だがしかしそれがいい ハイテンション駄菓子マンガ「だがしかし」のヒロイン・ほたるさんが残念美人すぎて困る:虚構新聞・社主UKのウソだと思って読んでみろ!第35回
棒きな粉を一気食いしてむせる、子ども用ビールを飲んで本当に酔っぱらう……。これは久々の大型残念美人登場の予感!
ねとらぼ読者のみなさん、こんにちは。au未来研究所から発表された「INFOJAR開発」の一報に、ねとらぼ編集部から「これはまた謝罪ですね(ゲス顔)」と評された(関連記事)虚構新聞の社主UKです。未来研究所におかれましては開発頓挫を願ってやみません。
さて、本連載当初、社主がマンガを紹介する際「残念美人」を1つのキーワードとして挙げていたのを覚えておられるでしょうか。宮原るり先生「僕らはみんな河合荘」(少年画報社)の麻弓さん、ゴツボ×リュウジ先生「ササメケ」(KADOKAWA)の近江舞子など、黙ってさえいれば美人なのに、その残念な性格が全てを台無しにしている女子――、それが残念美人です。
主役脇役問わず残念美人が登場するだけで自動的に作品の評価を2ランクアップさせる社主ですが、今回6ランクアップさせたいほどとびきりの残念美人が活躍するマンガが発売されたので、久々にこの残念美人をキーワードに1作品ご紹介します。
「週刊少年サンデー」(小学館)にて連載中、コトヤマ先生の「だがしかし」(〜1巻、以下続刊)です。
「うまい棒」「ポテトスナック」など昔懐かしい駄菓子をテーマにした本作。発売後すぐに増刷が決まるなど、今注目を集めているマンガなのですが、社主が手に取ったきっかけは青髪の少女がラムネ瓶を片手にこちらを見つめるこの表紙でした。いわゆる「ジャケ買い」というやつです。
だがしかし! 来る日も来る日もマンガばかり読み続けていると、中身を読まずとも表紙を見るだけでそこから漂う異質なオーラが感知できるようになるというもの。一見すると「美人のお嬢様」といった雰囲気の彼女ですが、よくよく見ると瞳孔がぐるぐる渦巻き。社主の経験上、瞳孔が渦を巻いているキャラが普通の性格をしているはずがないのです。
かくしてその予感は的中し、今回久々に期待の大型残念美人、ヒロイン・枝垂(しだれ)ほたるに巡り会うことができました。ありがたいことに最近は各誌ネット上で試し読みができるようになりつつありますが、まだそういう環境が整っていない時代に培った能力は今もこうして役立っています。
ひなびた駄菓子屋で繰り広げられるハイテンションコメディ
すでに各所で話題になりつつある作品なので、ご存じの方も多いかもしれませんが、簡単にストーリーを紹介しておきます。
舞台はとある半島の海沿いにある田舎町。このひなびた町のひなびた駄菓子屋「シカダ駄菓子」に住む主人公の少年・鹿田ココノツが、ある夏の日、父・ヨウから店の跡を継ぐよう説得されるところから物語が始まります。将来漫画家になることを夢見ていたココノツに駄菓子屋の跡継ぎになるよう迫るヨウ。そんな時、言い争う2人の前に突然1人の少女が現れます。
「ここが… シカダ駄菓子ね。」
田舎町には似合わない都会的な雰囲気をまとった謎の美少女・枝垂ほたる。その外見とは裏腹に入店早々いきなりのハイテンションで一方的に自己紹介を始める彼女の正体はお菓子メーカー「枝垂カンパニー」の令嬢だったのです。
ほたるがシカダ駄菓子を訪れたのは駄菓子業界では有名人だという父・ヨウを枝垂カンパニーに招くため。それを聞いたヨウは「この店は俺の人生そのものだ」と、一度は拒否するものの、一転入社の条件として「ココノツをシカダ駄菓子の跡継ぎにするよう決心させること」を提案。
こうしてココノツを跡継ぎにすべくあれこれ計画を練るほたると、それを拒むココノツの2人の長い夏休みが始まるのでした。
駄菓子ウンチク×残念美人で2度おいしい
こんなプロローグから始まる本作ですが、物語としては概(おおむ)ねほたるがココノツのもとを訪れ、あの手この手で跡継ぎになるよう策を練りつつ、また一方で駄菓子の魅力をハイテンションで語っていくというライトなコメディ。ただ特筆すべきは、作中に登場する駄菓子が「うまい棒」「モロッコフルーツヨーグル」「ブタメン」「こざくら餅」など全て実在する商品だということ。
読み進めるにしたがって、これはいいおっさんホイホ……、いや、子どもの頃に親しんだ駄菓子の数々とともにノスタルジーに浸ることができるはず。「サンデー」を読む現役少年に駄菓子の良さを伝えつつ、また同時に社主のようなかつての少年世代にも「そういやあったあった……」と共感させてしまうところに駄菓子の偉大さをあらためて感じてしまいます。
だがしかし! 冒頭でも書いたように、社主にとって最大の魅力はヒロイン・枝垂ほたるのこの上ない残念具合です。
好きな男子はポテトフライのキャラ・ポッチ君だという彼女。棒きな粉を一気食いしてむせる、子ども用ビールを飲んで本当に酔っぱらう、フエラムネを擬人化して妄想する、めんこの修業を2年も続ける……。毎回毎回こんな残念な所業を重ね(ご褒美です!)、その上何とシャワー後に男子と出会っても全裸で堂々と立っている(ありがとうございます!)という、この紛れもない残念美人っぷりは素晴らしすぎます!
ココノツは彼女の第一印象を「すげえ! 2次元から出てきたみたい!!」と言っていますが、確かに次元の壁を乗り越えて会ってみたいと、半ば本気で思わせるほど社主にとってツボなキャラ。この世に存在する駄菓子を全て紹介しつくすその日まで彼女の残念っぷりを愛でていきたいと思いつつ、今日はこれにて筆を置きます。
今回も最後までお読みくださりありがとうございました。
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作者は「たいようのいえ」で「第38回講談社漫画賞」を受賞したタアモ先生です。
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