TikTokで“無音化”　紅白出場アーティストも……　レコード会社は声明発表（1/2 ページ）

　ユニバーサルミュージックグループとTikTokの契約更新が決裂したことを受け、日本法人・ユニバーサルミュージックジャパンが2月2日に声明を発表。一連の流れに伴い、人気アーティストの公式アカウントで「著作権の制約のため楽曲が削除されました」などと表示される事態となっています。

　ユニバーサルミュージックジャパンの公式Webサイトには本国発表の日本語訳を掲載し「契約更新の交渉過程を通じて、UMGは以下3つの重要な課題『アーティストとソングライターへの適切な報酬』『AIの有害な影響からの人間のアーティストを守ること』『TikTokユーザーのオンライン上の安全性』に対処するようTikTokに提案してまいりましたが、TikTokはこれに無関心、或いは威圧的な態度で応じました。UMGはこうしたTikTokの姿勢が引き起こす問題を、これ以上看過するわけにはいかないと考えています」と立場を表明。

　「契約が合意に至らなかったことに伴い、ファンの皆様にはTikTok上でUMGの管理楽曲を利用した動画の作成や視聴に影響が出る形となり、ご迷惑・ご不便をおかけしておりますことをお詫び申し上げます」と発表しました。

　TikTok側は公式Webサイトで「ユニバーサルミュージックグループが、アーティストやソングライターの利益よりも自分たちの欲を優先したことは悲しく残念」「TikTokは、他のあらゆるレーベルやパブリッシャーと『アーティスト優先』の契約を結ぶことができた」とユニバーサルミュージック側を非難しています。

　契約が1月31日までとなっていたことから、“音源がTikTokから消えた”などといったつぶやきがSNSに投稿される事態に。アーティスト本人の公式動画も例外ではなく、Adoさんや藤井風さんといった人気アーティストのアカウントでも“無音化”した動画が確認できます。

　記事執筆時点（2月5日）では、動画に「著作権の制約のため楽曲が削除されました」「この楽曲はご利用になれません」といった但し書きが添えられている状況。ただし、埋め込みでサイトに表示されている動画は音が出る場合も確認され、閲覧環境によって異なるもようです。