沖縄往復+ホテル一泊 本当に7円で旅に出られるのか:体験(1/2 ページ)
1円で飛行機に乗れる時代です。では試してみましょうと待つこと半年……。
価格の安さは絶対的な魅力であろう。空の旅に価格破壊をもたらす存在として、ここ最近脚光を浴びているLCC(LowCostCarrier)。世界基準からすると高すぎると言われてきた日本の国内線に挑む形で、今年は新興の航空会社が続々デビューを果たした。
簡単におさらいすると、まず3月にANAの子会社ピーチ・アビエーション(ブランド名はピーチ)が就航を開始。7月にジェットスター・ジャパン、8月にエアアジア・ジャパンも予定通り運航を始めている。就航から半年が経ったピーチが、この6カ月間の利用実績を先日発表していた。それによると搭乗者総数は60万4103人、搭乗率は79%、定時運航率は89%、就航率は99%とのことで、初の国産LCCとしては好スタートを切ったと見てよいだろう。
LCCを語る際に真っ先に話題に上るのは破格の運賃だ。どれぐらい安いのか。例えばピーチでは福岡路線、長崎路線が3590円〜、鹿児島路線が4290円〜、札幌路線、沖縄路線が4790円〜と設定されている(いずれも関西国際空港発着。2013年3月30日までの運賃)。これだけ見ても、既存のANAやJALと比べ際立って安いことが分かる。
ただしそれらは、いわば定価である。LCCではキャンペーンと銘打って、定価よりもずっと安い、驚くような価格の運賃をしばしば提供している。不定期ではあるものの、各社のメルマガやFacebookページを登録しておくと、結構頻繁に案内が届く。通常でも格安だが、キャンペーンを狙えばさらにお得に利用できる可能性があるのだ。
中でも就航開始に際して実施された各社のキャンペーンは破壊力のあるもので、話題となったのも記憶に新しい。ピーチは250円、ジェットスターは1円、エアアジアは5円であった。会社ごとにバラツキはあるものの、ほとんどタダみたいな金額といえるだろう。これらのうち、筆者はジェットスターの1円のキャンペーンで購入していた。成田発、那覇行きの航空券だ。加えて別のLCC関連のキャンペーンで沖縄本島のホテルを1泊5円で予約してみた。往復プラス1泊でなんとたったの計7円の沖縄旅行。今回はその模様をリポートしたい。
LCCを利用する際にひとつのネックとなるのが、空港の問題だ。首都圏に就航している国内線LCCとしては現在、ジェットスター、エアアジアの2社があるが、いずれも羽田ではなく成田から発着する。都心からだと、やはり羽田と比べ成田は遠い。時間がかかるし空港までの移動費も割高だ。もっとも、メインの空港ではない第二、第三の空港を利用するのは日本に限った話ではなく、ある意味LCCならではの流儀でもある。そういうものだと割り切るほかない。
時間はどうにもならないものの、成田までの移動費用に関しては、節約の余地はある。国産LCC就航に合わせて、格安のシャトルバスが運行を始めているのだ。今回は京成バスが運航する東京シャトルで成田へ向かった。東京駅から成田空港まで、1カ月前の予約であれば片道1000円。9月上旬までは開業記念運賃として800円だった。同じ路線を仮にエアポートリムジンで移動すると運賃は3000円、成田エクスプレスの普通車でも2940円もかかることを考えると、わずか3分の1である。LCCは空以外の部分でも価格破壊をもたらしたといえる。
ジェットスターは現在、成田空港の第二ターミナルから発着する。チェックインカウンターは1階にあるが、東京シャトルは国際線出発階である3階で下ろされるため、エスカレーターなどでフロアを移動する必要がある。ジェットスター利用者が多いからなのか、降車時にバスの運転手が行き方を教えてくれたのが印象的だった。成田空港第二ターミナルの1階は、国際線だと到着ロビーが位置するフロアだが、その片隅にジェットスターのカウンターが用意されている。橙色地の目立つロゴが出ているので、すぐにそれと分かるだろう。
自動チェックイン機も備え付けられており、カウンターに並ばずにチェックインもできる。筆者が訪れた時には、ほかの乗客はみなカウンターでチェックインしているようで、自動チェックイン機はガラガラだった。空いている方がいいので、その機械で搭乗券を印刷した。予約番号が書かれたメールがすぐに見つからなかったが、便名と名前だけで無事チェックインが完了した。この際、往路だけでなく復路の分のチケットも同時にチェックインが行われ、搭乗券が2枚出てきた点は補足しておきたい。帰りは空港でのチェックインが不要というわけだ。なおジェットスターでは、事前にWebでチェックインを済ませ、家庭用プリンタなどで搭乗券を印刷して持参することも可能だ。
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