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ジャルジャルが映画ファンに「味わってほしい」新作の強烈な“違和感” KOC優勝から1年、今の目標を聞いてみた(1/2 ページ)

「“キモチワルオモシロイ”を味わってほしい」と売り込む新ジャンル、コントシネマ。

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 2020年のキングオブコント(以下KOC)王者「ジャルジャル」の新プロジェクトが始動。自ら“コントシネマ”と銘打った新しいジャンルの劇場作品「サンチョー」が全国15都市で公開されます。


「サンチョー」

 ベースとなっているのは2021年春の公演「JARUJARU TOWER 2021 ージャルってんじゃねえよー」で披露したコントの数々。舞台版の設定や内容を引き継ぎ長回しの撮影を多用することでコントの良さを継続しながら、映像作品となったことでリアリティーがぐっとアップ。舞台を見ていても、見ていなくても楽しめる作品となっています。

 総勢11人の登場人物を演じるのは、ほぼ後藤淳平さんと福徳秀介さん2人のみ。画面上に「ジャルジャル」が3人、4人と存在する場面もあり、ちょいちょい発生するカオスさも魅力のひとつとなっています。

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 KOCでの優勝から約1年。「サンチョー」という作品が生まれた意外なきっかけから、“コントシネマ”という自ら提言する新ジャンルの特色まで、ジャルジャルの2人に聞きました。


「ジャルジャル」左から後藤淳平さんと福徳秀介さん。お決まりの黒Tシャツとベージュパンツで

「普段映画とか見慣れている人は『気持ち悪っ』って感じるかも」 90分ジャルジャルオンリー、コントシネマの妙

―― 舞台上で披露したコントの映画化ですが、映画化によってどんな化学変化が起こったと感じますか?

後藤 単純に、舞台から構成をちょっと変えたり、それぞれのキャラの関係性も変わったりしたので、単独ライブを見た人でも新鮮に見られるかな。

 ライブも最近はぶつ切りではなく、流れに沿っていこうとやっていたので、今回のコントシネマにも生きました。つながっているようで、つながっていないようで、やっぱりつながっている。何となく続けて見られるようになっています。

福徳 単独ライブは爆笑してもらおうと思ってやる。映画の場合はニヤッ……と笑ってくれたらそれでいいかなという感じです。

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見るからに……なキャラなど多彩なキャラが登場

―― 舞台版の映像に加え、一足先に映画も見させていただきましたが、コントでは笑えた場面にリアリティーが増したことで感動的に見えて、クライマックスではグッときてしまいました。

後藤 ありがとうございます(笑)。本当に見てくださった方それぞれで感想が違うと思いますし、感動してくれたらそれはうれしいです。

 ニュージャンルとして、“コントシネマ”と勝手に名付けさせてもらっているので、映画のようでコントのようで、その中間のようで。誰が主役か分からんっていうのも、どのキャラに感情移入するか、いろんな見方ができるはず。

―― 触れ込み通り、全編ほぼお2人しか出ていませんでしたね。

後藤 本当に僕ら2人しか出ないんで、普段映画を見慣れている人は「気持ち悪っ」って感じるかもなと思っていました(笑)。気持ち悪いものを見たい方にはぜひ見てほしい。なおかつコントだから面白い部分もありますし、“キモチワルオモシロイ”を味わってほしい。

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―― 映画ファンの感想が気になりますね(笑)。多くのキャラクターを並行して演じる際に苦労はありましたか?

後藤 コントは普段から当然2人でやっているので、いつも通りやらしてもらって。ただひとつの画面に僕が2人いるシーンをやるときの撮影は、ちょっと大変というか、なかなかすんなりとはいかなったです。

福徳 僕らもやっているうちに、誰が誰だか分からなくなってきて「こいつとこいつ、友達やったっけ?」って。スタッフさんもみんな「これは誰やったっけ?」とか、ややこしさはありました。何せ顔はみんな僕らなんで、ごっちゃになるというか(笑)。

―― 濃いキャラばかりでしたが、中でも印象に残ったキャラがいれば教えてください。

福徳 めっちゃ目を見てくる美容師とか。ほんまにめっちゃ目を見てくる人いるんですけど(笑)。

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「めっちゃ目を見てくる美容師」登場シーン

後藤 男女コンビの漫才師が出てきて、僕が男の役。で、コンビの女の子の彼氏がまた僕。つまり相方も彼氏も僕ということで、見ている人はちゃんと整理して見れんのかなと思ったんですけど、意外と別人に見えるなと思いました(笑)。


男女コンビの漫才師

「映画館で流すつもりなく撮っていた」 コントシネマができるまで

―― 撮影では長回しを多用したそうですね。この撮影方法でよかったこと、反対に思わぬ結果となってしまった失敗談はありますか?

後藤 普段からコントはせりふ決め決めでやっていないんです。カメラを置いて、一発撮って「ハイOK!」みたいな。今回の映画でも、演じている僕らは本当にライブ感のあるままできるんですけど「これもっかい取り直した方がよかったんちゃう?」ってこともたまにありました。一発撮りの怖さとして「ちょっと今ふわっとしていたけど、ほんまにこれでよかったんかな?」って。

―― 劇中には出てくる2人が山を登るシーンは、まるで「サウンド・オブ・ミュージック」のようでした。あれも一発撮りだったんですか?

後藤 あのシーンは、僕らがずーっと登っているのをドローンで撮ったもの。僕らはどっから撮られているのか分からないまま登っていましたね(笑)。そういうところ(空撮)は映画ならでは。コントというよりも、シーンそのものが映画っぽくなりました。

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青春映画っぽい場面も

―― 映画制作にあたり参考にした作品はありますか?

後藤 特になくて、こういう映画っぽくしたいとかすらなかった。映画館で流すつもりなく撮っていたんですよ。取りあえずコントを映像で残そうとスタートしたので、自然と誰が主役か分からん話になったなと思いますね。

―― そんないきさつがあったとは。では「サンチョー」というタイトルはどこから、どんな意味で付けたんでしょう……?

福徳 まぁ……映画に関しては、僕らはほとんど関与していないというのが事実で。「タイトル、サンチョーってどうや」っていわれて「いいですね!(指パチーン)」って。伝えたいのはお客さんへの感謝なので、サンキューではあんまり直接的すぎるから、そういう意味での(指パチーン)なので。感謝。恥ずかしながら(笑)。


「感謝。恥ずかしながら(笑)」
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