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「死後ロボットとして復活したい?」「人間とロボットの違いとは」 日本科学未来館の特別展が「心をメッタ刺しにされる」と話題(1/2 ページ)

同館に詳細を聞きました。

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 「人間とは何か? ロボットとは何が違うのか?」と問いかける解説文に、「心をメッタ刺しにされる」――。日本科学未来館で開催中の特別展、「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」がTwitterで好評を博しています。

「きみはにんげん? それともロボット?」――己が人間たるゆえんを考えさせられるコピー

 「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」では、約90種130点にも及ぶロボットを展示。ロボットの開発史をひもとくZone1「ロボットって、なんだ?」に始まる3つのゾーンで、「人間とはなにか?」を来場者とともに考える趣向です。

 Zone2は、「人間とは何か」をロボットと身体や心、機能を比較して考える「きみって、なんだ? にんげんって、なんだ?」。入口では「ロボットを通して、わたしたち自身を見つめ直してみよう」「体をロボットに置き換えた人間は、人間か? 心をロボットで再現した人間は、人間か?」などと問いかける解説文が来場者を迎えます。

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 Zone3は識者の思い描くビジョンや体験型の展示を通して人間とロボットの未来を考える「きみとロボットの未来って、なんだ?」。「きみ自身や大切な人を、ロボットでよみがえらせたい?」と問う、ドキリとさせられる特別な問いも公開されています。

近年の「AI美空ひばり」や「手塚治虫作品を学習したAI」にも通ずるこの問題、あなたならどう考えますか?

 そう遠くない「人とロボットの未来」について考えさせられるさまざまな展示は、来場者のツイートにより広く拡散。「何をもって『ニンゲン』とし、何をもって『ロボット』とするのか、ついつい考えてしまう」「攻殻機動隊も森博嗣の小説も好きな私の心にグサグサ刺さります」などと大きな反響を呼びました。

 編集部は日本科学未来館に、同展の見どころや意図など詳細を聞きました。

―― 特別展「きみとロボット ニンゲンッテ、ナンダ?」の見どころは?

日本科学未来館 まずは、国内展覧会史上最大規模となる多彩なロボットの展示です。世界初の人型知能ロボット「WABOT-1」や誰もが知る「ASIMO」といった日本のロボット開発史で欠かせないものをはじめ、約90種130点が集結しました。高所での重作業を可能とする遠隔操作機「零式人機ver.1.2」、初の一般公開となる、目の前の人と同じ動きをするミラーリング機能搭載の二足歩行ロボット「EVAL-03」の他、「aibo」や「LOVOT」といったコミュニケーションロボットもあります。

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―― 展示の主旨について、あらためてお聞かせください

日本科学未来館  ロボットとの関係性を通して、変わりゆく人間の「からだ」「こころ」「いのち」に目を向け、「人間とはなにか?」を問いかけながら、人間とロボットの未来像を思い描くことです。そのような意味で、茂木健一郎さんのデジタルクローンが、ドイツの哲学者ニーチェのデジタルクローンと対話する「オルツ・デジタルクローン」や、大阪大学の石黒浩教授にそっくりなアンドロイド2体が会話する「アンドロイドの議論」など、人間の存在のあり方を考えさせるようなロボットも紹介しています。

―― 各章の解説文がすばらしいと話題ですが、どなたが考えたのでしょうか?

日本科学未来館 日本科学未来館など主催者の企画チーム、本展の監修者も含め議論を重ねながら作成しました。老若男女問わず、多くのかたにわかりやすい言葉や表現を模索して作り上げたものなので、ご好評いただき大変うれしく思います。

―― 「きみ自身や大切な人をロボットでよみがえらせたい?」と問う企画も大きな話題になりましたが、来場者の反応はいかがでしたか?

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日本科学未来館 こちらは、人間とロボットの関係性を来場者に考えていただくことを意図した問いかけで、参考の材料として先ほどの「オルツ・デジタルクローン」や、手塚治虫の作品を学習したAIと人間が共同で制作した漫画「ぱいどん」(関連記事)などを展示しています。ただ単に展示されているものを見るだけでなく、自身の問題として考えていただくうえで、少しでも来場者の心に残っているようでしたらうれしく思います。会場でも、じっくり解説を読んでくださったり、ご同行の方と話しながら観覧されていたりする様子を拝見しております。

 “自身の問題”の観点では、「D.E.A.D.(Digital Employment After Death)」の展示も見ていただきたいです。こちらは自身の死後のデータの取り扱いについて、来場者ひとりひとりに考えていただこうというもので、データを自由に使ってよいかどうか、会場やWebで投票を募っています。6月10日正午時点の集計(Web投票含む)では、Yesが44%(14467票)、NO56%(18029票)。集計結果はリアルタイムで会場に壁面投影するほか、特設サイトでも公開しています。比率は会期が進むにつれ変化しており、会期終了時にどのような結果となっているか楽しみです。

―― SNSでの反響について、感想をお願いします

日本科学未来館 最近では展示メッセージや会場内の問いについてのコメントをたくさんいただいており、ご意見は大変興味深く拝見しています。展示テーマの「ニンゲンッテ、ナンダ?」について、多くの方に考えていただける機会となっているようでうれしく思います。ぜひ今後も多くの方にご来場いただき、人間とは何か、ご自身とロボットの未来とは――と、さまざまに思いを巡らせていただきたいと願っております。

 また、6月18日と19日にはトークイベントを開催します(事前申し込み制)。初日は監修者が本展の「ニンゲンッテ、ナンダ?」という問いに込めた思いを深掘りし、2日目は、人間が昔からSF作品などの物語で描いてきた、現実とは異なる人間像や価値観から「ニンゲンッテ、ナンダ?」を考えるヒントを探ります。

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画像提供:せぜり(@sezeri_twst)さん

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