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ミシェル・ヨー、60歳でノリに乗る! アジア人初のアカデミー主演女優賞ノミネートを喜ぶも「ちょっと悲しい」

ルーシー・リューも「おめでとう!」

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 「ポリス・ストーリー3」(1992年)「グリーン・デスティニー」(2000年)などで知られる中国系マレーシア人俳優のミシェル・ヨーが、3月12日(現地時間)に授賞式が開催される第95回アカデミー賞の主演女優賞にアジア人として初めてノミネートされました。ノミネートされた主演映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」は作品賞、監督賞のほか今年度最多となる10部門で11ノミネートされています。


コインランドリーを経営するエヴリン・ワン
ゴールデン・グローブ賞でも主演女優賞に

 「マルチバース」と「カンフー」が融合した同作で、コインランドリーを経営し多次元宇宙に存在するエヴリン・ワン役を務めたミシェルは、先だって1月10日(現地時間)に開催された第80回ゴールデン・グローブ賞でミュージカル・コメディー部門の主演女優賞を受賞しました。同作からはさらに映画「インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説」(1984年)「グーニーズ」(1985年)で知られる中国系ベトナム人俳優で夫役を務めたキー・ホイ・クァンも助演男優賞を受賞し、アカデミー賞前哨戦とされる同賞で4部門ノミネート、2部門受賞という結果から、アカデミー賞でも大本命との期待が高まっています。


母娘の関係にもフォーカスされていると幅広い年代から評価

 現地時間24日の発表で、キャリア初のオスカー候補となるとともに、アジア人史上初のノミネートという歴史的快挙を成し遂げたミシェル。米Hollywood Reporter誌のインタビューでは、このノミネートについて、「長い時間がかかりました。でもこれは私だけのことじゃない」とコメント。「今この瞬間も絶えずアジア人が私のもとにやってきて、『あなたならできる、私たちのためにやってくれてる』と言ってくれます。それはつまり、『わかる、すごくよくわかるよ』っていう感じ。これまでずっと彼らは認められず、その存在を耳にすることもなかったんです」とハリウッドのアジア人全体で感動を分かち合っていることを明かしています。

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カンフー映画恒例の修行?

 “アジア系”として考えると、インド系の俳優マール・オベロンが1935年に同賞へノミネートされていますが、マールの父親はイギリス人で国籍も米英、本人も出自を明かさないようなメイクや振る舞いをし“アジア系”を自認していなかったことから、やはり映画芸術科学アカデミーとしてもメディアとしても、出自、キャリア、またアイデンティティーの面からもミシェルは完全に“アジア人”であり、これがアジア人として初のノミネートという見解であるようです。


指どうなってるん?

 1984年、サモ・ハン・キンポーに才能を見いだされ映画デビューし香港で活躍していたミシェルは、「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」(1997年)でボンドガールに抜てきされハリウッドデビュー。2007年にはフランスとマレーシア文化の懸け橋となったとしてレジオンドヌール勲章を受勲し、2013年にはマレーシアでの最高勲章「タンスリ」を国王より賜っています。長く輝かしいキャリアを築き2022年には米TIME誌のアイコン・オブ・ザ・イヤーにも選ばれ、年齢を重ねると活躍の場がなくなっていくとミシェルを含む多くの俳優が語るハリウッドで、60歳の今まさに波に乗っているという状況です。


喜びを伝えるミシェル(画像はミシェル・ヨーのInstagramから)

 ミシェルは自身のInstagramで米Hollywood Reporter誌とのインタビュー画像をシェアすると、エヴリン・ワン役は「私の40年のキャリアにおける恩恵」「まさに一生物の役」とコメント。監督のダニエル・シャイナートとダニエル・クワンに謝辞を述べ、「この瞬間を永遠に大切にします」とあふれる喜びを伝えています。

 また、The New York Timesとのインタビューでは、「私はもちろん歓喜してるけど、ちょっと悲しい気もします。だってこれまでたくさんのすばらしいアジア人女優たちがいて、私は彼女たちの肩の上に乗っているんだってことを知っているから」とこれまでに評価されてこなかったアジア人女優たちの無念や、彼女たちのおかげで自身のノミネートがあるということについて語っています。

 これまでハリウッドでは役柄が限定されたり、キャスティング後に差別的な攻撃を受けたりと困難を抱えてきたアジア系の俳優たち。ミシェルも出演した映画「クレイジー・リッチ!(原題:Crazy Rich Asians)」(2018年)では主要キャストはアジア系のみで占められ、興行収入を心配されていたものの、予想外のヒット・高評価を受けることになりました。ミシェルの述べた「私だけのことではない」との言葉通り、今回のノミネートは多くのアジア系俳優がその感動を分かち合っていると想像されます。

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ルーシー・リューも祝福
ジョン・M・チュウ

 映画「チャーリーズ・エンジェル」(2000年)「キル・ビル Vol.1」(2003年)などでアジア系としては異例ともいえるほど主役級の役を次々とを演じ、アジア系としては2番目にハリウッド・ウォーク・オブ・フェームに名前を刻まれたルーシー・リューはInstagramで「大興奮しています。アカデミー賞ノミネートおめでとう!」と同作の快挙をお祝い。「クレイジー・リッチ!」の監督ジョン・M・チュウもやはりTwitterで「来るぞ! ミシェル・ヨー!」と興奮を隠せないようです。 

 「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」は、3月3日から日本全国で公開予定です。

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