ニュース

「僕は本を読むのが遅いんだ」――少しずつしか読書できない上司、その読み方を描いた漫画がステキと話題 作者に思いを聞いた(1/3 ページ)

作者のさざなみさんは「本を閉じている間も本の世界が生活ににじみ出ているように感じられる」と語ります。

advertisement
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 大人になっていくにつれ、本に没入できなくなっていく――多くの人が抱えるそんな悩みに1つの答えを与えてくれるエッセイ漫画「本を読むのが遅い人」が、約12万いいねを集めるほど大きな反響を呼んでいます。作者のさざなみ(@3MshXcteuuT241U)さんに、この漫画を描こうと思った背景や反響への思いを聞きました。

 「僕は本を読むのが遅いんだ」

 就職したばかりのころ、さざなみさんは上司にそう言われたといいます。学生時代からはすっかり変化した生活の中で、何かに抵抗するかのように読書をしていたさざなみさん。しかし、昔より本の世界に没頭できないという悩みを抱えていました。

advertisement

 そんなある日、上司がさざなみさんの読んでいた本を購入したと話しかけてきます。少しずつしか本を読めないため、時間はかかってしまうものの、読み終えたら報告すると話す上司。それから、さざなみさんは上司の感想を待ちます。

 けれども、なかなか報告がないまま時は過ぎ、3カ月が経過。電車内で本を読んでいる上司を見かけますが、進捗は半分ほどで、ちょっと読んですぐ本を閉じてしまいました。ふと頭をよぎる上司の「少しずつしか読めないんだ」という言葉。「私もだんだんあんなふうになるのかな」と不安になったさざなみさんは、「大人の読書」の味気なさを思い、感想を期待するのをやめてしまいます。

 半年後、さざなみさんは、突然上司にランチに誘われました。席に着くと、「ちょうど昨日例の本を読み終えてね」と切り出す上司。それから、怒濤の勢いで感想を語り始めます――。

 実は上司が本を読むのが遅かったのは、少し読み進めるたびに登場人物の気持ちになりきって、悩み、考えていたからでした。それはさざなみさんがこの先できなくなっていくのではないかと不安に感じていた“没入する読み方”そのもの。自分より十数年先を生きる、人生の先輩がそんなふうに本を読んでいる、それはとてもうれしいことだったと、さざなみさんはつづっています。

 Twitterでは、そんな上司の読書法に共感する人が続出。「これからは焦らず読み方を変えてみます」「どんどん積読が増えつつある毎日です。読書が趣味です!と胸を張ることはもう出来ないと思っていたのですが、救われました……」など、さざなみさんのように読書のペースや質が変わった人たちからの安堵の声や、「『自分なりのペースで』という言葉に私も読書していいんだと思えました」といったもともと本を読むのが苦手だった人が勇気をもらえたというような意見が多数寄せられました。

advertisement

 このような漫画を描いた背景や、上司とのその後、漫画への反響などについて、作者のさざなみさんに尋ねました。

 

       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. 猫だと思って保護→2年後…… すっかり“別の生き物”に成長した元ボス猫に「フォルムが本当に可愛い」「抱きしめたい」
  2. 「やはり……」 MVP受賞の大谷翔平、会見中の“仕草”に心配の声も 「真美子さんの視線」「動かしてない」
  3. 大きくなったらかっこいいシェパードになると思っていたら…… 予想を上回るビフォーアフターに大反響!→さらに1年半後の今は? 飼い主に聞いた
  4. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  5. 「大企業の本気を見た」 明治のアイスにSNSで“改善点”指摘→8カ月後まさかの展開に “神対応”の理由を聞いた
  6. 「何言ったんだ」 大谷翔平が妻から受けた“まさかの仕打ち”に「世界中で真美子さんだけ」「可愛すぎて草」
  7. 松田翔太、憧れ続けた“希少な英国製スポーツカー”をついに入手「14歳の僕に見せてあげたい」 過去にはフェラーリやマクラーレンも
  8. 「行きたすぎる」 入場無料の博物館、“宝石展を超えた宝石展”だと40万表示の反響 「寝れなくなっちゃった」【英】
  9. 自動応答だと思って公式LINEに長文を送ったら…… 恥ずかしすぎる内容と公式からの手動返信に爆笑 その後について聞いてみた
  10. ユザワヤが教える“引っ張るだけで簡単に畳めるエコバッグ”の作り方が100万再生 便利でかわいいアイテム完成に「何枚あってもいい」「最高です」