順に並べて分かった意外な事実 新型車両「315系」デビュー記念! まとめてみましたJR東海「20年ぶりの新車」と仲間たち:月刊乗り鉄話題(2022年3月版)(2/5 ページ)
意外と“へぇ~!” 2022年春のダイヤ改正はちょっと寂しい話題が多かったので……「JR東海の現行車両カタログ」をどうぞ。
JR東海の現役車両 製造年順カタログ(2022年版)
211系電車(1988年~1991年製造)
あれ、211系電車は引退したはずでは? そうです。国鉄時代の211系電車は全て引退しました。しかし、211系は「JR東海が発足してから継続して製造されたグループ」があります。製造番号が5000番台、6000番台のものです。1988年から1991年にかけて242両が作られました。国鉄時代の通勤電車と置き換えるため、全ての車両がロングシート。最高速度は時速120キロです。
車両数は新型車両の投入によって半分以下まで減っています。2022年3月現在は静岡地区で活躍中です。帯の色に濃いグリーンがあるところも国鉄時代からの名残です。
キハ85系(1988年~1992年製造)
キハ85系はJR東海が最初に開発に着手した車両形式です。JR東海は紀勢本線で特急「南紀」、高山本線で特急「ひだ」を運行しています。JR東海の発足当時、この2つの特急は国鉄から引き継いだキハ82系気動車で運用されていました。古い形式、各地から程度の良い車体の寄せ集め。これでは新幹線から乗り換えても興ざめです。そこで、スピードアップとサービス向上のために開発されました。
1両あたり350馬力のディーゼルエンジンを2基搭載し、最高速度は時速120キロです。前任のキハ82系は最高時速100キロでしたから、大幅にパワーアップしています。観光地にふさわしい列車を考慮し、先頭車に天窓付きパノラマグリーン車を採用。ほかの車両もハイデッカータイプで窓を大きくし、眺望に配慮しました。ステンレス車体を採用し、軽量化と塗装補修の手間を省きました。先頭は衝突事故で修理しやすいように普通鋼で作られ、白で塗装しました。JR東海のコーポレートカラーのオレンジ帯を配します。
このデザインはその後のJR東海車両の共通イメージになりました。つまり、キハ85系は、現在の313系電車に代表される「JR東海顔」のルーツです。
キハ11形気動車(1988年~1999年)
キハ11形気動車は非電化区間の国鉄型気動車(ディーゼルカー)を置き換えるために導入されました。自社開発ではなく、新潟鐵工所の鉄道部門(現・新潟トランシス)が開発したローカル線用車両をJR東海向けに仕様変更しています。高山本線、紀勢本線、太多線、東海交通事業城北線に投入されました。のちにキハ75形などの新型車両に置き換えられ、現在は名松線と東海交通事業線城北線で運用されています。一部はミャンマー国鉄やひたちなか海浜鉄道に譲渡されました。
最高速度は時速95キロ。43両が製造されました。車内はセミクロスシートです。初期の車両は鋼鉄製でトイレなし、後期の車両はステンレス製でトイレ付きとなりました。
213系電車(1989年~1991年製造)
213系電車は211系と似た顔つきです。国鉄時代に瀬戸大橋線の快速列車用として開発されました。211系を元に、乗降扉の数を3つから2つに減らし、全席クロスシートを採用して座席数を増やしています。JR東海はこの車両に注目して、自社仕様の5000番台を製造しました。目的は関西本線の名古屋~亀山間に投入し、並行路線のライバル、近鉄電車に対抗するためです。2両編成×14本が作られました。瀬戸大橋線仕様からの主な変更点は乗降扉周辺のロングシート化、走行機器類の改良、パンタグラフの小型化などです。最高速度は時速110キロ。
関西本線のワンマン運転実施に伴って211系、313系と交代し、中央線に転属しました。2022年現在は主に飯田線で運用されています。
311系電車(1989年~1991年製造)
311系はJR東海が独自に開発した電車です。車体はステンレス、先頭部は白いFRP(繊維強化プラスチック)。曲面ガラスを採用して、丸みのある優しい顔つきになりました。4両編成×15本が製造されました。先頭車の幌は、ほかの編成と連結した時に通路として使います。この幌と3面ガラスを合わせて見ると、人の顔っぽい印象ですね。「JR東海フェイス」の初期グループといえる電車です。動力性能は211系とほぼ同じです。最高速度は時速120キロ。
311系が作られた目的は東海道線の「新快速」「快速」を増発するためです。その後、最高速度時速130キロの313系が新快速、快速向けに投入されたため、311系は主に普通列車として運用されています。JR東海は211系、213系、そしてこの311系を最新型の315系で置き換える予定です。
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