ニュース

美しい装丁と手軽なボリューム 角川文庫から“100分で読める”名作、「読みやすさ追求」の新シリーズはなぜ生まれたか(1/4 ページ)

角川文庫編集部に誕生の経緯やこだわりを聞きました。

advertisement

 美しい装丁に大きめの活字、手軽なボリューム――角川文庫から新たに誕生した「100分で楽しむ名作小説」シリーズが注目を集めています。


「100分で楽しむ名作小説」シリーズ

 同シリーズは3月に創刊され、第1期として10作品が刊行されました。ラインアップは芥川龍之介『蜘蛛の糸』、江戸川乱歩『人間椅子』、恒川光太郎『夜市』など(各660円)。ページ数は128ページから208ページで、中編や短編数作を収録しています。

 読みやすさに注力したシリーズで、文字を従来より大きくし、行間をゆったり取った本文組。SNSでは装丁の美しさや読みやすさを評価する声が見られます。

advertisement
先日には作家の秋永真琴さんが投稿し話題に

 「常に時間の余裕を求めている現代人に、手軽に名作に親しむひとときを楽しんでほしい」「小説を1冊読み切りたい、文庫を初めて手に取る層へのファーストブックとしてもおすすめ」と、1冊読み終わる満足感も重視したシリーズ。誕生の経緯やこだわりや角川文庫編集部に聞きました。

「読みやすさ追求」が出発点

 「100分で楽しむ名作小説」誕生のきっかけとなったのは、角川文庫75周年を機に社内で高まった「これまでの文庫に対する固定観念で見直すべき点はないか」という議論。その中で、本文の読みやすさが議題のひとつに挙がったことから、サブシリーズで読みやすさを追求することが提案されました。

 「文字が大きい」だけでは必ずしも購買意欲に直結しないのではないかと考えて、「『読書からさまざまな理由で離れてしまったみなさんにあらためて1冊、小説に没頭して読み終える満足感』を得ていただければと思い、ページ数を絞って企画しました」と角川文庫編集部は説明しています。

 「100分」という数字を打ち出したのは、「タイパ」が重視される昨今、時間を明確に区切ると手を伸ばしやすくなるのではという思いがあったといいます。

 平均的な読書のスピードは一般的に1分間で400~800文字程度と言われていること、また近年100分授業に移行する大学が増えていることから「100分」という時間なら集中力を保ちやすいのではないかと考えたとのこと。

advertisement

 ただ「小説を読むスピードはそれぞれ」と同シリーズの帯にあるとおり、「味わいながらじっくり読むのも、物語の先が気になって急ぐのも読者のみなさん次第で、100分はあくまで目安と思っています」(角川文庫編集部)


「小説を読むスピードはそれぞれ」
       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

記事ランキング

  1. ドクダミを手で抜かず、ハサミで切ると…… 目からウロコの検証結果が435万再生「凄い事が起こった」「逆効果だったとは」
  2. 「明らかに……」 大谷翔平の妻・真美子さんの“手腕”を米メディアが称賛 「大谷は野球に専念すべき」
  3. 妻が“13歳下&身長137センチ”で「警察から職質」 年齢差&身長差がすごい夫婦、苦悩を明かす
  4. 人生初の彼女は58歳で「両親より年上」 “33歳差カップル”が強烈なインパクトで話題 “古風を極めた”新居も公開
  5. 互いの「素顔を知ったのは交際1ケ月後」 “聖飢魔IIの熱狂的ファン夫婦”の妻の悩み→「総額396万円分の……」
  6. 夫「250円のシャインマスカット買った!」 → 妻が気づいた“まさかの真実”に顔面蒼白 「あるあるすぎる」「マジ分かる」
  7. ユニクロが教える“これからの季節に持っておきたい”1枚に「これ、3枚色違いで買いました!」「今年も色違い買い足します!」と反響
  8. 「ごめん母さん。塩20キロ届く」LINEで謝罪 → お母さんからの返信が「最高」「まじで好きw」と話題に
  9. 高2のとき、留学先のクラスで出会った2人が結婚し…… 米国人夫から日本人妻への「最高すぎる」サプライズが70万再生 「いいね100回くらい押したい」
  10. 160万円のレンズ購入→一瞬で元取れた! グラビアアイドル兼カメラマンの芸術的な写真に反響「高いレンズってすごいんだな……」「いい買い物」