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「漫画村」運営者特定した弁護士に嫌がらせ? 東京地裁が誹謗中傷者への発信者情報開示請求認める

神奈川弁護士会の所属弁護士をかたる人物による怪文書が出回っています。

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 漫画村運営者を特定したのは中島弁護士ではなく、嘘の実績で出版の宣伝をしている――などと事実無根の誹謗中傷を行っていた人物に関して、東京地方裁判所がインターネットサービス事業者に対する発信者情報の開示請求を認めました。また、同時期に「漫画村運営者を解明したのは中島弁護士ではありません」と神奈川弁護士会の所属弁護士をかたる怪文書が出回っていたことも分かりました。


東京地裁による決定

 誹謗中傷の被害に遭ったのは、東京フレックス法律事務所の中島博之弁護士。著作権を侵害して広告収入を得ていた海賊版サイト「漫画村」をいち早く問題視し、アメリカのサーバー会社・Cloudflare社に対して発信者情報開示請求を行うなど、自費100万円をかけて運営者の特定に尽力した人物です。


中島弁護士がCloudflare側に送達した証拠(英訳したもの)

 中島弁護士はその後、漫画原作者としてもデビューを果たし、メディア出演も増えてきた2021年に突然、出版のタイミングで今回の誹謗中傷を受けたといい、同時期に神奈川弁護士会所属弁護士を名乗る人物からの怪文書が出回っていることを知ったといいます。

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大手新聞社に届いた怪文書

 その人物は、「漫画村運営者をアメリカ連邦地裁のディスカバリーを使って解明したのは●●弁護士、ほぼ同時期に日本の発信者情報開示請求を利用した手続きを進めていたのは●●弁護士です。中島弁護士ではありません」と断言。

 「記事の訂正と、なぜこのような事実と異なる記事が出たのか釈明をお願いします」と、新聞社側に求めていました。

 さらに、同じ人物の投稿かは不明ですが、漫画村運営者を特定したのは中島弁護士ではなく、嘘の実績で出版の宣伝をしているなどとインターネット上の書き込みも見られました。

 これに対して中島弁護士は真実に反すると反論。「漫画村の訴訟のために原告として立ち上がって下さった漫画家の先生や、漫画原作に関わって下さった多くの方々の名誉にも関わりますし、嘘の情報で表現行為を委縮させようとする行為にも弁護士として立ち向かわなければならならないと感じました」と、発信者情報開示を求める仮処分を自分で提起し、東京地裁は3月30日付で誹謗中傷を行った人物の発信者情報を開示する仮処分を決定しました。

たまきちひろ先生のコメント

 中島弁護士が代理人を務める漫画家のたまきちひろさん(著書に『人生リセット留学。』や、ドラマ化された『Walkin' Butterfly』など)は、今回の状況について「中島弁護士は漫画村の発信者情報開示請求訴訟を4年間、弁護士費用もとらずに自腹で100万円以上負担して、知財高裁で勝訴するまでやり抜いてくれました。その過程で運営者を特定したことは当時広く報道されていました。それにもかかわらず、漫画好きの中島弁護士が、漫画原作者になった本来一番嬉しいはずのタイミングで、特定手続をしていないと嘘の情報を流して、出版記事の取下げを要求したり、誹謗中傷をするなんてあまりにも酷すぎます。さらに今回、誹謗中傷者を特定するために、自分で裁判手続をして辛い思いをしたり、供託金を支払う苦労をしたと知り私も大変心を痛めています。」とコメント。

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中島弁護士のコメント

 中島弁護士自身も「これまで警察と多くのインターネット上の権利侵害を摘発した経験から、裁判所で権利侵害と先に認めてもらうことで、事件化もしやすくなりますので、近日中に警察に被害相談を行う予定です。昨今、誹謗中傷が社会問題となっています。投稿前に自分の投稿が間違っていないかや、誰かの権利を侵害していないかをよく考えて頂き、誰も嫌な思いをしない世の中になって欲しいと思います」とコメントしています。

(Kikka)

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