【がんに気付くまで】いつもよりツラい生理「気が付くと床に倒れていました」 “生理中の失神”で子宮体がんが発覚した……というお話(1/2 ページ)
3年前にがんが見つかって治療→現在は普通に仕事、生活しているという方の体験談。
ねとらぼ読者から自宅で起こった危険な出来事を伺う企画「うっかりおうちで死にかけた」。今回は「“生理中の失神”から子宮体がんが発覚した」という体験談を伺いました。
※子宮体がん:国立がん研究センターが運営する「がん情報サービス」によると、子宮体がんは、子宮内膜から発生することから「子宮内膜がん」とも呼ばれる病気。なお、本記事は個人の体験談を紹介するものであるため、この病気の詳細などについては同Webサイトなどからご確認ください。
「気が付くと床に倒れていました」
私は3年前、自宅で1人でいるときに失神(?)したことがあります。原因は生理とそれに関連する病気で、ちょっと話が重くなります。
もともとホルモンバランスが悪く、生理不順で生理痛が重いほうでした。期間中は常に腹痛・腰痛、さらには大量出血で体調が最悪になるため、基本的に横になって過ごします。ベッドとお手洗いの往復です。
3年前のその日も安静にしていたのですが、いつもよりふらつく感覚があり、体をあたためるためにシャワーを浴びたときもずっと動悸がしていました。その後も体調は一向に良くならず生理の状況も相変わらずだったので、またお手洗いに行き、ドアを開けました。次の瞬間、気が付くと床に倒れていました。
実際に何分間倒れていたのかは分かりませんが、まばたきを1回しただけのような時間感覚でした。
検査~抗がん剤治療完了まで
今まで重い生理痛があっても、「もっと症状がひどい人もいるだろうし、病院に行くレベルではないのだろう」と婦人科を受診したことはありませんでした。ですが、このときはさすがに「(生理の影響で)意識を失った、失神したのではないか」と思い、すぐに近くのレディースクリニックへ行きました。
出血が多く、診察しても原因が分からないということで紹介状を書いてもらい、大学病院へ。そのまま検査のため入院となりました。
告げられたのは「子宮体がん」の疑いです。病理検査やMRIなども受けた結果、ステージ1の可能性があるということで、医師は「まだ他の臓器に転移していない、子宮だけでとどまっている状態なので、子宮・卵巣を全摘出する手術を早期に受けるべき」と話していました。
当時は高校時代から長く付き合ってきた方と結婚して、まだ1年もたっていない新婚期。お互い子供がほしいと思っていたので、大きなショックを受けました。子どもを産めなくなるかもしれないことを、主人にもどう伝えればいいのか。申し訳ないとしか言いようがありませんでした。
しかしまだ治療が間に合う段階で、生きてさえいれば選択肢はあると思い、休職して手術・治療を受けることにしました。
手術は予定通りに終わって、術後2~3カ月ほど入院。それから抗がん剤治療が始まって、1週間~10日間ほど入院しては退院して、次のクールを待ち(最低2週間は間隔を空けることになっていた)また入院して……というサイクルを半年間繰り返しました。
副作用で味覚がなくなるなどしんどいこともありましたし、将来子どもを産むことができないという事実には行き場のない深い悲しみがありますが、治療が間に合う段階で良かった、生きていて良かったと本当に思いました。
現在、抗がん剤治療完了から2年半たっており、経過は良好。普通の人と同じように仕事をして生活できています。
原因になったと思われるモノや行動
- もともと重度の肥満だった
- 健康的な生活を送っていなかった(食生活、睡眠サイクルなど)
- 重い生理痛も“いつものこと”だと思っていた
- 健康診断を数年にわたり受けていなかった
前提として、病気が見つかった年はフリーランス3年目でした。前職は会社員で、年2回の健康診断を受けていたのですが、独立してからは自治体が開催している健康診断の存在を認識しつつも、仕事が忙しいことを口実に一度も受けていませんでした。
また、もともと重度の肥満でホルモンバランスが悪いせいか、生理不順や生理痛が重いなどの症状があったのですが、体調が悪くても「いつものこと」「その期間だけ我慢してしまえば」という考え方が根付いていました。もしもあのとき失神していなかったら、病院を受診することもなく知らぬ間にがんが進行していたかもしれません。
これ以降、注意するようになったこと
- ダイエットなど、健康的な生活を心掛けるようになった
- 体調に異変を感じたら、すぐ病院に行くようになった
- 以前の私のように病院に行くのを渋ったり体調不良を我慢したりする友人・家族には、何かあったら病院で診てもらうことを勧めるようになった
フリーランスという立場もありますが、リスクを抱えたまま生活する怖さを実感したため、根本的な解決としてダイエットと、健康的な生活を送ることに少しずつ取り組むようになりました。
また、たとえ少しの異変だとしても「何かいつもと違う」という感覚は大事と思い、少しでも体調に異変を感じたら病院に行くように。「なかなか病院に行けない」「少しぐらいの体調不良なら我慢する」「市販薬でしのぐ」という友人や家族にも「病院に行くのが一番の解決だから、病院に行ってほしい」と伝えるようになりました。
診察の結果、問題がなければ安心につながりますし、もし何かあっても早期の発見であれば治療が間に合う可能性があります。「なるべく病院のお世話になりたくない」という考え方を持つ方も多いと思いますが、本当に体調が悪いとき、何かいつもと違うときはためらわずに(必要であれば救急車を呼んで)病院を受診してほしいと思います。
本企画では取材させていただける読者の方を募集しています
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.