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次にくるマンガ大賞受賞『怪獣8号』が仏語版発売 パリでは「タイトル何て読むの?」と日本漫画ファンゆえの勘違いも(1/2 ページ)

第1巻はフランス漫画史上最大の初版発行部数でスタート。

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 松本直也さんによる漫画『怪獣8号』第1巻のフランス語版が10月6日に発売されました。それに併せてフランスの発行元であるKaze France(Kazeの“e”にはアクサンテギュ)は約45メートルの高さとなるフランス国立図書館(BnF)の建物一面に怪獣8号を展示した一大キャンペーンを開催。一方、同作のタイトルに「何て読むの?」と基本的な質問が同国のファンから投げかけられ、さまざまな意見が集まっています。


怪獣8号は10月10日までパリ13区BnFに

館内でもゲームやワークショップなどの催しが

 同作は、漫画アプリ「少年ジャンプ+」で連載中のバトル漫画。怪獣の発生率が世界屈指の数値となった“怪獣大国”日本を舞台にした物語で、2020年7月に連載がスタートするや否や、怒濤の展開が読者を惹きつけ、「少年ジャンプ+」史上最速で3000万閲覧数を突破。「次にくるマンガ大賞 2021」では、Webマンガ部門の第1位を受賞した話題作です。

 フランス語版のタイトル表記は『KAIJU N°8』。これに疑問を投げかけた読者はTwitterで、「人類最大の議論に終止符を打つときが来たよね」とどう読むべきか意見を求めました。

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出版社の公式といえる回答を差し置いて議論に

 これに発行元のKaze Franceが「KAIJU NUMERO HUIT(カイジュウ ニュメロ ユイット)」と通常フランス語で読まれるべき読み方をリプライ。英訳すると「KAIJU Number Eight」。実際にこのようにも読める表記でもあるため、リプライ欄では英語読みをしていたという読者も何人か見られました。

 しかし、中には「“KAIJU NO Eight”って読んでたのは俺だけなのかな」と、「N°」を日本語の「の」として読んでいた読者も少なくなかったようで、「いや、君はもう1人じゃない」「私も」と賛同する声が続々。

 「N°」というのは「数」という単語の省略表記で、フランスでは通常「ニュメロ」と読みますが、「だって『はじめの一歩』とか『僕のヒーロー(アカデミア)』とか『進撃の巨人』とかに頭がやられちゃってるんだよ……」と「〇〇の〇〇」というパターンの作品が多いことから混乱を招いたようです。フランスのディープな漫画ファンだからこその勘違いだ……。

 ちなみに「KAIJU Hachigo」と日本語読み派だという読者は、「これが1番簡単」と主張。また『怪獣8号』の“号”に当たる“ N°”があると何だかしっくりこない、格好よくない、「KAIJU Eight」「KAIJU Huit」「KAIJU Hachi」などの方がよいという意見も多く、それに対し“号”と“番”の違いについて熱心に説明する読者もみられました。


タイトルが「怪獣の8」だとだいぶ印象が違う(画像はKaze FranceのInstagramから)

 今回、同作の第1巻は初版発行部数25万冊を記録。これはKaze Franceだけではなくフランスで出版された漫画史上最大となります。そしてこのような思い切ったキャンペーンが催されるのは近年フランスの漫画市場が加速度的に伸びているのも原因の一つ。

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 フランスでは感染症対策による外出制限も要因となって2020年、漫画の売上が大きく伸びました。さらに、18歳の若者へ約4万円分の文化パス配布というボーナスもあった2021年は、爆発的に売上が伸びています(関連記事)。

モンパルナスのフナックでコーナーが設けられる

 また、パリのモンパルナス・レンヌ通りにある小売チェーン店フナックでは、同作第1巻発売に先駆け、店内の一角にKaze Franceによるキャンペーンを張り出しました。このコーナーが書籍に充てられるのは初めてのことで、同出版社はさらに続々とキャンペーンを打って出るとしています。

 どの側面からも伸びているといわれるフランスの漫画市場について、2021年を黄金期と呼ぶ同国のメディアも少なくありません。今後さらなる衝撃的なキャンペーンや記録的な売上がみられるのか注目されています。


原作(画像はAmazon.co.jpから)
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