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猛暑予想に「はじめてですよ、『ふざけんなよ』って声だして言ったの」――アバンギャルドに天気情報を伝える予報士が人気、熱い思いを聞いてみた(2/3 ページ)

気象予報を広く届ける工夫がすてき。

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――テレビとネットで情報発信の仕方はどのように変えていますか

河津さん アバンギャルドな言い回しのほかに、速報性を重視しています。テレビ(のニュース番組や天気予報のコーナー)は放送されるタイミングが決まっていますが、気象情報が発表されるタイミングと必ずしも連動しているわけではありません。例えば、台風の発生や梅雨入り・明けの発表などは注目度も高いため、公式な発表が出たあとできる限り早いタイミングで情報発信することを心がけています。

――これまで最も反響の大きかったツイートはなんでしょうか? またツイートへの反響で印象に残っていることがあれば聞かせてください

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河津さん 「雪予報早わかり」は反響が大きかったです(「関東で雪→山しか降らない」「都内で雪→青梅しか降らない」といったように、雪予報で使われるフレーズを分かりやすく説明したツイート)。

 関東で雪が降りそうになるとテレビやネット記事で「都内で雪」などの見出しがおどりますが、実際のところはどうなりそうかを私のほうで解釈したツイートです。雪が降るといってもどこでどれだけ降るかによって社会的影響は大きく変わりますが、見出しだけがセンセーショナルに拡散されるので、実情を知ってもらいたいなとツイートしたところ、「こういうことだったのか!」との感想をたくさんいただきました。

 名古屋のCBCテレビさんとは会社単位でお付き合いがあるのですが、「ゴゴスマ~GOGO!Smile!~」という番組でフリップにしてもらい、毎年冬になるとこのツイートを紹介していただいているのが印象的です。

――先日、暑さに「ふざけんなよ」とキレるツイートが話題になっていました。この12年ほどで「夏の暑さ」はかなり変わりましたか?

河津さん 2010年代は暑さの記録を次々と塗り替えているので、かなり変わってきている印象です。2007年に暑さで有名な埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で40.9度を観測し、1933年の日本歴代最高気温の記録を74年ぶりに更新しました。ですがその後、2013年に41.0度、2018年に41.1度と、短いスパンで記録を更新しています。

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 ちなみに、2月に「日本歴代最高気温の記録」について、2007年→2013年(6年後)→2018年(5年後)と記録更新スパンが短くなっていることについてツイートしていまして、4年後の今年(2022年)はまた記録を更新してしまうのではないかと思っています。もし記録を更新しそうなデータを見たら、またキレてツイートしてしまうかもしれません(笑)


 「天気予報も書き方によっては大きく拡散される」と考え、面白がれる気象情報を意識しているアバンギャルド河津さん。名前にあるとおり“前衛的”で攻めた言い回しで、時代を意識した気象予報士のあり方を表現しつつ、速報性も意識したツイートで気象情報としての有益さも備えています。SNS時代ならではの発信で、天気を身近に感じ、防災への意識も高まりそうです。

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