「ラピュタ」「火垂るの墓」や細田守作品を手掛けた美術家・山本二三さん、70歳で死去 亡くなる数日前まで作品制作(1/2 ページ)
ご冥福をお祈りします。
アニメーション美術監督で画家の山本二三(やまもと にぞう)さんが、8月19日に胃がんのため70歳で亡くなっていたことが21日に発表されました。訃報はX(Twitter)と公式サイトを通じて発表され、ネットでは悲しみの声が広がっています。
山本さんの美術スタジオ「絵映舎」のX(Twitter)アカウントは21日、「寂しいお知らせとなりますが、2023年8/19に山本二三はこの世を去りました」「眠る中、穏やかな表情で逝きました」と投稿。「生前お世話になった皆様、応援してくださったファンの皆様、ありがとうございました」と、関係者への感謝をつづりました。
同時に掲載された訃報文によると、山本さんは故郷・長崎県五島市にまつわる民話の漫画を亡くなる数日前まで描き続けており、完成まであと1ページを残し約120ページの下書きを描き上げたとのことです。
山本さんは宮崎駿監督(「崎」はたつさき)のテレビアニメ「未来少年コナン」(1978年)で初めて美術監督を務め、同監督のアニメ映画「ルパン三世 カリオストロの城」(1979年)でも背景を担当。1985年以降は「天空の城ラピュタ」「火垂るの墓」「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」など、数多くのスタジオジブリ作品の背景美術を手掛けています。
また、2006年には細田守監督のアニメ映画「時をかける少女」で第12回AMD Award'06大賞/総務大臣賞を受賞。山本さんが描いた迫力のある“夏の雲”は「二三雲」と呼ばれ、同作の夏のイメージを印象付けました。
「山本二三の魂はラピュタの空に、火垂るの墓の防空壕に、もののけ姫の森に、時をかける少女の街並みに、五島百景の海に宿り続けることでしょう」との追悼文に、ネットでは「沢山の素晴らしい景色を見せて頂き本当にありがとうございました」「素晴らしい作品の数々は決して忘れません」「空を見上げると雄大でどこかせつなさも感じる二三雲を毎年思い出します」と山本さんを悼む声が寄せられています。
なお、告別式は8月27日に埼玉県飯能市で行われる予定とのことです。
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