認知症の飼い主、たった1つの願いは「猫だけは助けてほしい」 善意のリレーで4カ月ぶりに保護され甘える姿に胸が締め付けられる
もうひとりぼっちじゃない。
飼い主さんが施設に入り取り残された猫ちゃんが保護された様子がInstagramに投稿され、「誰も責められない。保護されてよかった」「気づいてもらえてよかった」「皆んなに届いて、いい解決につながってほしい」と話題に。動画は記事執筆時点で55万回再生を突破し、1万9000件以上の“いいね”を獲得しています。
話題となっているのは、メインクーンの「ココ」ちゃんと、ココちゃんを保護した高村 友佳(プロテクトあにまる)(@protect.animal.yuka)さん。「プロテクトあにまる」は、不幸な動物を減らすために、動物問題の啓発と猫の保護活動をしているボランティアグループで、高村さんは動物看護師をしています。
ある日、地域包括支援センターから「プロテクトあにまる」に連絡が入りました。地域包括支援センターとは、高齢者の暮らしを地域でサポートする施設で、全国に5000カ所以上設置されています。用件は、「認知症で施設に入居して来た人が家に残してきた猫を保護してほしい」というもの。高村さんは緊急保護に向かいました。
荒れ果てた家の中には、ひとりぼっちのココちゃんが……! 4カ月以上も、帰らぬ飼い主さんを待ち続けていました。すぐに保護されて高村さんの家にやって来たココちゃんは、怖がってなかなかケージから出ようとしません。その上、心を閉ざしてしまっていて、名前を呼んでも無反応。「大好きだった飼い主さんに見捨てられたのでは?」という心の傷はすぐに癒えるものではありません。
しかし、飼い主さんは決して見捨てたわけではありませんでした。飼い主さんは認知症で判断力は全くないとのことですが、「ココちゃんだけは助けてほしい」と職員さんに言ったのだそうです。その後は行政の判断になり、殺処分の話まで進みそうになっていたとき……なんとか殺処分は免れようと地域包括支援センターの職員さんが業務以外で動き、「プロテクトあにまる」に連絡してくれたのです。
いろいろなことを忘れてしまってもココちゃんのことだけは忘れなかった飼い主さんの気持ちが、地域包括支援センターの職員さん→「プロテクトあにまる」とリレーされ、高村さんの元に……。
そんなみんなの愛情が伝わったのか、ココちゃんは少しずつ感情を出せるようになり、ついには高村さんに甘えてくれるようになりました。腕の中で安心しきっているココちゃんの顔……本当に良かった!
高齢化などさまざまな理由で飼い主さんが飼えない状況になり、殺処分されたり、見つけてもらえずそのまま家の中で餓死したりする猫ちゃんが、全国にはたくさんいて、高村さんいわく“ココちゃんのように助けられたのは運が良かった”とのこと。
動画には、「“保護してくれてありがとう”だけじゃなく、何か自分にできることはないか?」と、“このような悲しいことを繰り返さないためにはどうしたらいいか”を考えたいといった声が寄せられています。
高齢者に限らず「もしものとき」は誰にでも訪れる可能性があること。そのときに、大切な家族である猫ちゃんやワンちゃんの命をどうしたら守れるか……? 元気なうちに準備しておくのも飼い主さんの役目ではないでしょうか。
画像提供:高村 友佳(プロテクトあにまる)(@protect.animal.yuka)さん
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