アイルランドの歌手シンニード・オコナーが56歳で死去　22年に息子を亡くしSNSには2ショットも（1/2 ページ）

　アイルランド出身の歌手シンニード・オコナーさんが亡くなりました。56歳でした。現地メディアが7月26日（現地時間）に報じたもので、死因については現在のところ明かされていません。

　「アイリッシュ・タイムズ」は26日、亡くなったシンニードの家族の声明を発表。「深い悲しみとともに、愛するシンニードが亡くなったことをお知らせします。彼女の家族と友人は深く傷ついており、プライバシーの配慮を願います」と伝えています。

　同メディアでは、アイルランドのマイケル・D・ヒギンズ大統領のコメントも掲載。「シンニードの訃報を聞いて最初に思い浮かんだのは、彼女の声の並外れた美しさ」「シンニードを知る全ての者にとって、その真実がどれほど不快なものだったとしても、彼女が世間の重要な問題に対して彼女の恐れを知らずに立ち向かったことには、驚かずにはいられなかったでしょう」などと語り、生前のシンニードの功績をたたえたといいます。

　政治的な見解も活発に主張していたシンニードは1992年、アメリカのテレビ番組「サタデー・ナイト・ライブ」に出演した際、ローマ法王ヨハネ・パウロ2世の写真を破り捨てて注目を集めたことも。これはカトリック教会の児童性虐待に抗議するアクションで、2021年のインタビューでシンニードは「全く後悔していない。素晴らしかった」と当時の行いについて語っていました。

　シンニードは生前、10枚のスタジオ・アルバムを発売し、1990年に発表したプリンスのカバー楽曲「Nothing Compares 2 U（原題）」は当時世界中で大ヒットを記録。イギリスの映画監督ジョン・メイベリーが担当した楽曲のミュージックビデオも有名で、シンニードのYouTubeチャンネル上では本稿執筆時点で4億回再生を突破しています。

　私生活では4度の結婚歴があり、4人の子どもをもうけましたが、2022年1月に息子のシェーンが自死。2023年7月17日にシンニードが更新したX（Twitter）では、「あなたの人生をemoji（絵文字）で教えて」というトレンドに参加し、シェーンとの2ショットとともに「亡くなって以来、ゾンビのように生きている。彼は人生の愛そのもので、魂を照らしてくれた。無条件に愛してくれた。私は生と死の間でさまよっている」と号泣する絵文字で胸中を明かしていました。

　過去には双極性障害と診断されるなど、長年メンタルヘルスの不調も訴えており、2012年には双極性障害の症状が重くなったことから、北米ツアーをキャンセルしたこともありました。