予算削減の憶測飛び交う中、元はやぶさプロジェクトマネージャの川口氏、ブログで継続を訴えるどうなる「はやぶさ2」

元はやぶさプロジェクトマネージャの川口淳一郎氏が、「はやぶさ2」の予算削減報道を受け、ブログでプロジェクトの意義をもう一度考えてほしいと政府・与党に迫っている。

» 2011年12月12日 18時42分 公開
[ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
画像 12月12日に公開された川口氏からのコメント

 昨年、小惑星イトカワからのサンプルリターンを成功させた「はやぶさ」の後継探査機「はやぶさ2」に関して先週、予算削減のニュースが飛び交った。それを受け、元「はやぶさ」プロジェクトマネージャの川口淳一郎氏がブログで反論している。

 はやぶさ2は、小惑星「1999JU3」を探査する目的で、2014年の打ち上げを目指し開発を進めている。来年度予算要求は73億円。だが、東日本大震災の復興経費を捻出するために、宇宙関係予算の大幅な減額が求められることになり、実用衛星が優先されるのではないかと憶測が広がった。なお、はやぶさ2の予算は政治主導の「日本再生重点化措置」から支出されることになっている。

 川口氏はブログで今回の予算削減の報道に触れ、はやぶさ2という名前であってもあくまでもこれが本番の1号機であり、はやぶさとはそもそも探査の特性が違うことを強調。政府・与党の科学的な意義を見いだせないという意見に対して、「まことに信じがたい」と驚きを隠さない。

 この計画が、「すべて我々日本の独創性、創造性に発しているという点に」あり、「国民と世界に対して、我々は単なる製造の国だったのではなく、創造できる国だという自信と希望を具体的に呈示したことだと思う」と、最大の成果を無駄にしようとする政府・与党へ翻意することを促した。

 はやぶさ2の打ち上げが遅れると、地球との位置関係から目標となる小惑星への到着および帰還が難しくなる。また、今回探査を目的としている同タイプの小惑星も探査可能範囲では見つかっていないため変更もできない。次の打ち上げの好機は2024年まで待たなくてはならないため川口氏は、はやぶさを成功した世代の技術や経験が断絶する恐れもあり、「はやぶさ初代の成果をふりだしにもどしてしまう」と危機感を抱いている。

 川口氏は「震災からの復興を目指す方々に示すべき、もっとも大きな励ましは、この国が創造できる能力がある国だという自信と希望なはず」とも。

 先述したとおりはやぶさ2の予算は政治主導、つまり政府・与党の考えひとつで継続する目もある。川口氏は政府・与党へプロジェクト継続の声を届けてほしいと訴えている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/18/news134.jpg 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  2. /nl/articles/2404/18/news025.jpg 生後5日の赤ちゃん、7歳のお姉ちゃんから初めてミルクをもらうと…… 姉も驚きの反応がかわいい
  3. /nl/articles/2404/18/news057.jpg 9カ月の赤ちゃん、バスで外国人の女の子赤ちゃんと隣り合い…… 人生初のガールズトークに「これは通じあってますね!」「ベビ同士の会話、とろけます」
  4. /nl/articles/2404/17/news037.jpg 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  5. /nl/articles/2404/17/news034.jpg 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
  6. /nl/articles/2404/18/news155.jpg 大谷翔平選手、ハワイに約26億円の別荘を購入 真美子夫人とデコピンとで過ごすかもしれないオフシーズンの拠点に「もうすぐ我が家となる場所」
  7. /nl/articles/2404/17/news179.jpg 「ケンタッキー」新アプリに不満殺到 「酷すぎる」「改悪」の声…… 運営元「大変ご迷惑をおかけした」と謝罪
  8. /nl/articles/2404/16/news192.jpg 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
  9. /nl/articles/2404/17/news129.jpg 「ハーゲンダッツ硬すぎ!」と力を入れたら……! “目を疑う事態”になった1枚がパワー過ぎて約8万いいね
  10. /nl/articles/2404/16/news175.jpg 「そうはならんやろ」をそのまま再現!? 「ガンダムSEED FREEDOM」のズゴックを完全再現したガンプラがすごすぎる
先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」