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「サンリオ」が昔扱っていた“まさかの商品”に思わずびっくり その“意外すぎる過去”とは?(1/3 ページ)

絹からキティへ。

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 ハローキティやポムポムプリンといったかわいらしいキャラクターが人気のサンリオ。実は、創業時にはまったく異なるビジネスを行っていたということを知っていますか?


サンリオのキャラクターたち(画像引用:サンリオ「キャラクター」

サンリオの“意外な過去”

 サンリオの前身は、「山梨シルクセンター」といいます。その名の通り、もとは山梨県の絹を販売する会社でした。なぜ山梨の絹なのかというと、「山梨シルクセンター」はもともと山梨県が地域の特産品である絹などを広めるために創設した団体であったためです。

 創業者の辻信太郎さんもかつては山梨県庁の職員でしたが、行政系の団体では民間のように事業を展開することは難しかったことから、組織名と同県の絹を販売するという目的は残しつつ、1960年に株式会社化しました。

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 こうして始まったサンリオの歴史ですが、絹事業はあまりうまくいきませんでした。雑貨を販売して経営の危機をしのいでいたところ、花柄でかわいらしく飾ったゴム草履(ビーチサンダル)が初ヒット。この経験から、“かわいい”には力があるということが分かり、後のキャラクタービジネスにつながっていったそうです。


サンリオのオリジナルデザイン第1号は「いちご」。山梨シルクセンター時代、いちご柄のコップやハンカチで人気となりました。サンリオの月刊誌が『いちご新聞』という名前であるのも、このような経緯によるものです(画像引用:宝の森

1973年に社名を変更し「サンリオ」誕生

 1973年には、事業内容の変化に合わせて社名も変更されました。「サンリオ」の名はこのときに誕生したもので、スペイン語のSan Rio、すなわち「聖なる河」に由来します。同社によると、これは「人類が最初に住み始めたといわれる河のほとりに聖らかな文化を築きたい」との考えに拠るそうです。

 また、サンリオの企業理念は「みんななかよく」です。創業者は戦時中に空襲を体験しており、この世から戦争をなくしたいと考えたといいます。人が「なかよく」、円滑なコミュニケーションをとるには、しばしばちょっとした贈り物が役に立ちます。こうした思いから、サンリオ直営ショップはいまでも「ギフトゲート」の名で運営されています。

映画事業もやっているサンリオ

 ちなみに、サンリオは映画事業も行っています。初のアニメ映画は「ちいさなジャンボ」。やなせたかしさん原作のミュージカル作品で、後に同社から書籍化もされました。

 また、特に有名な作品は、『キタキツネ物語』です。日本初の動物ドキュメンタリー映画として大ヒットし、2013年にはリニューアル版も公開されました。

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映画『キタキツネ物語』。DVDのパッケージにも「サンリオ映画シリーズ」と書かれています(画像引用:サンリオオンラインショップ

 絹の販売から出発し、世界に知られるキャラクター企業に成長したサンリオ。窮地で出会った“かわいい”の力が、意外なビジネスヒントになったようです。

参考文献

文:近藤仁美(こんどう・ひとみ)

クイズ作家。国際クイズ連盟日本支部長。これまでに、『高校生クイズ』『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』等のテレビ番組の他、各種メディア・イベントなどに問題を提供する。2023年、「Trivia Hall of Fame(トリビアの殿堂)」殿堂入り。著書に『人に話したくなるほど面白い! 教養になる超雑学』(永岡書店)など。

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