第二次世界大戦中に兵士が作ったガンライターを徹底修復…… “新しい命”を感じさせる光沢に「平和のすばらしさを思い出させる」【海外】(1/3 ページ)
実際の銃弾を材料にして作られたライター。
第二次世界大戦中に銃弾から作られたガンライター(銃型ライター)を修復する動画がYouTubeに投稿されました。記事執筆時点で70万回以上再生されています。
ガスバーナーで加熱して分解
動画を投稿したのは、多種多様な物品を修復する様子を伝えている海外のYouTubeチャンネル「Awesome Restorations」。拳銃の形を模したガンライターは、第二次世界大戦中に兵士が実際の50口径弾で作った戦争遺物であり、金属探知により土中から発見されたといいます。
まずは、真ちゅう製のグリップ部分や銅製の薬きょうにこびりついたサビや緑青をブラシでざっくり落として構造や損傷部分を把握。
サビを落として現れた薬きょうの刻印から、使用されている2つの銃弾は米ミズーリ州セントルイスの兵器工場で1942年と1943年に製造されたものと判明しました。第二次世界大戦では主にブローニングM2重機関銃で使用されたそうです。
ガンライターを構成するパーツははんだ付けされていたので、ガスバーナーで加熱してはんだを溶かして分解していきます。実弾とはいえ内部の火薬は抜き取られているはず。そう思ってはいても、バーナーによる加熱は緊張なしには見られません。
磨くとピカピカに
分解したパーツはさらにブラシをかけたあと、微細な金属粒を高圧で吹き付けるサンドブラストを施します。これによって金属らしい光沢が戻ってきました。
さらにキレイにするためヤスリやサンドペーパーをかけ、研磨機で磨くとピカピカに。小さなパーツは研磨用の粒と一緒に小瓶に入れ、ハンドドリルを使って低速でしばらく回転させておくと光沢を取り戻します。
破損していたパーツは修理し、全てのパーツをキレイに整えたらはんだ付けで組み立てなおします。ライターとしての機能に必要なパーツは新たに据え付け、火が点く芯にかぶせるフタは別途、狩猟弾から作り出しました。これで修復完了です。
なお、グリップ部分にはこのガンライターの製作者の名前と居住地とみられる「JOHN D. OMAHA」の文字が。また、米陸軍第1歩兵師団のものとみられるマークも刻印されていました。
「作品に新しい命を与えた」「平和のすばらしさ」
戦争の歴史にもかかわる品の修復に、「これを作った人は、あなたが彼の作品に新しい命を与えたことを喜んでいるに違いない」「すばらしい修復。過去の退役軍人をたたえるすばらしい方法だ」「平和のすばらしさを思い出させるために修復してくれてありがとう」などの反応が寄せられています。
※画像は「Awesome Restorations」のYouTubeチャンネルより引用
関連記事
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.