ジャニーズの性加害問題への言及が原因か 有名プロデューサーが事務所に契約解除される 元社長は過去に「ジャニーさん大好き」など発言(1/2 ページ)

業界内での「忖度」はいつまで続くのか――。

» 2023年07月04日 12時00分 公開
[上代瑠偉ねとらぼ]

 音楽プロデューサーの松尾潔さんが、ジャニーズ事務所の創業者である故ジャニー喜多川氏による性加害問題についてメディアで言及したため、マネージメント契約を結んでいた芸能プロダクション「スマイルカンパニー」との契約を解除されたと訴え、同社の対応が物議を醸しています。

 松尾さんは7月1日、15年間在籍したスマイルカンパニーとのマネージメント契約が中途で終了になったと、Twitterで報告。「私がメディアでジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子社長に言及したのが理由です」と、その背景を主張しました。また、「私をスマイルに誘ってくださった山下達郎さんも会社方針に賛成とのこと、残念です」と、ミュージシャンの山下さんを名指しで批判しています。

 これまで松尾さんはTwitterやラジオ番組などで、ジャニー氏による性加害問題とその対応について、「まずは記者会見を。企業の不祥事は数あれど、文書と自社動画だけで謝罪を済ませた例はどれくらいあるのか」「多くの識者が指摘するように、再発防止特別チーム会見では委嘱事項や独立性に関する開示がないのが残念でした」など、業界の内部から問題提起を繰り返してきました。

 

元社長「ジャニーさんという人間が大好き」と過去に発言

 スマイルカンパニーは、1978年に山下さんのマネジメントを目的に設立され、現在では山下さんのほか、ミュージシャンでその妻の竹内まりやさん、放送作家の鈴木おさむさん、漫画家・文筆家のヤマザキマリさんらが所属しています。

 スマイルカンパニーとジャニーズ事務所の関係は根深いと言われており、元社長の小杉理宇造氏はジャニーズ・エンタテイメントの音楽アドバイザーのほか、後に同社の代表取締役社長を務めていました。

 小杉元社長は2002年に音楽業界総合情報サイト「Musicman」のインタビュー取材のなかで、ジャニー氏らと自身の付き合いは1970年代ごろからあったと振り返り、同氏への思いをこう語っています。

 「僕はジャニーさん、メリーさんという人間が大好きで、この人たちが僕を必要としている限りはお役にたちたい、ただそれだけです。だから目標はもうふたつしかない。達郎、まりやが続ける限りは手助けしたいということ、ジャニーさんメリーさんに必要とされる間はお手伝いしたい、このふたつなんです」(小杉元社長)

 また、スマイルカンパニーの現社長は小杉元社長の息子である、小杉周水(Shusui)氏です。山下さんおよび竹内さんに加え、小杉現社長もジャニーズのアイドルに対して多数の楽曲を提供しており、小杉元社長の退任後もスマイルカンパニーとジャニーズの関係は継続しているとみられます。

音楽プロデューサー松尾潔 故ジャニー喜多川氏による性加害問題 画像は現社長の小杉周水(Shusui)氏 公式サイトより

ジャニー氏の性加害問題をめぐる「忖度」が明るみに

 ジャニー氏の性加害問題をめぐる「忖度」は少しずつ表沙汰になっています。4月に博報堂が発行する雑誌『広告』で、ジャニーズ事務所による「メディアの独占的なコントロールやハラスメント」に言及した箇所が削除されたと、批評家の矢野利裕さんが訴えたことは記憶に新しいのではないでしょうか。

 この件については『広告』内に一部言及について削除したと明記されているほか、編集長を務める小野直紀さんも「矢野氏の発言の一部が博報堂広報室長の判断により削除されたことは事実です」と認めています。加えて、博報堂広報室は当時、ねとらぼ編集部の取材に対し、詳細は明かさなかったものの、「この件にかぎらず、配慮が必要と判断した原稿に関しては、編集長と相談の上、掲載の可否や適宜修正などを加えています」などとコメントしています(関連記事)。

 今回、スマイルカンパニーとの契約を解除された松尾さんは5月、ジャニー氏による性加害問題をラジオで取り上げた際、「メディア全体のあり方が問われている」と主張。放送後にTwitterで「特別な意見だと自分では思いません。ただ同じ業界から声を上げる人が皆無なのが不思議でならないのです」と、業界内でのジャニーズへの「忖度」について疑問を呈していました。業界内での「忖度」はいつまで続くのか――。

 ねとらぼ編集部では、スマイルカンパニーに松尾さんの契約を解除した背景や、松尾さんの投稿内容の真偽などについて問い合わせましたが、7月4日の12時時点で回答は得られていません。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/25/news174.jpg 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  2. /nl/articles/2404/26/news154.jpg 元「AKB48」メンバー、整形に250万円の近影に驚きの声「整形しすぎてて原型なくなっててびびった」
  3. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  4. /nl/articles/2404/12/news174.jpg 築年数不明の平屋にある、ボロボロ床板をはがしてみたら…… 発覚したヤバい事実に「ビックリ!」「大丈夫でしたか?」心配と驚きの声
  5. /nl/articles/2404/26/news022.jpg ママの足にくっつく生後7カ月の赤ちゃん、甘えてるのかと思いきや…… 計算された行動と「ちいこい後ろ姿がかわいすぎ」て目が離せない
  6. /nl/articles/2404/25/news016.jpg 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  7. /nl/articles/2404/25/news069.jpg “作画軽減ガンダム”をガンプラで作成 → 使用パーツも最小限の再現ぶりに「完全に一致」「部品軽減ガンダム」
  8. /nl/articles/2404/23/news090.jpg 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  9. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  10. /nl/articles/2404/26/news024.jpg 0歳赤ちゃん「(ママ来たっ!)」→喜びが抑えきれなくて…… 尊すぎるダンスが300万再生「心が浄化されていく」「朝から癒やされました」
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」