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順に並べて分かった意外な事実 新型車両「315系」デビュー記念! まとめてみましたJR東海「20年ぶりの新車」と仲間たち月刊乗り鉄話題(2022年3月版)(1/5 ページ)

意外と“へぇ~!” 2022年春のダイヤ改正はちょっと寂しい話題が多かったので……「JR東海の現行車両カタログ」をどうぞ。

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 2022年3月12日、JRグループはダイヤ改正を実施しました。鉄道ファンにとってダイヤ改正と言えば、新路線開業や新しい特急列車の誕生など、ココロ浮き立つイベントです。しかし今年2022年はコロナ禍の影響を受けた減便、地域の過疎による駅廃止などが目立ちました。

 寂しい話題が多い中、明るい話題の1つが「新型車両の投入」です。ダイヤ改正に先駆けた2022年3月5日、JR東海は中央線の名古屋~中川間で新型通勤電車「315系」を運行開始しました。

 315系はJR東海の在来線通勤型電車としては約20年ぶりの新車投入です。その代わりに、国鉄から引き継いで長く活躍した「211系電車」が引退しました。そこはちょっと寂しいですね。でも、利用者にとっては新しい方がうれしいでしょう。この新旧交代で、全て「JR東海になってから運行開始した車両」になりました。JR旅客会社で最初の全車入れ替え達成です。

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 もっとも、JR東日本、JR西日本、JR北海道、JR九州は、蒸気機関車を観光目的で継続的に運行しています。JR四国も国鉄時代の車両を観光列車に改造して運行しています。JR東海は蒸気機関車も電気機関車も持ってません。むしろJR東海が特殊な会社といえます。

「JR東海の現役車両カタログ」2022年版

315系は「直流区間用の普通列車に使う電車」 国鉄時代の名残もほんのりと

 JR東海は国鉄車両を一掃しました。しかし、315系電車には国鉄の名残もあります。それは「車両形式」です。


JR東海「315系電車」(報道公開時)

 「315系」は国鉄時代から続く伝統的な命名方式を継承しています。100の位の「3」は直流電化区間専用を示し、10の位の「1」は普通列車用を示します。1の位の「5」はモデルナンバーとでもいいましょうか。「5」ですが3番目の系列を示します。「0と1」「2と3」「4と5」「6と7」「8と9」の組で与えられるからです。

 国鉄時代の規則を知っていれば、「315系」と聞いただけで「31x系で3番目の形式だね」「313系の後継車だね」と分かります。便利ですね。この命名ルールはJR東海、JR西日本、JR九州で継続されています。JR四国は自社開発車両に4桁の数字を採用しています。JR東日本は頭にEを付けます。JR北海道はHを付けます。3桁では「いずれ他社と重複する」と考えているようです。

 315系の「銀色の車体にオレンジと白の帯」は、JR東海の在来線の伝統色です。東海道新幹線で名古屋駅に近づくと、この色を見て「名古屋に来たんだなあ」と思います。名鉄の赤を見ても思いますけれどね(笑)。

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315系電車(左)と交代で引退する211系0番台。211系の運行番号が「211」

 JR東日本やJR西日本は路線ごとに車体の色を変えています。これは乗り間違いを防止するためです。JR東海は路線網が複雑ではないため、会社のブランドカラーを重視しているといえそうです。

 前置きが長くなりましたが、今回はJR東海20年ぶりの新車となる315系の誕生記念として「JR東海ブランドの現役車両」をあらためて確認してみることにしました。古い車両から新しい車両へ──。製造開始年順に進化の様子を見ていきましょう。

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