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フワフワと宙を舞う「おきあがりドローン仏」の映像がインパクト大 制作者「最終的には26体で群体飛行させたい」(1/2 ページ)

将来的には26体で群隊飛行がしたいそうです。

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 仏像がシャキーンと起き上がり、「ドローン雲」とともに浮遊する……とんでもなくシュールな「おきあがりドローン仏」の映像がTwitterで人気です。ただのおもしろ映像ではありません。制作者を取材したところ、平安時代から挑戦が続いている仏師の思いが背景にありました。

畳の上にドローン仏がいます
仏さまが……
立った!?
浮き上がります
プカプカ
もう一体来ました

 制作者は、仏像専門の彫刻家である仏師の三浦耀山(@biwazo)さん。「おきあがりドローン仏できました」と映像を付けてつぶやいたところ、大きな反響がありました。

 実は、映像にはトリックがあります。飛行中の「ドローン仏」を撮影していたとき、着陸時に仏像が倒れてしまうアクシデントが起きました。ところが、この映像を逆再生してみると、非常に魅力的なものだったので投稿したそうです。それにしても、どうして仏像をドローンに乗せていたのでしょうか。三浦耀山さんに聞きました。

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―― ドローン仏のアイデアはどのようにして生まれたのでしょうか?

三浦さん:仏教の教えに阿弥陀来迎というものがあります。人が亡くなるときに阿弥陀如来が多くの菩薩を引き連れて、紫雲に乗って西方極楽浄土から迎えに来る光景で、平安時代に盛んに信仰され、仏画に多く描かれました。

 昔は実際に仏像を宙に浮かすことはできないため、仏師はいろいろな表現で見立てる挑戦をしています。昔から続く仏師の「仏像を宙に浮かしたい」思いを、現代だったらどう表現できるだろうと考え、ドローン仏が生まれました。

三体のドローン仏(写真:町田益宏さん)
神々しいお姿です

―― 実現するうえで難しかった点を教えてください

三浦さん:寺のお堂内で飛ばすには一般的なものですと大きくて危険ですので、私が使っているのはトイドローンです。これはモノを載せるのには適していません。仏像をいかに軽くするかが大きな壁でした。

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 最初に自分で彫った木の仏像を載せてみましたが重くてうまく飛ばせませんでした。そこで目につけたのが3Dプリンターです。キャステム京都LiQ(@castem_liq)の石井さん(@ECEUFG)が、私の彫った仏像を3Dスキャンし、中を空洞化して軽い仏像を3Dプリントする取り組みに協力してくれました。仏像と雲を合わせて約16グラムに抑えたため、安定飛行が可能になりました。

―― 他にも問題となったことはありましたか?

三浦さん:私としてはドローン仏はお寺で飛ばさないと意味がないと思っていました。しかし、理解してくれるお寺があるのかが課題でした。

 龍岸寺(@kyoto_ryuganji)の住職を務める池口さん(@senrenja)とは知り合いでした。池口さんが当時プロデュースしていたアイドルと、テクノ法要で有名な昭恩寺の朝倉住職(@gyosen_asakura)がコラボパフォーマンスする法要があると聞き、ドローン仏を提案したところオープニングアクトとして飛ばす機会をいただきました(関連記事)。それ以降現在まで試行錯誤しながら改良を続けています。

―― ドローン仏は、今後どうしていく予定ですか?

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三浦さん:最終目的は「阿弥陀二十五菩薩来迎」をドローン仏で表現することです。現在、阿弥陀如来、観音菩薩、勢至菩薩の合計3体が完成していますので、あと23体のドローン仏を製作し、お寺で群体飛行させるのが目標です。

 ただドローン26機の群体飛行をプログラミングする技術が私にはないので、技術提供してくれる専門家の方を探しています。この記事を見て「できるよ!」という方がいたらぜひ声をかけていただきたいです。完成したらまずはドローン仏を最初に飛ばさせていただいた京都の龍岸寺さんでお披露目するつもりです。

知恩院所蔵の『阿弥陀二十五菩薩来迎図(国宝)』(wiki media commonsより)

画像提供:三浦耀山(@biwazo)さん

高橋ホイコ

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