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クラファンも胸熱! 大井川鐵道が修繕するSL「C56形135号機」、一体どんな機関車なの?月刊乗り鉄話題(2022年10月版-2)(2/2 ページ)

公園のシンボルになっていた機関車を「再び走らせる」、そんな胸熱ストーリーをどうぞ。

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大井川鐵道は「他社のSL復活」も事業化へ 新工場建設中

 クラウドファンディングの実施期間は2022年9月20日~11月30日。SLの修繕は2023年1月に着手する予定です。


他社も含めて「SL修繕」を行うための新たな修理工場も建設中

 C56形135号機の修繕完了目標は2025年12月。作業中に新たな不具合などが見つかった場合は延期されるかもしれませんが、2025年度の「走行」に期待です。

 ちなみに、修繕中の様子を見学できる返礼品「【新SL修理工場(東海汽缶)】C56形135号機 大規模修繕の様子を特別開放(5万円コース)」もあります。新SL工場は2022年10月現在、大井川鐵道の新金谷駅付近に建設中です。大井川鐵道のパートナーとしてSLのボイラー整備を長年担当してきた、東海汽缶の新工場だそうです。

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 東海汽缶と大井川鐵道に資本関係はありません。しかし、連携を強化するため、2020年5月1日に大井川鐵道社長の鈴木肇氏が東海汽缶の社長に就任しています。

 全国で観光需要の喚起を見込むSL列車が増加する中で、修理の需要も高まっています。東海汽缶は大井川鐵道に限らず、他社のSLの修理も引き受けます。そのための新工場建設です。C56形135号機は事業の第一弾となります。

 あらためてクラウドファンディングサイトを見てみてください。返礼品の中には「完成記念撮影会」「運転体験」「復活記念号初列車ご招待」など、“完成を前提”にしたものもあります。言わば支援者と約束するわけですから、大井川鐵道も後に引けません。復活しなくちゃいけません。


修繕前のC56形135号機、屋根にかかっていた運転室は比較的きれいな状態だった

 プロジェクトには「ネクストゴール」と呼ばれるシステムもあります。早期に目標額を達成した場合、さらに多い支援額の獲得にチャレンジできる仕組みです。当初の目標は1億円。もし、ネクストゴールで2億円、3億円まで達成できたらすごいことです。鉄道車両の歴史に残ります。鉄道ファンの願いも、鉄道系クラウドファンディングの可能性も広がります。

 一応、このプロジェクト「蒸気機関車に再び命を、昭和の汽笛を次世代へ:大鉄100周年企画」はオールイン方式で、仮に目標額を達成できなかったとしても支援金額の返還はありません。それでも、返礼品の約束は実行されます。ヘルメット推しの私も安心です。そもそも、“完成を前提”にした返礼品もあるのが大井川鐵道の自信と気合いの表れといえます。

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 皆さんも大鉄の黄色いヘルメットを被って、復活したC56形135号機の列車に乗りたくありませんか? 大井川によみがえったSLの新たな汽笛が響く日、とても楽しみです。


SLの修繕は、大井川鐵道にとって若手・次の世代・次の時代へ蒸気機関車の復元技術を継承するという目的もある

【更新】2022年10月8日、井川線は千頭~接岨峡温泉間で運転を再開

 大井川鐵道は2022年9月23日~24日に発生した台風15号で被災し、全線で運休。2022年9月26日から当面の間、大井川本線はバスによる代行輸送を行っています。井川線は全線で運転を見合わせています。

 こちらも1日も早い復旧を願います。走らせる場所を先に救わないと!!

(続く)

 次回はおまけのぷち観光編、大井川鐵道沿線に行ったらぜひ寄って遊びたい観光スポット「KADODE OOIGAWA」の魅力を紹介します。

杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

乗り鉄。書き鉄。1967年東京都生まれ。年齢=鉄道趣味歴。信州大学経済学部卒。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。出版社アスキーにてPC雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年よりフリーライター。IT・ゲーム系ライターを経て、現在は鉄道分野で活動。ITmedia ビジネスオンラインで「週刊鉄道経済」連載。著書に『(ゲームソフト)A列車で行こうシリーズ公式ガイドブック(KADOKAWA)』『ぼくは乗り鉄、おでかけ日和。(幻冬舎)』『列車ダイヤから鉄道を楽しむ方法(河出書房新社)』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」。日本鉄道全路線の完乗率は100%(2022年8月時点)

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