有名プロデューサー、ジャニーズの性加害問題触れて契約解除されたと主張　所属事務所社長は「社内外の言動等に鑑み、私自身が判断」と声明（1/2 ページ）

　音楽プロデューサーの松尾潔さんが、ジャニーズ事務所の創業者である故ジャニー喜多川氏による性加害問題についてメディアで言及したことを受け、芸能プロダクション「スマイルカンパニー」に契約を解除されたと訴えていた件（関連記事）で、同社が7月5日に声明を発表しました。

　松尾さんは7月1日、15年間在籍したスマイルカンパニーとのマネージメント契約が中途で終了になったと、Twitterで報告。「私がメディアでジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子社長に言及したのが理由です」と、その背景を主張しました。また、「私をスマイルに誘ってくださった山下達郎さんも会社方針に賛成とのこと、残念です」と、ミュージシャンの山下さんを名指しで批判しています。

　スマイルカンパニーは7月5日、公式サイトで代表取締役社長の小杉周水（Shusui）氏の名義による声明を発表。松尾さんと松尾潔事務所との業務委託契約が6月30日をもって、「双方の合意」により終了したとの認識を示しました。

　小杉社長は、松尾さんによる該当投稿が各方面で取り上げられていることに触れ、「今回の契約解除は、松尾氏によるこれまでの社内外での言動等に鑑み、弊社代表である私自身の判断により、松尾氏との協議の上、合意により終了することとなったものです」と説明。双方の代理人弁護士による署名／捺印済みの解約合意書もあるとしつつも、そのほかは守秘義務の関係もあり、差し控えるとしています。

　また、松尾さんの該当投稿については、7月9日の14時からTOKYO FMとJFN（全国38局ネット）で放送される「山下達郎サンデー・ソングブック」内で、山下さん本人より「大切なご報告」があると予告しました。最後に、小杉社長は「この度は、ご心配とご迷惑をおかけして申し訳ございません。今後とも何卒よろしくお願い申し上げます」とコメントしています。

ジャニーズとの関係は根深いと言われる

　スマイルカンパニーとジャニーズの関係は根深いと言われており、元社長の小杉理宇造氏はジャニーズ・エンタテイメントの音楽アドバイザーのほか、後に同社の代表取締役社長を務めていました。また、今回自身の名義で声明を発表した現社長の小杉周水（Shusui）氏は小杉元社長の息子であり、山下さんとその妻の竹内まりやさんと同じく、ジャニーズのアイドルに対して多数の楽曲を提供しています（関連記事）。

　一方で、スマイルカンパニーとの契約が終了した松尾さんは、これまでTwitterやラジオ番組などで、ジャニー氏による性加害問題とその対応について、「まずは記者会見を。企業の不祥事は数あれど、文書と自社動画だけで謝罪を済ませた例はどれくらいあるのか」「多くの識者が指摘するように、再発防止特別チーム会見では委嘱事項や独立性に関する開示がないのが残念でした」など、業界の内部から問題提起を繰り返していました。