日本とも縁深いハリウッド俳優、マンモ陰性直後に進行早い乳がんの診断→両側乳房切除術へ 命救った“リスク算出”公表し「誰かの助けになれば」(1/2 ページ)
一般の人も主治医へ頼むよう呼びかけ。
映画「アイアンマン2」(2010年)「X-MEN:アポカリプス」(2016年)や、ドラマ「ニュースルーム」への出演で知られる米俳優オリヴィア・マンが3月13日、進行性の早い乳がんが見つかり両方の乳房切除術を受けたことを公表。乳がんが見つかる少し前に受けた通常のマンモグラフィーやBRCA遺伝子検査では陰性だったと述べ、命を救ったのは主治医による“乳がんリスク評価”だったと明かしています。
幼少期を東京で過ごしたこともあり、日本とも縁深いオリヴィア
オリヴィアは治療に挑む自身の写真数枚とともに、長文のテキスト画像を投稿。「私は乳がんの診断を受けました。これを分かち合うことが他の方それぞれの旅路で、慰めやインスピレーション、支えを見つける助けになればと願います」と投稿の意図を示しました。
オリヴィアはまず2023年2月、乳がん遺伝子を調べることで有名だとするBRCA遺伝子検査をはじめ、90種類のがん遺伝子を調べる検査を受け、全て陰性だったとしています。また彼女の姉妹も検査を受け結果は陰性。同時期に通常のマンモグラフィーも受け、やはりこちらでも陰性の結果が出たにもかかわらず、オリヴィアが乳がんと診断されたのは2カ月後のことだったといいます。
彼女はこの10カ月で4回の手術を受け、多くの時間をベッドの上で過ごしながら、がんやがん治療やホルモンについて想像したこともないほど多くを学んだといいます。「驚いたことに、私が泣いたのは2回だけ。泣いてる時間はないと感じていたのだろう。私は治療に集中し、明晰(めいせき)さの妨げになるような感情は封じ込めていた」と振り返りました。
乳がんリスク37% 名医の診断で早期発見
オリヴィアは、自身の命が助かったのは多くのセレブが信頼を寄せる産婦人科医タイス・アリアバディによる“乳がんリスク評価”のおかげだったと明かします。アリアバディ医師は、現在43歳というオリヴィアの年齢や、家族の乳がん既往歴、30歳を過ぎてから第一子を出産したこと(オリヴィアは41歳で第一子出産)などのリスク要因から割り出し、その結果彼女が生涯で乳がんになるリスクは37%と評価。結果を受けてオリヴィアは超音波検査と生検を受け、生検で両乳房に侵攻性が高く進行の早い乳がん「ルミナルB」が見つかったそうです。
生検から30日後、約10時間かけて両側乳房切除術を受けたオリヴィア。「私は幸運だった。いろいろな選択肢を検討できるだけの十分な時間があった」と自覚症状のない早い段階で発見できたことで選択の自由を得たとし、「いつかこの病気と向き合わなければならない全ても女性へ同じことを望む」とつづりました。そしてアリアバディ医師によると“乳がんリスク評価”が20%を超えた女性は、30歳から毎年マンモグラフィーと乳腺MRI検査が必要だとの情報も共有しています。
家族や友人、医療関係者らに何度も感謝の言葉を述べコメントを結んだオリヴィアに、ハイディ・クルムやリース・ウィザースプーンら多数のセレブの他、がんの闘病中の家族を持つという人や乳がんサバイバーである人を含め多くの一般のファンも自身の体験を分かち合ったオリヴィアの勇気と寛大さたたえ、感謝を示しました。
今回オリヴィアが紹介し、一般の女性たちも主治医に頼んで算出してもらうよう勧めた「乳がんリスク評価ツール」は米国国立がん研究所の公式サイトからアクセス可能。同研究所は、オリヴィアの投稿後このツールへのアクセスが劇的に増えたと述べています。
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