セサミストリートの“音楽の先生”ボブ・マグラスが90歳で逝去　60年代日本で歌手として人気

　12月4日、米子ども教育番組「セサミストリート」のオリジナルキャストとして約50年間以上にわたって出演した米歌手で俳優のボブ・マグラスが90歳で亡くなりました。ボブはセサミストリート出演以前の1960年代、日本で歌手として活躍していたことでも知られています。

　家族によってボブが自宅で安らかに息を引き取ったことがFacebookで告げられると、セサミストリートを制作する米非営利団体セサミワークショップはSNSに穏やかな笑顔を浮かべるボブの写真を投稿し、「50年以上に渡りセサミストリートファミリーに愛されたボブ・マグラスを追悼します」とその死を悼みました。

　続けて同番組への彼の貢献について、「誰にもできないセサミストリートのメロディーを具現化し、ABCや『The People In Your Neighborhood（※ボブが番組でよく歌っていた歌）』、あるいはシンプルに心に音楽を感じる喜びを教え、世界中の何世代もの子どもたちに喜びと驚きを与えた」と述べました。さらに「世界中から尊敬されるボブの豊かなテノールは、ラスヴェガスからサスカチュワン、そして東京までテレビ放送とコンサートホールを何度も満たした」とし、ボブにあらためて感謝を伝えています。

　1969年に同番組のパイロット版に初登場したのちオリジナルキャストとして47シーズンに出演し、セサミストリートに住む優しく穏やかな音楽の先生ボブ・ジョンソンとして子どもたちに歌声を届けてきたボブ。キャリアの前半ではミッチー・ミラー合唱団でテナー歌手として活躍し、1960年代には日本で歌手として「君住む街で / モア」（1965年）「ふたりだけの二人 / 口笛だけが」（1966年）「サンダーボール / 風よつたえて」（1966年）「禁じられた遊び」（1967年）など数々のレコードを発売し人気を博すことに。また、1970年代からカナダのサスカチュワン州にあるCTVテレビジョンネットワーク「テレミラクル」にレギュラー出演しており、セサミワークショップが伝えたように、「世界中から尊敬される」テノール歌手として90年の生涯を送りました。