「ここもかよ!」な再現ポイントありすぎ 国鉄急行の「懐かしさ」を感じるか、それとも「珍しさ」を感じるか:月刊乗り鉄話題(2021年7月版) えちごトキめき鉄道「観光急行」(2)(1/2 ページ)
この夏、昭和の鉄道ファンに胸アツすぎる注目の列車がえちごトキめき鉄道に誕生。なぜ胸アツなのか、それは「ここもあそこも国鉄時代と同じ」だからです……。え? どういうこと?
乗ってきました! 昭和の鉄道ファンに胸アツすぎる注目の列車、えちごトキめき鉄道の「急行列車」。前回は「スピリット・オブ・JNR」を感じる取り組みと若い平成世代のファンも感心を寄せている理由を解説しました。今回は国鉄時代を感じる「再現性」のこだわりっぷりをじっくり見ていきましょう。
国鉄急行の「懐かしさ」「珍しさ」を感じられる各所のこだわりディテール
「急行」も実は“懐かしい”列車種別です。
大手私鉄の急行は乗車券のみで利用できます。しかし国鉄の急行は別に「急行料金」が必要でした。
国鉄は1987年に分割民営化されてJR各社に移行しました。JRになっても急行料金制度は継続されました。ただし、国鉄時代の末期に「急行」は数を減らし、特急中心の列車編成になっていました。利用客が「特急」を好んだたため、あるいは、国鉄の増収策として急行を特急に格上げしたためです。
急行列車には急行料金が必要でした。青春18きっぷも普通列車専用ですから急行には乗れません。ただし、前述した「ワイド周遊券」や「ミニ周遊券」は急行に乗れる特典がありました。しかも、出発駅から乗り放題エリアまでの往復も急行を利用できました。つまり、鉄道の旅に慣れた人ほど「急行」のヘビーユーザーだったわけです。
えちごトキめき鉄道の急行電車は、その運賃制度を再現しました。急行電車に乗るには、乗車券の他に「急行券」が必要です。急行料金は500円。この値段も当時の料金に近いです。
ちなみに、直江津~糸魚川で急行電車に乗る場合、運賃は大人900円、急行利用金が500円、合わせて1400円です。観光だけではなく、地元の方でもふだん使いで乗れる設定です。
えちごトキめき鉄道では食事付きの観光列車「えちごトキめきリゾート雪月花」も運行しています。こちらは一人1万8000円のツアーです。これに比べると「観光急行」はとても手軽に「懐かしの急行電車の旅」ができてしまいます。
観光急行は今のところ(2021年7月現在)全車自由席です。将来は指定席も設定されるかもしれません。そのときは指定席券が販売されるでしょう。この運賃体系も国鉄時代と同じです。乗り降り自由のきっぷ「ホリデーツアーパス(大人3000円)」を使うと、観光急行の自由席、妙高はねうまラインの特急「しらゆき」の自由席を利用できます。これもかつての「周遊券」の再現と言えそうです。
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