新世代アクション俳優の山本千尋、ホストクラブ初体験を明かす 初主演ドラマ「埼玉のホスト」インタビュー(1/2 ページ)
山本さんが演じるのは、つぶれかけたホストクラブを立て直す超優秀コンサルタント。
中国武術世界一に輝いた異色の経歴を持つ俳優、山本千尋さんがTBSドラマストリーム「埼玉のホスト」(7月25日放送)で主演を務めます。これまでとは全く異なる役柄への挑戦にかける思いを聞きました。
山本千尋の新領域 キャリアウーマンとしてつぶれかけたホストクラブを立て直す
「埼玉のホスト」は、なにもかも中途半端な埼玉のホストたちと、人間全般を信用しない超優秀コンサルタントの荒牧ゆりかが送るラブストーリー&青春コメディー。ゆりかを演じる山本さんは、世界ジュニア武術選手権大会で2度の優勝経験を持ち、“新世代のアクション俳優”としてNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」トウ役をはじめ、Netflix「今際の国のアリス」シーズン2のリサ役などで注目を浴びました。
――今回、山本さんが演じる荒牧ゆりかは、これまで演じてこられた役柄とは異なり、キャリアウーマンといった印象です。
山本千尋(以下、山本) ありがたいことにアクションありきの役が多かった中で、こうしたキャリアウーマンのキャラクターを演じることは私にとって挑戦的なことでした。これだけ長いせりふを与えていただいたことも初めてでしたし、なんといっても、関西出身の私が埼玉を舞台にした作品の主演を任せてもらえることがうれしかったです。
――ゆりかを演じる上で、具体的にどういったことを意識されましたか?
山本 ゆりかは人間味はありつつも、淡々としていて、合理的な人。話す言葉に説得力がないといけないなと思ったので、経験としてホストクラブに行かせていただいて勉強したり、だらしなく見えない立ち方を意識したり、そういったささいな部分は気に掛けました。
――ホストの仕事について学ぶ中や、作品に関わる中でホストのイメージに変化はありましたか?
山本 私自身もともとホストクラブに詳しくなく、作品の脚本でも最初の方は偏見のある職業として描かれている部分があるのですが、実際にホストクラブを体験して感じたことは、百貨店で接客されてるような心地の良さ。ずっと楽しくて、また行きたくなる気持ちが分かりました。
――埼玉という地域を舞台とした作品の見どころは?
山本 作品のホストたちのモチーフにもなっているんですが、「中途半端」という言葉をキャスト陣は大事にしているんです。埼玉は、東京に近いけれどすごい都会かと言われるとそうではない、そんな葛藤から生まれる絆を伝えられるんじゃないかなと思います。
スタッフも大爆笑の現場 「よく笑いすぎてNGを出していました(笑)」
――共演された「Aぇ! group/関西ジャニーズJr.」の福本大晴さんや楽駆(らいく)さんとの現場でのエピソードがあれば教えてください。
山本 福本くんは、お芝居の経験がほとんどないとおっしゃってたんですが、誰よりも真面目で真っ直ぐにお芝居に向き合う方。そういう彼の姿勢が、「お芝居を作る環境ってそうだよね」とあらためて私たちに教えてくれるような存在でした。
ただ、オフのときはもう関西弁バリバリの男の子で、福本くんがいてくれたおかげで現場が明るくなりました。私は彼が一番この作品のヒロインだと思っています。
楽駆さんは、ちょっと抜けているんですけど、一番大人な方。ゆりかの人生の半分を支えてくれるような存在の大事なキャラクターだったので、楽駆さんの落ち着いた雰囲気がお芝居をしていて安心感を与えてくれました。表情1つをとってもすごく繊細で、私のお芝居を自然と引き出してくださいました。
――キャストは山本さんより年下の方が多くいらっしゃいました。現場はどのような雰囲気でしたか?
山本 よく笑いすぎてNGを出していました(笑)。ゆりかは笑わないキャラクターだったんですが、「エーイチ」のメイク担当兼ボーイ役を演じた芸人の守谷日和さんが台本の内容をさらに膨らませて面白くしてくださったり、オーナーを演じた木村了さんも笑わせにきたりして、それを我慢するのが大変でした。
あと、監督やプロデューサーたちも大笑いしていて、うれしいんだけど、それにつられて笑ってしまうこともありました。でも、これだけスタッフさんが笑ってくれるというのは、正解だと言ってもらえているような気がして、すごく幸せな空間でした。
――コメディー作品ということもあり、現場も楽しげですね。コメディーの難しさなどは感じませんでしたか?
山本 コメディーは、アクションと同じくらい難しいなと感じました。でも、そこに関しては男性キャスト陣が素晴らしい才能を持っていらっしゃったので、引っ張っていただきました。撮影前に2日間のリハーサルもあり、その2日間だけですでに1カ月くらい一緒にいたような関係性になれたので、理想的な環境で作品を撮れたと思っています。
――またコメディー作品に出演したいですか?
山本 出たいです! 今回、特にみんなで作っていくって思いが強い作品でもあったので、まだ放送はされてないですが、個人的にしっかりシーズン2か映画化を狙っています(笑)。
連続ドラマ主演は初 一番の課題だったこととは
――今回が初の連続ドラマ主演ですね。
山本 今回「周りの子たちはちゃんと楽しく現場にいられているか」ということを考える帰り道が多かったです。
同じような課題と目標を見据えている方が自然と集まった作品で、それだけ熱意のある方々と一緒にできたことに感謝しています。
――ゆりかは、男だけでなく人間全般を信用しない女。山本さん自身は、人を信用しない人についてどう思いますか?
山本 今の社会派きっと人を信用するのが難しい部分もあるのだろうなとは思います。この作品は、数字にだったりにとらわれる社会を打ち壊すような青春ドラマにもなっているんです。私自身、「楽しいだけが全てではないけど、楽しいことが一番」と思わせてくれるような、突破口のような作品に参加できたと感じています。
――キャストの方々との信用はどのように作り上げていきましたか?
山本 こちらが信用しないと絶対に信用してもらえないと思って接していました。ただ、年下の子と接することが私の一番の課題でした。あとは、女性1人の現場で気を遣わせてしまうことは避けたかったので、これでもかというくらい体育会系で率先してボケていました(笑)。
そのおかげか「気を遣わずにいられるからよかった」と言ってもらえて、山本千尋の性格としても一つ成長できた部分でした。
――後半に向けては、少しキュンとするシーンも予想されます。意識したことや難しかったことがあれば教えてください。
山本 慣れていないことでしたので、すごく難しかったですね。でも、福本くんや楽駆くんも同じ目線になって、「視聴者の方がどうしたらキュンとしてくれるだろう」という意見交換をしてくれたので、大変助かりました。そうやって自分の意見を言い合えるのが、アクションの手合わせをしているような感覚で、楽しかったです。
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