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バーガーキングの縦読み広告「私たちの勝チ」がまさかの国際広告賞受賞 制作期間はわずか3日、大胆な挑戦はなぜ実現できた?

同じく話題になった「下北沢店、作ってんで!」も受賞しています。

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 バーガーキングの挑戦的な2つの広告が、アジア太平洋地域の国際広告賞「ADFEST 2021」で3つの賞を受賞しました。公式Twitterとファンのやりとりを準備中の新店舗に貼り出したり、閉店する近所のマクドナルドに縦読みでメッセージを送ったり、インパクトも話題性も大きかったしこれは納得(関連記事12)。

OUTDOOR部門で銀賞に輝いた「バーガーキング下北沢店、作ってんで!」
衝撃の縦読み「私たちの勝チ」はPR部門とOUTDOOR部門で銅賞

 受賞作の1つは、「バーガーキング下北沢店作ってくれや」というファンのツイートがきっかけでした。それから約半年後、本当に下北沢店のオープンが決定し、公式Twitterが「作ってんで!」とリプライ。このコミカルなやりとりを準備中の店舗にそのまま大きく貼り出したところ大きな話題となり、ADFESTではOUTDOOR部門の銀賞に輝きました。

大元のTwitterのやりとり
ファンのツイートと公式のリプライをそのまま掲出(画像提供:バーガーキング)

 もう1つは、バーガーキング秋葉原昭和通り店が掲出したポスター。表向きは閉店する近所のマクドナルドへのエールでしたが、縦読みすると「私たちの勝チ」――その挑発的な仕掛けは大反響を呼び、ADFESTでもPR部門とOUTDOOR部門でそれぞれ銅賞を獲っています。

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マクドナルドの閉店告知と、それを見送るバーガーキングのポスター(2020年1月31日編集部撮影)
バーガーキング側の文言をよく見ると……

 一方は「神の巡り合わせ」「公式の対応が面白い」、もう一方は「感動的な話だと思ったら縦読みに気付いてゾッとした」など、賛否ありつつもネットで注目を集めたこの広告。大胆な挑戦はいかにして実現したのか、バーガーキングの広報に詳細を聞きました。

組織が小さいからこそ自由な挑戦が可能に

―― 下北沢店の「作ってんで!」は、どういう流れで始まったのでしょう。

バーガーキング:バーガーキングは現在、全国に120店とまだまだ店舗数が少なく、近くにお店がないという声を皆様から多数いただいております。バーガーキング下北沢駅南口店がオープンすることをできるだけ多くの方に知っていただくために工夫いたしました。

 「作ってんで!」のひと言を決めるにあたっては、チームメンバーで案を出し合い、夜中まで会議室にこもった末に決定しました。

―― 準備中の店について、このような形でプロモーションを打つケースはよくあるのでしょうか?

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バーガーキング:特別なタイミングや、主要なエリアへの新規出店時に、このようなプロモーションを行う場合があります。例えば、広島県へ24年振りに復活出店した際に、広島の皆さんから末永くご愛顧をいただくべく、準備中のお店にオープン告知のデザインを施しました。

2020年、24年振りの広島出店時、地元球団の広島東洋カープにこと寄せてアピール(提供:バーガーキング)
ラップ調の文を縦読みすると「広島日本一」

―― 「私たちの勝チ」はかなり攻めたポスターでした。実現までの経緯を詳しく教えてください。

バーガーキング:競合調査を兼ねてファストフードチェーンを巡っていた2020年1月下旬、マクドナルド秋葉原昭和通り店に閉店のバナーがかかっているのを発見しました。

 秋葉原はバーガーキングとマクドナルドさんが1軒はさんで隣り合う特別な立地でした。そこで、長年競い合ったマクドナルドさんへの感謝を、バーガーキングらしく相手への敬意と、良きライバルとしてのメッセージを両立しつつ伝えられないかと考えたのが始まりです。また、バーガーキングの認知度が低いという課題を、お店を起点に話題化し解決したいとの思いもありました。

―― 文面を考えたのはどなたでしょう?

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バーガーキング:バーガーキング本社のマーケティング部メンバーとコピーライターで協力し、一緒に形にしました。制作期間が3日程度と非常に短かかったため、短期集中で制作し完成させました。

―― 海外でもしばしばこうした「マクドナルドいじり」の企画を見かけますが、こういった取り組み・方針は全社的なものなのでしょうか。

バーガーキング:全社的な方針として決まっているわけではありませんが、世界各国ではマクドナルドさんとバーガーキングの攻防が繰り広げられているのは事実です。これからも良きライバルとして、お客様のために切磋琢磨していきたいと思っております。

―― どちらも通常のプロセスでは実現が難しいような思い切った施策に思えるのですが、なぜバーガーキングではこうしたことができるのでしょうか?

バーガーキング:バーガーキングは、日本ではまだまだ成長過程のブランドです。組織が小さい分、計画から最終承認、そして実行までがとても速く、各部署の裁量が大きいのが特徴です。そのため、チャレンジ精神を持って、思い切った施策も実行できています。

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