【独自取材】マクドナルドのポテトに「人の爪」が混入 運営元「混入経路は特定できなかった」(1/2 ページ)
購入者と日本マクドナルドに取材しました。
横浜市内のマクドナルド店舗で購入された「マックフライポテト」に人の爪とみられるものが混入していたことが、ねとらぼ編集部の取材で明らかになりました。日本マクドナルドは調査の結果、明確な混入経路の特定には至らなかったとしています。
購入者がマックフライポテトを含む商品を注文したのは、2022年12月18日の22時ごろ。デリバリーサービス「Wolt」を利用して、横浜市内の「マクドナルド 井土ヶ谷店」で、マックフライポテトを含む商品を注文しました。
ねとらぼ編集部が日本マクドナルドの広報担当者に取材したところ、該当店舗では当日、マックフライポテトの箱のなかに異物が混入しているという購入者から電話での報告を受け、店長が謝罪。店長がすべての商品を購入者の自宅まで新たに配達し、現物を回収したといいます。
その後、日本マクドナルドは民間の外部検査機関による調査を経て、2023年1月26日に「品質調査報告書」を完成させました。ねとらぼ編集部が入手した品質調査報告書には、人の爪とみられるものは大きさは7ミリほどで、透明感のある淡褐色だったことなどが記されています。
しかし、人の爪が混入経路については、「(アメリカとカナダにある)製造工場入場者には手袋の着用が義務付けられている」「じゃがいも由来で混入していた場合でも、選別 ・除去工程を経て最終製品まで残る可能性は低いと考えられる」「該当店舗では爪が欠けたり、店舗内で爪を切ったりした従業員はいなかった」として、明確な混入経路の特定には至らないまま調査は終了しました。
日本マクドナルドは1月26日にはお客様サービス室から、1月28日には該当店舗の店長から、購入者に調査結果を電話で報告。2月1日に横浜市の「南福祉保健センター」が該当店舗を確認した際にも、該当店舗での異物混入の可能性は低いと判断されたとのこと。また、衛生面の改善などの指摘もなかったとの認識を示しています。
日本マクドナルドの広報担当者は、ねとらぼ編集部の取材に対し、今後の再発防止策について、「店舗では日々使用しているチェックリストがあり、爪の長さや身体の不調がないか、手指に切り傷はあるかなどを確認して、該当するクルーは食品に触れる作業ができません。今後もこのようなチェックリストをベースに、衛生管理・品質管理を徹底したいと思っております」などとコメントしました。
取材を重ねるなかで、日本マクドナルドと購入者の間には認識の相違も浮かびあがってきました。購入者は南福祉保健センターの担当者から、本件について混入経路は不明だったものの、「手袋を着用していない面があったため、指導した」との報告を受けたと主張しています。
日本マクドナルドの広報担当者はこの点に対して、当日手袋の着用の有無について聞かれた際、該当店舗の店長は「手袋を着用することで、手洗いが軽視されたり、直接食材に触れないことから衛生感覚が低下したりする危険性があるため、同社では手袋を着用せず、定期的な手洗いを徹底する方針を取っている」など、日本マクドナルドの方針について説明したとコメント。南福祉保健センターの担当者は相づちを打ち、それ以上の言及はなかったとしています。
広報担当者によると、日本マクドナルドには「手袋をしないのか?」という問い合わせがよく寄せられるものの、同社では上記の方針を取っているとのこと。公式サイトには、「ハンバーガーの調理手順の一つとして、お店では最低1時間に1回以上の手洗いを義務付けています」「カウンターや他の作業から商品を作る作業、ラッピングの作業などに入る時は、必ず決められた方法で手を洗ってから仕事につくように指導しております」などの記述が見られます。
当日のやり取りは口頭だったようで、南福祉保健センターの担当者と店長の間で認識に相違があった可能性もあります。ねとらぼ編集部では南福祉保健センターに確認のために取材を試みましたが、「われわれは機密情報や個人情報を保管している関係で、その内容にはお答えできません」として、回答などは得られませんでした。
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