荒川線と電車ごっこはどっちが速いのか?:百年戦争終結?(2/2 ページ)
ここで改めて荒川線に挑む電車ごっこの車体を見ていただきたい。100周年の荒川線に敬意を表して、デザインはそのままにダンボールで車体を再現。運転手と車掌はそれっぽいコスプレを用意した。エンブレムにはさん然と「team DG」のロゴが輝いている。こだわりはそれだけではない。ちゃんと乗客用の切符も用意したそうだ。さすがにsuicaとpasmoには対応できなかった。
対決の日、「team DG」として集まったのは女性2人を含む計7人。電車ごっこは5人乗りとし、途中で一度2人乗り替えすることになった。ほかにも撮影班や車両班などスタッフもたくさんそろい、なんと計10台のカメラがコース上に配置されることに。普通のマラソン中継並みの充実ぶりではないか。天気は快晴。あとは対決する車両を待つだけとなった。
対決の様子は「team DG」の皆さんが編集したものを公開しているので、そちらをご覧いただきたい。
さすがは100年走り抜いた荒川線の足腰(?)には及ばず、惜しくも電車ごっこが敗れるという結果になった。
「電車ごっこの乗客がわりとギリギリまで集まらず、焦って『2キロメートルぐらいを軽く走るジョギングイベントやるよ』と、なかば騙し討ちで人数確保に走ったこと」を敗因の1つに挙げている。また、後半信号で止まることなくノンストップで加速していった荒川線に対して、思惑どおり差を広げることができなかった。
勝負の行方は前出の東京庚申堂「荒川線と電車ごっこはどっちが速いのか?」に詳しく掲載されている。
動画では実況も加えられ臨場感もばっちり。これでもかとカメラを配置し臨んでおり、編集の苦労がうかがえる。それにしても勝手に競うことになった荒川線の運転手と乗客はどんな気持ちで並走する電車ごっこを眺めていたのだろうか……。
「やはり電車は速かったですね」と、ヤマグチさん。「調子に乗って10カメも配置しちゃったので、動画にまとめるのが大変でした。そのせいで、結果報告のアップが年を越してしまいましたが、100周年の年度内ということで、大目に見ていただければと甘く自分を慰めています」と取材に応えてくれた。
対決の当日、電車ごっこをしている本気の大人たちに、地元の人が手を振る姿も見れたという。
「負けましたけど、荒川線さんも、荒川線さんが走る街並みも大好きです。また用もないのに乗りに行こうと思います」と、さらに荒川線への親しみが増したようだ。だがその親しみの向こうには「次こそは負けない」という闘志を燃やしている。
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