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「映画プリキュアオールスターズF」公開 「手をつなぐ」「思いをつなぐ」「世代をつなぐ」20周年のプリキュアが問いかける「プリキュアって何?」サラリーマン、プリキュアを語る(3/3 ページ)

「プリキュアとは何か?」をぜひ劇場で確かめてください。

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「F」ってなんだったの?

 ところで、本映画のタイトル「オールスターズF」の「F」って何だったのでしょうか?

 映画の中でも「F」の意味は明確に定義されません。製作者側も「各々が思う『F』で良い」と語っています。

 参考までに本映画で個人的に感じた「F」の要素を挙げておきます。

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「Forever(永遠)」「Friend(友達)」「Future(未来)」「Feary(妖精)」「Fight(戦い)」「First(最初)」「Fake(偽物)」「Final(最後)」「Fist(拳)」「Family(家族)」「Fun(楽しさ)」「Fortune(運命)」「Fate(宿命)」「Freedom(自由)」「Force(力)」「Faith(信頼)」「Fantasy(幻想)」「Festival(お祭り)」「Fukkatsu(復活)」……。もしかしたら「Futari(ふたり)」や「Fan(ファン)」もあるかもしれません。

 1つに決める意味もありませんし、むしろたくさんの「F」が重なっている方がプリキュアっぽい感じもありますよね。それで良いのではないでしょうか。

一つだけ気になった点

 この映画、プリキュアオールスターズの映画として本当によくできているのですが、個人的には一つだけ気になる点がありました。

 3年ぶりに復活した「ミラクルライト」の扱いです。映画冒頭の「ミラクルライトの使い方の劇」が今作では省略され、子どもたちはミラクルライトの使い方をレクチャーされないまま映画を見ることになるのです。

 3年ぶりということで初めてミラクルライトをもらう子どもも多い中「目に近づけてはいけない」などの説明がないのはやや不親切な気もしました。

 また物語の中でも「ここでライトを振って」のような案内もないため、ライトを振って良いのか戸惑っている子どもも多く見掛けました。

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ミラクルライトは中学生以下の子どもたちに配布されます

 もちろん、そんなことは製作者側も当然分かっているはずなので、ライト説明の省略は意図的なものだと思われます。73分の間に描かないといけない内容があまりにも多すぎることや、制作中は新型コロナの政府方針がどう転ぶか分からず、再度ミラクルライトを使用できない場合も想定していた、などの事情もあるのでしょう。

 ただ、製作者側は常に「プリキュア映画は、映画だけではなく“体験”である」と語っているように、子どもたちがめいっぱいライトを振る体験ができるような「分かりやすい導線」があれば、さらに良かったのじゃないかと個人的には思います。

 また、子どもが大好きな「変身シーン」がキュアスカイのみだったのも、少し寂しかった点です。子どもにとっては「大好きなキャラの変身シーンを大スクリーンで見る」という体験はかけがえのないものだと思うので、せめて最新作「ひろがるスカイ!プリキュア」たちの変身シーンはあってもよかったのかな、とも思います(これも時間の関係で難しかったのでしょうね。それくらい密度の濃い映画なのです)。

全てのおとなたちへ

 僕は、この映画から「ひとりじゃなくて、ふたり」を感じました。

 プリキュア20年の間で描かれた膨大で多種多様な関係性を煮詰めて、初代プリキュアの象徴でもある「ふたり」という要素を抽出し、そこに焦点を当てている様に感じたのです。

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 「ひとりじゃなくて、ふたり」「ふたりは、みんなに」

 この映画は子どもたちと、かつて子どもだった人たちに向けて作られています。

 子どものころ、お父さんお母さんと手をつないで映画館に行き、ミラクルライトを光らせていた子どもたちは、20年を経た今はひとりの大人になっています。

 社会に出れば、かつてプリキュアたちの言っていた「キレイ事」だけではどうにもならない瞬間もあるでしょう。でも、大人になった今「映画プリキュアオールスターズF」の中でキラキラの衣装を身にまとい、必死に、懸命に戦い、どれだけ倒れても決して諦めない彼女たちの姿を見て、再び何かを感じるのではないかと思うのです。

 あなたが子どものころ大好きだったプリキュア。その大好きの思いは今も新しい子どもたちにずっとつながれ、プリキュアたちは子どもたちのため、自分のため、みんなのため、そしてあなたのために今も戦い続けています。

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 子どものころ、あなたが光らせたミラクルライトの光。その光は今の子どもたちにちゃんとつながれ、劇場を照らしています。プリキュアの世代はつながれているのです

 そして劇場を照らすたくさんのミラクルライトの光は「あなたはひとりじゃない」ことを意味しています。

 世代はつながれ、「ひとり」ではなく「ふたり」に。「ふたり」から「みんな」に。その輪は広がり続け、プリキュアたちは戦い続け、私たちに勇気を与えてくれています。

 ミラクルライトの小さな光の集合は「ひとりでできないことは、ふたりで。ふたりでできなければ、みんなでやればいいんだよ」と語りかけているように感じるのです。

 それこそが「プリキュアの強さ」なのじゃないかな、って個人的には思います。

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劇場で買える「大人向けのミラクルライト」もあります(完売しています)

 大人は「ミラクルライト」をもらえません(中学生以下です)。

 市販の「大人向けミラクルライト」は大好評過ぎて売り切れです。

 しかし、あなたに「心のミラクルライト」がある限り、何より「プリキュアの記憶」があり続ける限り、あなたは何度だって復活することができるのです。この映画のプリキュアたちのように、何度でも何度でも、何度でも立ち上がることができるのです。

 だからどうか、大人になっても「プリキュアの記憶」を忘れないでほしいのです。

 それはきっと、世界を救うことができるし、何より自分自身を救うことができるのです。

「プリキュアとは何か?」を語りたくなる映画

 「ありがとう&あいしてる」「ありがとうがいっぱい」

 この映画を創ってくれた全ての関係者に感謝の気持ちでいっぱいです。

 「映画プリキュアオールスターズF」。

 「これぞプリキュア」という要素がわずか73分の間にぎゅうぎゅうに詰まった最高の映画でした。

 あなたが憧れた、可愛くてカッコ良いプリキュアの活躍をぜひ大スクリーンで見てほしいのです。

 映画を見た後は「プリキュアとは何か?」を絶対に誰かと語りたくなります。

 お覚悟はよろしくて?

(C)2023 映画プリキュアオールスターズF製作委員会

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