「SpotifyはAppleに何も支払っていません」 Apple、EU競争法違反の決定受け名指しで非難(1/3 ページ)
欧州委員会の決定には上訴するとしています。
「SpotifyはAppleに何も支払っていません」――Appleは、欧州連合(EU)の欧州委員会からEU競争法に違反するとして制裁金を科された件について、異議を唱える声明を発表しました。その中には、競争法違反を申し立てた音楽ストリーミングサービス「Spotify」への批判も見られます。
欧州委員会は現地時間4日、Appleが音楽ストリーミングサービスで、競合がApp Store以外での支払い方法をユーザーに通知するのを妨害したとして、18億4000万ユーロ(約3000億円)の制裁金を科すと発表しました。同委員会は2019年のSpotifyによる申し立てを受けて調査を行っていました。
Appleは同委員会の決定に対し「委員会が消費者被害の信頼できる証拠を明らかにできないにもかかわらず下されたもので、活況を呈し、競争が激しく、急速に成長している市場の現実を無視しています」と異議を唱えています。
「Appleに何も支払っていません」繰り返す
Appleは、この決定で最大の利益を享受するのはSpotifyとし、同社の成功の大部分はApp Storeによるにもかかわらず「対価として、Appleに何も支払っていません」と主張。SpotifyはApp Store内ではなく自社のWebサイトでサブスクを販売しているため、Appleに何も払っていないと繰り返しています。
その上で、Spotifyは「自社にとってさらに有利になるように、App Storeのルールを書き換えたいとも考えています」とAppleは主張。アプリからWebページにユーザーをリンクするオプションを提供してきたものの、Spotifyはそれを使用せず「自社アプリにサブスクリプション価格を組み込むことによって、自社に都合がいいようにルールを曲げる」ことを望んでいると同社は述べています。
「彼ら(Spotify)は、Appleのツールやテクノロジーを使い、App Storeでアプリを配信し、私たちがユーザーと築いてきた信頼関係のメリットを得て、Appleにはその対価を何も支払わないことを望んでいます。つまり、Spotifyはさらに多くを要求しているのです」(Apple)
Appleは、競争阻害行為の証拠がないとして、欧州委員会の決定を支持しないと述べ、上訴する方針を示しています。
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