「ちいかわ」アニメ化記念インタビュー 青木遥と小澤亜李が語る“ちいかわ”の優しさと“うさぎ”のパッション(1/2 ページ)
ちいかわ役とうさぎ役の2人に聞きました。
イラストレーターのナガノさんが手掛ける人気作『ちいかわ(なんか小さくてかわいいやつ)』。ほんわかした見た目のかわいらしいキャラクターたちが繰り広げる、時にキュートで時にハードな世界観が、大人を中心に多くの読者の心をつかんでいます。
2020年からTwitterで漫画の連載をスタートすると、一気に人気に火がつき、2021年2月に講談社で単行本化。同年4月から東京・愛知・大阪でコラボカフェが展開され、2022年1月には「めざましテレビ」(フジテレビ系)のコーナーとして「ちいかわ占い」がスタート。現在Twitterアカウントも100万フォロワーに迫る勢いとなっています。
4月4日からは、「めざましテレビ」内で動画工房制作のアニメが放送予定。ねとらぼでは10歳でちいかわ役を射止めた青木遥さん(海外アニメNetflix「マイティ・エクスプレス」ライザ役など)と、うさぎ役の小澤亜李さん(「月刊少女 野崎くん」佐倉千代役など)へのインタビューをお届け。作品への思いから、お互いの印象までお話を聞きました。
―― Twitterで大人気の「ちいかわ」。初めて見たときはどう感じましたか?
青木遥(以下、青木) やっぱりかわいいって思いました。あと、お父さんがTwitterで「ちいかわ」のことを知っていて驚きました。
小澤亜李(以下、小澤) ネットの流行に疎いんですけど、オーディションで初めて出会って、資料に載っていた漫画がすごく面白くて。そのときは抜粋だったので全容は知らなかったのですが、かわいい生き物がいっぱいいるけど、うさぎみたいな不思議でファンキーな子もいるというバランスもいいなって。
オーディションも、うさぎで受けたんですけど、受かってから漫画を読んだら子ども向けじゃなかった……みたいな(笑)。いろいろな気持ちにさせてくれました。
―― 役が決まったときはどう思いましたか?
青木 めちゃくちゃ驚きました。「ちいかわの結果どうだったの?」って聞いたら、「次の収録だよ」って言われて。
小澤 街には、ちいかわがいっぱいいたので期待されている作品なんだな、というのは感じていました。イメージに合うように自分のできることを精いっぱいやろうと思ったんですけど、ちいかわ占いが始まったときのバズり具合が想像以上だったので驚きましたね。緊張感が増したというか。出せるものしか出せないけれど、あらためて気を引き締めていきたいなと思いました。
―― 新作が投稿されるたびに数万RTの反響がある「ちいかわ」ですが、ここまでの社会現象になった理由はなんだと思いますか?
小澤 すごくかわいいんだけど、かわいいだけじゃない楽しみ方があるという、ちょっとミステリアスなところが大人の心を引きつけるのかなと思いました。
かわいいところだけでも楽しめるし、奥深いところも楽しめる。ちょっと怖い生き物もいる、というのもいいところだなと思います。食べられかけるし、体も奪われそうになるし、この子たちどういう暮らしをしているんだろうと気になる子もいれば、ちいかわちゃんやハチワレちゃんのやりとりにかわいいなって思うときもあるし、絶妙なバランス加減がありますよね。
―― 青木さんはテレビアニメの声優は初挑戦となりますが、挑戦してみてどうでしたか?
青木 初めてだから楽しみでしたし、実際に収録してみて楽しかったです。今はコロナウイルスが流行しているから、子役の子や声優さんと会うのも久しぶりで。一緒に収録できてうれしかったです(※ちいかわ役の青木さんはハチワレ役の田中誠人さんと同時収録をすることも)。
―― 難しかったことや大変だったことはありましたか?
青木 日本語をしゃべらないこと(笑)。
―― 確かにせりふも独特ですね(笑)。誰かと役作りの相談はしましたか?
青木 お母さんと練習しました。
―― 声優の先輩から見て、青木さんの演技はどう映りましたか?
小澤 原作を読んでいるときから、「ちいかわの健気(けなげ)さを大人で出せるのかな」と思っていたので、キャストが発表されたときに絶対合うだろうなって思いました。
ちいかわとハチワレの収録が終わってからやらせてもらったんですけど、かわいくてつい、うさぎのせりふがないところで「かわいい……」って言っちゃうくらい。ピッタリだったと思います。
青木 うれしいです! だんだんと自分の声には慣れてきたんですけど、まだ自分の声がかわいいとは思えなくて。声優さんにかわいいって言ってもらえるのはすごくうれしいです。
―― 青木さんから見て、自身が演じたちいかわのどんなところが好きですか?
青木 まず、かわいいところ。見た目も中身も。あと、優しいところ。友達のハチワレたちをすごく心配するところが好きです。ハチワレも優しくて友達に気を遣えるんですよね。そこがいいところだなと思います。
―― 友達のためを思って行動できるのはちいかわの良いところですよね。小澤さんは、うさぎのどんなところに魅力を感じますか?
小澤 うさぎはテンションが高いというか、気は遣ってないですね(笑)。面白いことをしようとしているわけではないけれど、自由に駆け回る姿を見てちいかわやハチワレが笑ってくれる、みたいな。1人でも生きていけるけど3人で一緒にいるのは、そういうやりとりが楽しいからだと思っています。
―― それぞれ演じているキャラクターの自分と似ているところ、自分になくて見習いたいところがあれば教えてください。
青木 似ているところはよく泣くところなんですけど、泣く理由が違うんですよね。私の場合は給食で食べきれなかったり喧嘩(けんか)したときとかなんですけど、ちいかわは他の人を心配して泣く場面が多いんですね。そういう優しいところを見習いたいです。
小澤 私は感情が顔に出やすい方なので、うさぎの飄々(ひょうひょう)としていたりどっしり構えたりしているところは似ていないなと思うんですけど、はしゃぐところとか、スイッチの入り方はすごく似ていて。そういう意味では、テンションが高いうさぎは自然に演じられています。
―― ちいかわたちのような“人間ではないキャラクター”を演じる場合、どういうことを意識していますか?
青木 どっちも「かわいくする」っていうのはあるんですけど、ちいかわの場合は声を高くすることを意識しています。
小澤 うさぎの場合は、かわいくというよりパッションを感じてもらえたらと思っていて。テンションが高いときとクールなときがありますけど、クールなときは声が低くなるので人っぽくなりやすかったりするんですね。そういうのもコントロールが難しくて、なるべくうさぎのサイズ感を意識して演じなければ、と思っています。
―― いまサイズ感という話が出ましたけど、ちいかわたちはどれくらいの大きさなんでしょうね。
小澤 (テーブルに置いてあるぬいぐるみを手にしながら)これちょうどいい感じですね、これくらい小さいかもね。
青木 でも(作中に出てきた)シュークリームの大きさがこれくらいだから……。
小澤 そっか。あ、でもこの子たちが作ったシュークリームだから小さいかも。
青木 確かに(笑)。
小澤 (手で大きさを表現しながら)これくらい大きかったら「大きくてかわいいやつ」になっちゃうから、このぬいぐるみくらいのサイズ感でお願いします!
―― 「ちいかわ」はシリアスな回や怖い話も魅力的ですが、どのように演技されましたか?
小澤 怖いのやったよね。
青木 ちいかわはすごく怖がるので、「キャー」とかの声を強調したりしました。
小澤 でも、そういうときに勇敢になるよね、ちいかわって。
青木 魔女からはすごく逃げてました(笑)。
小澤 勇敢じゃないときもあったね(笑)。うさぎは飄々とした感じで演技しました。
―― 1月から「ちいかわ占い」が放送されていますが、青木さんはお友達から「見たよー」とか言われたりしましたか?
青木 最近はキャストが発表されたら自分からバラしているんですけど、今回はまだ言ってなくて。ちいかわ占いのことはみんな気が付いていなかったです。発表の後に1人だけ気付いてくれた子がいたんですけど、何の役かは忘れちゃっていました(笑)。
―― 小学校では「ちいかわ」を知っているお友達は少ない?
青木 学校ではあまり聞かないですね。だから気付いてくれたのがうれしくて、テンション上がりました(笑)。
小澤 4月からクラスが変わると思うし、自己紹介で「ちいかわ見てね」って言ってみるのもいいかも(笑)。
青木 いきなり人気者になるのはいいなあ。結構目立ちたがり屋なので(笑)。
小澤 ぜひ目立ってきてください!
―― いろいろとグッズ展開もされている「ちいかわ」ですが、こんなグッズがあったら欲しいというものはありますか?
青木 学校ではキャラクターの鉛筆とかだめだから……ちいかわが身につけているポシェットとかグッズ化してくれたらうれしいです。
―― あ、ポシェット出ているみたいですよ。
小澤 え、そうなんだ! プロデューサーさーん、ポシェット欲しいそうです!(笑)。私はさすまたのフォークとか使ってみたいですね、刺しやすそう! あとはパジャマかな。
青木 フードの耳のところとかも再現してほしいですね、着てみたい!
小澤 じゃあ次はそれで(笑)。
―― 作品を通して一緒にいる時間も増えたと思いますが、お互いの印象を聞いてみたいです。
青木 優しくて支えてくれる! 私が緊張していても、小澤さんが支えてくれたことでだんだん慣れていったので。
小澤 私が青木さんの年齢だったころはもっと人見知りだったし自分の意見を言語化できなかったりしたので、こんなに自分の言葉を連ねることができるのがすごいし、こんなに大人たちが見つめている中で人見知りせずにお話できていることがすごいなと思いますね。すごくしっかりしていて、そこが持ち味になっていると思います。
青木 赤の他人でも友達になりたかったら話しかけにいっちゃうんですけど、心の中ではすごく恥ずかしいと思っているので……。
小澤 大人になっても自分からいけないからすごいと思うよ!
―― 小澤さんが青木さんの年齢のときはどんなことをしていましたか? すでに声優や演技の道に進みたいと思っていましたか?
小澤 4年生か……毎日男の子と喧嘩していました(笑)。スカートも全然履いたことがなくて、アクティブに走り回っていました。小学校で一番足が速かったです! 髪も短く活発な、だけど人見知りな女の子でした。
青木 意外!
小澤 大きくなって、声優を目指した感じかな。
青木 今はスカートだし、すごく女性らしいですね。
小澤 かわいいスカートを履いている声優さんにすごく憧れていて、スカート買ってみようかなってなったんだよね。それまではズボンしか履いたことなくて、みたいな感じでした。
青木 でも、すごい分かる。ズボン履きやすいですし。
小澤 暖かいからね(笑)。
―― 青木さんは大人になったら、どのような仕事をしていたいですか? どんなお姉さんになっていたい?
青木 もっとさまざまなお仕事をやりたいと思っていて、お姉さんになったら、皆に憧れてもらえるような優しい人になりたいです。
―― 楽しいお話をありがとうございました! それでは、4月の公開を待っている「ちいかわ」ファンの皆さんに向けて一言ずつお願いします。
小澤 ちいかわたちのかわいさはそのままに、漫画にない声や音、動きがついてよりかわいさが増したアニメーションになっています。それプラス、ちゃんと原作の良さみたいなものも描かれていたりするので、よりパワーアップした「ちいかわ」を楽しんでほしいなって思います。
青木 「ちいかわ」の世界はほんわかしていて危険もあるんですけど、それに立ち向かうちいかわもかっこいいです。あと、学校がないのはうらやましいと思います!(笑)。
関連記事
表現することが生きることそのもの――のんに聞く「この世界の片隅に」から2年後の自分
のんさんインタビュー!宇垣美里インタビュー アニメ映画「羅小黒戦記(ロシャオヘイセンキ) ぼくが選ぶ未来」で感じたキャラクターを演じることの難しさ
映画は11月7日公開です。自分たちが吹き替えをしていることが最大の魅力になれば――宮野真守が明かす吹き替えの楽しさと難しさ
映画「スモールフット」でノリノリのお芝居を見せる宮野さんに話を聞いてみました。映画「二ノ国」には“真骨頂”が詰まってる? 宮野真守&梶裕貴&津田健次郎3ショットインタビュー
映画を支える実力派声優たちに聞きました。声優・竹達彩奈がニャンニャン鳴く「CV部」動画のいきおいがすごい ここぞとばかりに声優への思いを聞いてみた
竹達さんにしては珍しい擬人化アテレコの現場で聞きました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.