京アニ火災から3年、事件後に京都市消防局が作成した「火災から命を守る避難の指針」を改めて紹介 日頃から命を守る避難計画を
煙で階段が使えない状況で、命を守るためにどう行動すべきか。
京都アニメーションで起きた放火殺人事件から間もなく3年を迎えます。多数の死傷者が出た火災史上に残るこの大惨事を踏まえ、京都市消防局が作成した「火災から命を守る避難の指針」を改めて紹介します。厳しい状況下でも命を守るための避難方法について知り、日頃から行動をイメージして備えましょう。
この指針では、避難行動および対策においての「7つの指針」と「11項目の知恵」で構成されています。加えて、火災状況に応じたレベル1~3の「火災人命危険レベル」を設定。自分の危険レベルを火煙の状況から判断して最適な行動を取ることが重要です。
ちなみに、一般的な避難訓練は階段が使える“レベル1”。レベル2以上は「階段が煙により使えない状況」となっています。京都アニメーションでの火災では、発生早期に煙で階段が使用できない危機的な状況になっていたことが判明しており、万が一に備えてレベル2以上を想定した避難訓練を行うよう呼びかけています。
7つの指針では、火災発見時に大声でみんなに知らせるといった基本的な行動から、煙に覆われて呼吸ができない(あるいは熱気でその場にいられない)場合の避難方法、一時的に煙から逃れる「一時避難スペース」の確保、煙に覆われて自分の居場所を見失ったときにパニックを起こさないための対処法「STOP&GOルール」など、さまざまな避難行動・対策を分かりやすくまとめています。
また各指針で示された計11の知恵は以下の通り。
- 何らかの異状を感じたら即行動を起こす
- とにかく早く避難行動を開始する
- 自分の火災人命危険レベルを判断
- 煙を建物の内部に広げず、有効な避難経路(階段)を確保
- 広がった煙を建物の外部へ逃がす
- 階段で逃げられないことも想定する
- 建物内に一時避難スペースを設け、消防の救助等を待つ
- サバイバル方法の習得
- 人間の行動特性(思考力、判断力の低下)を踏まえた対策
- 避難後は決して戻らないことを前提とした事後体制の構築
- 放火等による出火防止の体制づくり
これらの内容を見やすくまとめたパンフレットが京都市消防局の公式サイト(ページ下部)にて配布されており、おのおのの事業所で火災から命を守る避難計画作成のための「対策チェック表」などもあるので、活用するといいでしょう。
公式YouTubeチャンネルでは、火災発生から避難するまでの一連の流れや、それぞれの場所における行動を解説した動画も公開中です。
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