屏風に描かれた武士たちが走りまわる 中部国際空港に設置されている映像アート「関ヶ原山水図屏風」がTwitterで話題に
関ヶ原の戦いがリアルに描かれた動く屏風。
中部国際空港(セントレア)で展示されている「関ヶ原の戦い」をテーマにしたアート作品が、Twitterで「ずっと見ていられる」と話題になっています。
注目を集めているのは、Twitterユーザー・Mimi(@__Mimi_0929__)さんが投稿した動画。重要文化財に指定されている「関ヶ原合戦図屏風」(大阪歴史博物館所蔵)を元に制作した映像インスタレーション作品「関ヶ原山水図屏風」を映しています。
これは映像・アニメーション作家の重田佑介さんらが、「侍」をテーマに作り上げたピクセルアニメーションで、屏風の中に描かれた武士たちがリアルに動き、水の流れや旗や草をなびかせる風まで、関ケ原の戦いを細やかに表現しています。
Twitterでは「これを見るためだけにセントレア行ってもいい」「見入っちゃう」「釘付けになる」などと好評で、海外からも驚きの声が寄せられていました。
大反響を呼んでいるアート作品を展示している経緯やTwitterでの反応について中部国際空港の広報担当者に聞いてみました。
動く関ケ原の戦いが空港に展示されたワケ
――「関ヶ原合戦図屏風」を元にしたアート作品が、中部国際空港で展示された経緯を教えてください。
広報担当:中部国際空港が展示内容を決めたのではなく、文化庁が進める日本文化発信プロジェクト「CULTURE GATE to JAPAN」の一環で、展示場所として当空港が選定されました。
※「CULTURE GATE to JAPAN」では全国の空港などに、クリエイターやアーティストが伝統や文化を新たな視点で表現した作品を展示
当空港では中部エリアの魅力ある歴史・伝統である「サムライ・忍者」を発信すべく、「サムライ×NINJA空港」としてアピールしています。今回アートという形で、利用されたお客様に向けて、中部エリアの歴史の1つである「関ヶ原合戦」(岐阜県)を発信できることは、ありがたくうれしく思っております。
――文化庁から「関ヶ原山水図屏風」を設置する空港として選定されたのは、2018年から実施されていた「サムライ×NINJA空港 プロジェクト」での発信が評価された結果ですか。
広報担当:2020年にも文化庁の「空港等におけるメディア芸術日本文化発信事業」で、「茶の湯」をテーマにしたアート作品を展示しました。そのときに文化庁の担当者との間で「中部国際空港は『サムライ×NINJA空港として取り組んでいる』」と雑談ベースでの話をしました。そういった経緯から今回の展示に至ったと聞いております。
――Twitter上での作品の投稿に、「すごい」「ずっと見ていられる」「これを見るためだけにセントレア行ってもいい」など、大反響を呼んでいますが、どう受け止めていますか。
広報担当:このような反響にとても驚いております。セントレアがある中部地域の歴史に触れていただけるので、「関ヶ原山水図屏風」の展示ができ、大変ありがたく受け止めております。今後も様々な形で空の玄関口として、地域の魅力を発信できればと思っております。
現在、中部国際空港では「侍」がテーマの「関ケ原山水図屏風」のアート作品のほか、クリエイティブグループ「ユーフラテス」による忍者をテーマに制作されたアート「気配の箱」(現在、メンテナンス中)が展示されています。
画像提供:中部国際空港
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