【漫画】「氷川きよし」はなぜマダムの心を捉えるのか? 初めてのコンサートで“人を元気にする人”と“好きという気持ち”のすごさに気づいた話(1/2 ページ)
圧倒的なパワーを感じる。
氷川きよしさんのコンサートに初めて行ってみたら……。そんなエピソードを描いた漫画がTwitterに投稿され、9月25日時点で5500件以上の「いいね」を集めて話題になっています。“生きよし”を前にして気づいた、マダムたちが夢中になる理由とは?
作者は、漫画家・イラストレーターの大塚みちこ(@mt_mitty)さん。5年前に亡くなった大塚さんの祖母は、歌手の氷川きよしさんのファンでした。大塚さんは、祖母にまつわる出来事をきっかけに、初めて氷川さんのコンサートに行くことにします。
コンサートの日、大塚さんが会場に着くと、ちょうど昼公演が終わったところらしくお客さんがわらわらと出てきました。お客さんは主におばあさんが多く、みなハートを射抜かれたような幸せそうな表情です。
帰っていく人が多い中で、夜公演も続けて見るためなのか、館内の階段でおにぎりを食べてくつろいでいる人もいます。大塚みちこさんは、くつろいでいたマダムたちに話しかけてみました。
「昼公演みたんですか?」と声をかけると、「みましたよー」「めちゃくちゃカッコよかったわよー」とうれしそうに答えてくれます。大塚さんが今日初めてコンサートを見ることを伝えると、「な!! なんだって!?」「ちょっと!!! みんな大変ヨー!!!」と大騒ぎに。お菓子を渡してくれながら、「きよしクンはいいわヨー!」と推しの魅力を教えてくれました。
話を聞けば、マダムたち4人はチケットの譲渡などで知り合ったお友達とのこと。ファン歴や、ファンになったきっかけはそれぞれですが、みんな生き生きとした様子で氷川さんの魅力を語ってくれます。
「きよしクンはね、ホントにステキなの。一生懸命演歌を歌ってる時は孫のように思えるし、『(愛しの)テキーロ』の時は恋人のようになってくれるの。どちらも兼ね備えていてホントに最高なの」。その言葉を聞き、大塚みちこさんは「なるほど!! きよしの魅力はそれか!!」と、マダムたちが夢中になる理由に納得したのでした。
夜公演の開場時間になり、大塚さんは2階最奥の席へと向かいます。自席につくと、杖をついたおばあさんが苦労しながら登ってくるのが見えました。大塚さんは、おばあさんが自席につくのを手伝いにいきます。
話を聞くと、おばあさんは以前脳梗塞で倒れたことがあり、高い所に行くと立ちくらみがするのだそうです。しかし、コンサートが楽しみでここにやって来たのだといいます。このおばあさんだけでなく、年齢を重ね、階段の登り降りが難しくなっても行きたいと思う人がこれだけいるのだから、「楽しみ」や「好き」ってすごい!
そしてコンサートが始まり、いよいよ“生きよし”と“生うた”を前にした大塚さん。お客さんとの楽しいトークを挟みながら、後半はテンションの上がる曲のメドレーで盛り上がります。先ほど手伝ってあげたおばあさんも大きく手をたたいて楽しんでいました。
そんな会場の光景を目にして、大塚さんは「人を元気にする人ってすごい。好きってすごい。きっとイヤなこともしんどいこともいっぱいあるんだろうけど、だからこそ、人を元気にできるんだ」と、観客と氷川さんへの思いを噛みしめるのでした。
大塚さんはコンサートを振り返り、「嬉しそうにバーチャンカーにグッズを詰め込むおばあちゃん、声をかけたらお菓子をいっぱいくれたマダムちゃんズ、一緒に階段を下りた手の暖かいマダムちゃん、手すりに並んでゆっくり階段を下りて行く皆さん…とても尊くて健気で可愛いくて何よりとても楽しそうでキラキラしてた。とてもほっこりしたよ」とコメントしています。
漫画を読んだ人からは、「いくつになっても推しがいるっていいよね~。ほんわかする」「好きってパワーはすごい。こんなおばちゃん方になりたいなあ」「おばあちゃんになってもオタクでいたいな!!!」「やっぱり『推しは尊い』」などの声が寄せられていました。
ちなみに、大塚さんが氷川きよしさんのコンサートへ行こうと決めたのは「サイン卵」のエピソードがあったから。氷川さんの神対応ぶりがわかるこちらのお話も、大塚さんは漫画に描きTwitterに公開しています。
この他にも、大塚さんはTwitterアカウント(@mt_mitty)で日常エッセイやオリジナル漫画を日々公開しています。また、コミック『泣きながらがんばるあなたへ』も販売中です。
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