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13歳の柴犬をSNSに投稿→コメントがきっかけで病気だと分かる 飼い主「インスタを始めて良かった」と感謝

発見できてよかったです。

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 Instagramを始めたばかりの飼い主さんが、13歳の柴犬「かずさ」さんの動画を投稿したところ、寄せられたコメントがきっかけでかずささんの病気が判明。現在治療中で、順調に回復しているそうです。飼い主さんに話を聞きました。

 2008年生まれで13歳のかずささん。そんなかずささんのかわいい姿を投稿しようと、飼い主さんは5月下旬にInstagramを始めました。6月5日に投稿されたのは、かずささんがお部屋のなかで見せたある様子でした。

顔を伏せがちのかずささん

 かずささんはお顔を伏せて、今にも両目をつぶりそうな表情。しっかり立っていた4本の足ですが、カメラがズームすると後ろ足2本がぐらり。フラつき、倒れそうになる姿をとらえました。ウトウトと、懸命に睡魔と戦っているように見えます。

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 このとき飼い主さんは、後ろ足がぐらついたのは寝落ちしそうになっているからだと考えており、「ゆっくり寝たらいいのに……」と思っていたそうです。

しっかり立っていた4本足ですが……
後ろ足がぐらりとフラつきました

 その後、すぐに体勢を立て直したかずささん。一見、立ったままウトウトしているかわいらしい姿に見えますが、この動画を投稿したところ「病気ではないか?」と心配するコメントが何件か寄せられたそうです。

 そこで飼い主さんがかずささんを動物病院に連れて行ったところ、「馬尾(ばび)症候群」だと診断されました。

しっかり立ち直すかずささん

 かずささんはすぐに投薬治療を開始し、現在も通院が続いています。飼い主さんによると、担当の獣医師から「順調に回復中」といわれているそうで、治療を始めてからは尻尾の動きもよくなり、投稿動画のように立ったまま寝落ちする姿も見られなくなったそうです。

 「馬尾(ばび)症候群」とは一体どんな病気なのか。編集部は、ガイア動物病院(東京都杉並区)の院長 松田唯さんに話を聞きました。

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ガイア動物病院 院長 松田唯(まつだゆい)

埼玉県生まれ。北里大学獣医畜産学部卒業後、千葉県内と東京都内の動物病院で勤務。

2019年7月、ガイア動物病院(東京都杉並区)開設、院長に。治療法や薬について分かりやすく説明し、治療法のメリット・デメリットを理解して飼い主様が選択できる診療を心掛けている。

 ――犬の「馬尾(ばび)症候群」とは、どのような病気でしょうか

 馬尾神経症候群は、脊髄の中でも尻尾の付け根に当たる部分が傷害されることで起こります(ちなみに、脊髄神経はお尻の方にいくと、一束だった神経が竹箒のように広がります。これが馬の尻尾のように見えるため馬尾神経と呼ばれています)。

 この病気は、「脊椎の中で一番動くところだから」というのが大きな原因とされています。ワンちゃんはうれしい、怖いなど尻尾で感情が分かります。感情の変化があるたびに尻尾を使うので、その繋ぎ目に負荷がかかり、中心部にある神経(馬尾神経)が圧迫されてしまうわけです。他にも、腫瘍や外傷なども原因となります。

 また症状も実にさまざまです。馬尾神経は、後ろ足や尻尾、膀胱、肛門の筋肉などを動かす働きがあります。そのため、この神経が圧迫されると腰痛や後ろ足の麻痺、尿失禁、便失禁などがみられます。

 慢性的なものになると、後ろ足の筋肉が衰えてくるのでフラついたり、すぐに座り込んでしまうという症状も出てきます。

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――「馬尾(ばび)症候群」の治療法について教えてください

 治療法は大きく2つに分けられます。1つ目は保存的な治療法です。痛み止めを服用したり、短期間の運動制限を行ったりします。症状が軽度の痛みであったり、かなりの高齢、飼い主さんが他の治療法を望まない場合などに選択します。

 ただし、この病気は高確率で徐々に進行していくことや、不安定な関節が治るわけでは無いので根本的な解決には全くなっていないことを忘れないようにする必要があります。

 もう1つは手術(外科療法)です。脊椎を削ることで、神経の圧迫をとってあげる方法です。場合によっては不安定な関節をピンなどで固定することもあります。根本的な解決にはなりますが、麻酔が必要なことや進行度・重症度によっては治癒率が下がることなどもあります。どちらの治療法がいいのかは、獣医師さんの意見をよく聞いて、決めてもらうのがいいと思います。

――愛犬にどんな様子が見られた場合、馬尾(ばび)症候群が疑われるでしょうか。動物病院に行ったほうがよい目安などありましたら教えてください

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 このような症状が自宅でも見られる場合は要注意です。

  • 腰や尻尾の付け根を触られるのを嫌がる
  • 尻尾を上げなくなった
  • 突然、「キャン」と鳴く
  • 階段を登りたがらない
  • すぐ座り込んでしまう

 これらの症状が見られても、さまざまな他の病気も考える必要があるので、必ずしも馬尾(ばび)症候群とは言えません。でも多くの場合に痛みを伴っているので、動物病院に行くことをおすすめいたします。

(了)

 かずささんの飼い主さんは「思わぬ方向からペットの病気が判明し、助けられ、インスタを始めて良かった…と思います」と語ってくれました。多くの人の目に触れるSNSに投稿したことで、早期に病気を発見できたかずささん。善意のコメントがきっかけになった今回のエピソードに、SNSの力を感じます。

 飼い主であるMikaさんのInstagram(@shibainu_kazusan)では、かずささんと家族とのほのぼのとした日常を公開中です。これからも末長く、幸せな日々が続きますように……!

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すやすや、気持ちよさそう

画像提供:Mika(@shibainu_kazusan)さん

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