によっては、テストプレイ時はアームパワーを上げておいて、ユーザーへの台解放時にはアームパワーを下げていたということもありました。

――Bさんは現役の従業員さんということで、告発には勇気が要ったと思います。それでもお話しようと決めたのは、どういう思いからですか。

Bさん私は決して「トレバ」を潰したいわけではありません。ただ詐欺とはいわないまでも、だまし討ちに近い運営をして、ユーザーをあざむいているような状況には思うところがありました。

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 現場は「成績の貼りだし」「厳しい叱責」等のパワハラ的な状況が積み重なった結果、どんなことをしてでも原価率を下げなくてはならないという状況にさらされた従業員がどんどん獲れにくい台を作ってしまう。その上でユーザーからクレームが来たり、問題になってしまったりすると、始末書を書かされる。従業員にとっては本当に悲惨な状況です。

 今回の騒動をきっかけに「トレバ」は少しずつ変わり始めているという声も聞いています。あらためるべきところがあるのであればあらためて、ユーザーに心から楽しんでいただけるようなサービスを提供できるようになってほしいです。


 またねとらぼ編集部では、Aさん、Bさん以外にも複数のサイバーステップ関係者を取材し、今「トレバ」で起きていること、「トレバ」に対して感じる問題点についてお話を聞くことができました。

関係者の間で「獲れにくい」と言われていたという箱景品の設定
箱の奥に重りが入っており、景品の離し位置が低いことから反動させられず、獲得するのは非常に難しいという
(例)前側が下がっていてアームが届かない上、バーの奥にアームが入っても重りの効果で持ち上げられず、押しも重りの効果で効かないという状況に陥る

 その中で目立ったのは一部の幹部からのパワーハラスメントが疑われる発言や行動で、「平手打ちを受けた従業員がいると聞いた」という声や、結婚している女性従業員に対して、「子どもができたら産休に入るだろう」と、突然業務を外されるマタニティーハラスメントを行う様子を見たという人も。

 この他にも、幹部らが酒の席などで、セクハラやパワハラを行っていたという目撃情報も寄せられています。

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 こうした事態について従業員らは人事担当者や内部監査へ報告しているとのことですが、結局被害に遭った従業員が現場を去るという状況が続いているようです。

「倉庫内の衛生管理が怖い」 元倉庫従業員の証言

 また前回の記事で取り上げた「配送遅延」については、サイバーステップから「トレバ」の景品配送業務を委託されている倉庫会社の元スタッフ・Cさんにお話を聞くことができました。

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