エミー賞受賞俳優、ハリウッドのストライキで「家を売らなくてはいけない」と経済的困窮告白 ディズニーCEOに「クソッたれ」
世間の誤解もあるよう。
米俳優ビリー・ポーターが、現在ハリウッドで行われているストライキの影響で「家を売らなくてはいけない」と現状を語りました。ハリウッドでは全米脚本家組合(WGA)が5月2日から、全米映画俳優組合と全米テレビ・ラジオ芸術家連盟(SAG-AFTRA)が7月14日からストライキを続けています。
英ロンドンの日刊フリーペーパー「Evening Standard」のインタビューに答えたビリーは、今行われている俳優のストライキについて「億万長者がさらに大金を儲けようとしている」と書かれているのを目にし、それは世間の誤解であることを説明。ストライキによって自身は「家を売らなくてはいけない」と自宅を売却するほど経済的に困窮していることを告白しました。
ビリーの告白にインタビュアーが驚き本当かと尋ねると「そうだよ! だってストライキ中だからね。いつ(仕事に)戻れるかわからないんだ。アーティストの生活は、まだ僕は稼いでないけど、大金を稼ぐまでは小切手と小切手のやり取りなんだよ。僕は新しい映画出演と、9月からスタートするテレビ番組への出演も決まってた。どっちもまだ実現してない」と華やかな芸能界の仕事は不安定でもあり、この先の仕事もどうなるかわからないと明かしました。
そして7月に米Deadline紙へ匿名でハリウッドの重役が答えたインタビュー内で、ストライキについて語った言葉「最終手段は、組合員がアパートや家を失うまで長引かせることだ」を持ち出し、その発言をした人物へ向け「あなたはすでに僕を飢えさせているよ」と述べました。
ストライキ中であるため、ビリーはインタビューで仕事については話せないとしましたが、ストライキについて話すことはできるため、その内実について詳しく説明を続けました。「50年代後半から60年代前半にかけて、アーティストが再放送などに伴い適切な報酬を得られる仕組みができた」「そしてストリーミングがやってきた」と配信が中心となれば視聴率はもう意味をなさず、従来の規定ではきちんとした報酬が得られないと主張。「ストリーミング会社は視聴率が不透明なことで悪名高い。ビジネスは進化している。だから契約も進化しなくては」と語っています。
さらにディズニーCEOのボブ・アイガーを名指しで批判。「ボブ・アイガーが、生活費を求める私たちの要求は非現実的と言ったそうですね? 彼は1日に7万8000ドル(約1130万円)も稼いでいるのに?」と怒りをあらわにするビリー。「言葉がないけれど、“クソったれ”とでも言いましょうか。でもそんなこと言っても意味がない。だから黙っている。静かにしているのは、激怒しているから」と強い怒りを言い表しています。
脚本家によるストライキに続き、俳優もストライキを決行したハリウッド。7月14日0時01分をまわるとプロモーション中だった俳優らは監督やスタッフを残して帰宅。映画「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」のジャパンプレミアで来日予定だったトム・クルーズら出演俳優の来日もキャンセルになり、マーゴット・ロビーら映画「「バービー」の出演俳優も同様に来日中止となりました。
ミュージカル「キンキーブーツ」で2013年トニー賞ミュージカル部門主演男優賞受賞、2014年にはグラミー賞最優秀ミュージカル・ショー・アルバム賞、テレビシリーズ「POSE/ポーズ」では2019年プライムタイム・エミー賞ドラマシリーズ主演男優賞を受賞と、実力派俳優であるビリーが経済的困窮を語ったことは、ストライキの現状と影響が世間にもリアルに感じられる衝撃的な告白となりました。
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